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季刊三千里

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

季刊三千里(きかんさんぜんり)は、1975年から1987年まで発行されていた、朝鮮半島在日韓国・朝鮮人に関する日本語総合雑誌である。

概要

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1975年2月、金達寿李進熙姜在彦らにより創刊された[1]。「創刊のことば」に、“朝鮮をさして、「三千里錦繍江山」ともいう。「麗しい山河の朝鮮」という意味である。雑誌『季刊三千里』には、朝鮮民族の念願である統一の基本方向をしめした1972年の「7・4共同声明」にのっとった「統一された朝鮮」を実現するための切実な願いがこめられている。”等とある。発行元は東京の三千里社。在日韓国・朝鮮人が主体になって執筆・刊行が続けられ、1987年5月、50号をもって廃刊とされた[2]

金芝河五賊筆禍事件金大中事件中国朝鮮族自治州訪問記、三・一運動六十周年、NHK朝鮮語講座開設の要望、古代日本と朝鮮とのつながり、江華島事件百年、在日外国人指紋押捺、現代の朝鮮文学朝鮮通信使、朝鮮の芸能文化など、幅広いテーマが取り上げられ、特集が組まれた。

同誌の刊行されていた時期は、在日韓国・朝鮮人の世代別の人口構成の中心が一世から日本生まれの二世・三世に移行する時期であり、一方で、日本政府は1980年代に入り出入国管理及び難民認定法を改定し在日朝鮮・韓国人を帰化に導く政策をとっていた。このような状況のなかで、在日韓国・朝鮮人社会は新たなアイデンティティーや生き方を模索しなければならないという問題に直面するが、そのような模索作業の主な空間の一つが『季刊三千里』であった、との研究がある[3]

脚注

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  1. ^ 創刊当時は金石範も編集同人に加わっていたが、金達寿たちの韓国訪問に抗議して同人から離脱した
  2. ^ 国立国会図書館蔵書検索
  3. ^ 「『계간 삼천리』(季刊三千里)의 민족정체성과 이산적 상상력」日本語文學 第41輯, 2009.6, page(s): 3-442