好本督
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好本 督(よしもと ただす、1878年(明治11年)1月23日-1973年(昭和48年)4月14日)は、日本の教育者、研究者、キリスト教思想家、宗教家である。
視覚障害当事者として、イギリスの制度を日本に輸入し視覚障害者の権利向上のため尽くした。日本盲人の父と称される[1]。
来歴
[編集]大阪市東区瓦町に生まれる。幼少期から網膜色素変性症のため弱視であった。
大阪府立第一中学校を卒業。[2]
1898年前後(明治31年) 内村鑑三の聖書研究会に参加し、キリスト教徒となる
1901年(明治34年)オックスフォード大学ジーザス校に留学。[3]
1902年(明治35年)日本に帰国後、『真英国』を著す。[4]
1903年(明治36年)オックスフォード大学マンチェスター・ニューカレッジ校に留学。
1904年(明治37年)療養のため帰国。
1906年(明治39年)早稲田大学の英語講師に就任。日本盲人会の結成に参加。
1908年(明治41年)羅紗の貿易を行う商事会社「オックスフォード・ハウス」を設立。
1919年(大正8年)盲人キリスト信仰会の結成に参加。点字新聞『あけぼの』に記事を投稿
1924年(大正13年)点字版旧約聖書の全訳22巻を刊行。[5]
1934年(昭和9年)自伝『十字架を盾として』を出版。[6]
1950年(昭和25)日本盲人基督教伝道協議会の初代議長に就任
1955年(昭和30年)第一回アジア盲人福祉会議に出席
主要著作
[編集]- 『真英国』言文社 、1902年
- 『日英の盲人』東西社 、1906年
- "A Peasant Sage Of Japan: The Life And Work Of Sontoku Ninomiya"、1912年
- 『十字架を盾として: 九立坊回顧録』日曜世界社、1934年
- 『英国人とキリスト教』新教出版社、1948年
- セシル・ローズ著・好本督訳『神に聴いて』明和書院、1949年
- 『わが隣人とは誰か』待晨堂、1967年
- 『主はわが光』日本キリスト教団出版局、1981年[7]
関連人物
[編集]参考文献
[編集]- 森田昭二『盲人福祉の歴史 近代日本の先覚者たちの思想と源流』明石書店、2015年
- 安在邦夫「本学初期の視覚障害教員―好本督」障害学生問題研究会編『総合大学における障害学生のあり方の基礎研究』多賀出版、1990年
- 日本盲人キリスト教伝道協議会『されど育て給うは神なり―盲伝六〇年のあゆみー』2011年
- 石松量蔵『盲人とキリスト教の歩み―盲人伝道百年史』日本盲人基督教伝道協議会、1959年
- 岸博実「73 好本督」『盲教育史の手ざわり』、小さ子社、2020年
出典
[編集]- ^ 近代盲人福祉の先覚者好本督
- ^ 『『されど育て給うは神なり―盲伝六〇年のあゆみー』』日本盲人キリスト教伝道協議会、2011年、54-57頁。
- ^ “好本督”. 早稲田人名データベース. 2021年2月15日閲覧。
- ^ 好本督『『真英国』』言文社、1902年4月 。
- ^ 秋元梅吉・伊藤福七『「日本語点字聖書の由来」『聖書の日本』205号』聖書の日本社、1953年、15-19頁 。
- ^ 森田昭二 (2009). “近代盲人福祉の先覚者好本督”. 人間福祉学研究 2: 61.
- ^ 森田昭二 (2010). “好本督と「日本盲人会」の試み : 盲人福祉事業の先覚者が描いた夢”. 社会福祉学 51: 16」.