宇宙遊泳 (アルバム)
『宇宙遊泳』 | ||||
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スピリチュアライズド の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | オルタナティヴ・ロック、スペース・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | Dedicated Records | |||
プロデュース |
ジェイソン・ピアース ジョン・コクソン(#5) | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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スピリチュアライズド アルバム 年表 | ||||
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『宇宙遊泳』(原題:Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space)は、イングランドのロック・バンド、スピリチュアライズドが1997年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。
背景
[編集]タイトル曲は本来、エルヴィス・プレスリーの曲「好きにならずにいられない」のリフレイン(歌唱はジェイソン・ピアースとロンドン・コミュニティ・ゴスペル・クワイアによる)が挿入されていたが、プレスリーの遺産財団から許可が下りなかったため、オリジナル・ヴァージョンでは外された[3]。ただし、2009年の再発盤の1曲目には、ピアースが本来意図した「好きにならずにいられない」を含むヴァージョンが収録されている[3]。
「ブロークン・ハート」や「涼風」等の歌詞は、バンドのメンバーでありピアースの恋人でもあったケイト・ラドリーとの別れが元になっているという説も流れたが、ピアースはそれを否定し、本作収録曲の大部分はそれ以前に書かれたと主張している[3]。
「コップ・シュート・コップ」にはドクター・ジョンがゲスト参加した[4]。なお、ドクター・ジョンのアルバム『アナザー・ゾーン』(1998年)収録曲「ハロー・ゴッド」と「ジョン・グリ」には、スピリチュアライズドの歴代メンバーのうちジェイソン・ピアース(J・スペースマン)、マイク・ムーニー、ショーン・クック、ティム・ルイス(Thighpaulsandra)がゲスト参加している[5]。
反響
[編集]全英アルバムチャートでは4位に達し、バンド初の全英トップ10入りを果たした[1]。また、本作からシングル・カットされた「エレクトリシティ」は全英シングルチャートで32位、「アイ・シンク・アイム・イン・ラヴ」は27位を記録した[6]。
スウェーデンのアルバム・チャートでは4週トップ60入りし、1997年7月4日付のチャートで最高41位を記録した[2]。アメリカでは総合アルバム・チャートのBillboard 200入りは果たせなかったが、『ビルボード』のトップ・ヒートシーカーズでは26位を記録した[7]。
評価
[編集]Jason Ankenyはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「ある意味、荘厳でスペクター的な輝きを伴った、ジェイソン・ピアースによる一流のロック・アルバム」と評している[4]。
『NME』誌は本作を1997年の最優秀アルバムに選出した[8]。『スピン』誌が1985年から2010年のアルバムから選出した「過去25年のベスト・アルバム125」では110位にランク・イン[9]。また、『ローリング・ストーン』誌が2013年に選出した「グレイテスト・ストーナー・アルバム40」では13位となった[10]。
収録曲
[編集]全曲ともJ・スペースマン(ジェイソン・ピアース)作。ランニング・タイムはオリジナル盤に準拠。
- 宇宙遊泳 - "Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space" - 3:41
- カム・トゥギャザー - "Come Together" - 4:40
- アイ・シンク・アイム・イン・ラヴ - "I Think I'm in Love" - 8:09
- オール・オブ・マイ・ソーツ - "All of My Thoughts" - 4:36
- ステイ・ウィズ・ミー - "Stay with Me" - 5:08
- エレクトリシティ - "Electricity" - 3:46
- 勇者の安息 - "Home of the Brave" - 2:22
- 孤高 - "The Individual" - 4:15
- ブロークン・ハート - "Broken Heart" - 6:38
- 神なき信仰 - "No God Only Religion" - 4:21
- 涼風 - "Cool Waves" - 5:05
- コップ・シュート・コップ - "Cop Shoot Cop…" - 16:15
日本盤ボーナス・トラック
[編集]- ブロークン・ハート(インストゥルメンタル) - "Broken Heart (instrumental)" - 8:09
他メディアでの使用例
[編集]「アイ・シンク・アイム・イン・ラヴ」は、映画『スプレンダー/恋する3ピース』(1999年公開)のサウンドトラックにおいてケミカル・ブラザーズによるリミックス・ヴァージョンが使用された[11]。また、2001年の映画『バニラ・スカイ』では「宇宙遊泳」が使用された[12]。
参加ミュージシャン
[編集]- ジェイソン・ピアース - ボーカル、ギター、ピアノ、ダルシマー、オートハープ、ホーン・アレンジ、ストリングス・アレンジ、クワイア・アレンジ
- ケイト・ラドリー - オルガン、シンセサイザー、ピアノ、バッキング・ボーカル
- ショーン・クック - エレクトリックベース、ハーモニカ
- デイモン・リース - ドラムス、パーカッション
アディショナル・ミュージシャン
- ジョン・コクソン - ギター、メロディカ、シンセサイザー、ホーン・アレンジ
- ドクター・ジョン - ピアノ、ボーカル
- バラネスク・カルテット - ストリングス
- エンジェル・コーパス・クリスティ - アコーディオン
- アンディ・デイヴィス - ハモンドオルガン
- サイモン・クラーク - フルート、バリトン・サクソフォーン、ホーン・アレンジ
- ティム・サンダース - テナー・サクソフォーン、ホーン・アレンジ
- テリー・エドワーズ - テナー・サクソフォーン
- ロディ・ロリマー - トランペット、フリューゲルホルン
- ニール・シドウェル - トロンボーン
- ティム・ジョーンズ - フレンチホルン
- B・J・コール - ペダル・スティール
- ロンドン・コミュニティ・ゴスペル・クワイア - クワイア
- クレア・コナーズ - ストリングス・アレンジ
- Basil Hughes - クワイア・アレンジ
脚注・出典
[編集]- ^ a b SPIRITUALIZED | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
- ^ a b swedishcharts.com - Spiritualized - Ladies And Gentlemen We Are Floating In Space
- ^ a b c “Spiritualized - Ladies And Gentlemen We Are Floating In Space”. Uncut. Time Inc. (UK) (2009年12月7日). 2016年10月31日閲覧。
- ^ a b Ankeny, Jason. “Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space”. AllMusic. 2016年10月31日閲覧。
- ^ Dr John* - Anutha Zone (CD, Album) at Discogs
- ^ SPIRITUALIZED | full Official Chart History | Official Charts Company
- ^ “Spiritualized - Awards”. AllMusic. 2016年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月31日閲覧。
- ^ Currin, Grayson (2010年3月2日). “Spiritualized: Ladies and Gentlemen We are Floating in Space (Collector's Editon) Album Review”. Pitchfork. 2016年10月31日閲覧。
- ^ “125 Best Albums Of The Past 25 Years - Page 4”. Spin. SpinMedia Group. 2016年10月31日閲覧。
- ^ “Spiritualized, 'Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space' - The 40 Greatest Stoner Albums”. Rolling Stone. 2016年10月31日閲覧。
- ^ Splendor (1999) - Soundtrack - IMDb
- ^ Vanilla Sky (2001) - Soundtracks - IMDb