好きっぷ
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(好きっぷ2000から転送)
好きっぷ(すきっぷ)は、南海電気鉄道とその子会社の南海フェリーが共同で発売する、鉄道線の乗車券とフェリーの乗船券がセットになった割引切符の総称である。
その前身の好きっぷ2000についてもここで述べる。
概要
[編集]和歌山市と徳島市(1999年3月までは小松島市)を結ぶフェリー航路である南海フェリーは、明石海峡大橋開通後も他の関西-四国・淡路間航路が軒並み廃止となる中でも路線を維持してきたが、明石海峡大橋を経由する高速バスに対抗[1]していくため、『ゆったり移動』できるフェリーのメリットに『スキップしたくなるお得感』を組み合わせた割引切符を発売することとなった。
- 2011年10月15日 - 『好きっぷ2000』として発売開始。当初は2012年3月31日までの期間限定だったが、その後1年ごと(但し2019年度のみ10月1日に消費税が改定されたため半年ごとになった)に期間が延長[2]され2023年3月31日以降は通年発売となっている(紙発行の好きっぷの場合)。
- 2015年2月2日 - 徳島港発の切符として、従来有効範囲外だった支線向けに、加太線用『かだ好きっぷ2000』、多奈川線用『たながわ好きっぷ2000』、高師浜線用『たかしのはま好きっぷ2000』、「汐見橋線」用『しおみばし好きっぷ2000』を追加発売した。また『こうや好きっぷ2000』を『こうやさん好きっぷ2000』に改称。
- 2019年10月1日 - 消費税が10%に変更になるのにあわせて発売額を大人2,200円、小児1,100円に変更。価格変更によって実態とそぐわなくなるため、商品名についていた『2000』がなくなり『好きっぷ』となる。
- 2022年3月25日 - Visaのタッチ決済対応改札機をもつ駅で、同じカードによるタッチ決済で徳島港と南海電鉄の対応駅をそれぞれ通過すると自動的に紙の好きっぷと同額の2200円として決済される『スマート好きっぷ』(大人のみ)を発売(同年12月11日まで発売予定だったがそれ以降も無期限で継続となった[3]。)[4]。
- 2023年10月1日 - 南海電鉄および南海フェリーの運賃改定に伴う企画乗車券の発売価格見直しにより発売額を大人2,500円、小児1,250円に変更[5][6]。
- 2023年12月13日 - 前述の『スマート好きっぷ』のカードタッチ決済乗り継ぎ対象カードが従来からのVisaに加え「JCB」「American Express」「Diners」「Discover」「銀聯」も利用可能となる[7]。
切符の種類
[編集]片道の割引乗車船券であり、南海電鉄各駅 - 和歌山港駅の鉄道と、和歌山港 - 徳島港の航路がセットで発券される。なお、利用する方向や決済方法によって以下に分かれる。
- 全て利用日の1ヶ月前から購入可能となる。南海電鉄各駅発は2015年4月以降はタッチパネル式の自動券売機を設置している駅で当日分の購入が可能である(ただし現金のみ)。なお、かつては非発売駅から利用する場合は発売駅まで出向いたうえ窓口で購入しなければならなかった。
- 窓口購入では常備券ではなく端末による発券を行うため購入可能時間が限られている[8]。
- 南海フェリーでの発売(徳島港のみ)は2時20分から上り8便出航前まで(欠航時はこの限りではない)。
- とくしま好きっぷ
南海沿線の主要駅から徳島港への割引切符。2015年3月31日まで発売は下記の駅(駅窓口で定期券の発売を行っている駅)に限られていたが、現在は下記の駅では窓口で1ヶ月前からの事前販売およびクレジットカードが利用可能となる駅となる。また、2015年4月1日以降、タッチパネル式自動券売機での当日現金購入も可能となる。
- 下記の駅では、タッチパネル式自動券売機の設置がないため、2019年4月現在もその駅での購入はできない。上記・下記いずれにも表記のない駅は、2019年4月現在、タッチパネル式自動券売機で当日現金購入のみが可能となる。
※徳島港発の以下の好きっぷはすべて徳島港フェリーターミナル、及び2017年7月20日より徳バス観光サービス各営業所[10]で発売。
- なんば好きっぷ
- こうや好きっぷ(2015年2月1日まではこうや好きっぷ2000、再変更前はこうやさん好きっぷ2000)
- 徳島港から高野線の各駅[13]および鋼索線高野山駅への割引切符。『とくしま好きっぷ』が発売されていない駅での下車も可能。
- かんくう好きっぷ
- 徳島港から空港線の各駅[14]への割引切符。
- かだ好きっぷ
- 徳島港から加太線の各駅[15]への割引切符。
- たながわ好きっぷ
- 徳島港から多奈川線の各駅[16]への割引切符。
- たかしのはま好きっぷ
- 徳島港から高師浜線の各駅[17]への割引切符。
- しおみばし好きっぷ
- 徳島港から「汐見橋線」の各駅[18]への割引切符。
- スマート好きっぷ(大人のみ発売)
- 利用は以下のVisaのタッチ決済対応改札機設置駅と徳島港との相互利用に限られる[19]。後述の通り2023年12月13日よりVisa以外の一部ブランドもタッチ決済対応となった。
- 2022年4月25日から中百舌鳥駅以外の泉北高速鉄道各駅にVisaのタッチ決済が拡大され、2022年7月までは中百舌鳥駅以外の泉北高速鉄道線の各駅から同駅を乗り通し、和歌山港から南海フェリーを利用した場合は、泉北高速鉄道各駅と和歌山港駅間の乗継割引運賃が適用された(合計100円引き)運賃と南海フェリーの通常運賃2,200円の合計額が決済されてしまい、スマート好きっぷ対象外となるため、必ず中百舌鳥駅で一旦改札を出入場する必要があった。逆に徳島港から南海フェリーを利用し泉北高速鉄道線の各駅まで乗り通した場合は自動的にスマート好きっぷの適用を受け、スマート好きっぷ2,200円と中百舌鳥駅から降車駅までの泉北高速鉄道線通常運賃の合計額が決済された(中百舌鳥駅での出入場不要)[20]。
- 2022年8月1日から中百舌鳥駅以外の泉北高速鉄道の各駅との相互間で南海フェリーを利用した場合はスマート好きっぷ2,500円(2023年9月30日までは2,200円)と中百舌鳥駅と利用駅の間の泉北高速鉄道線通常運賃の合計額が決済される(中百舌鳥駅での出入場不要)[21]。
- スマート好きっぷを利用する場合はVisaのタッチ決済による各種割引キャンペーンは対象外となる[22]。
- 2023年12月13日から従来からのVisaに加え「JCB」「American Express」「Diners」「Discover」「銀聯」のタッチ決済も利用可能となった[23]。
- 駅名の後ろに※のある駅は2022年5月に順次(和歌山大学前駅が5月31日)、それ以外の駅は発売時より対応。
発売料金
[編集]- 価格は大人は全て2500円(小児1250円)[24]。
- 『スマート好きっぷ』は大人料金のみ対応[4]。
- 鉄道線の座席指定列車[25]および南海フェリーのグリーン席は、別途料金を支払うことで利用できる。
- 有効区間内で途中下車した場合はその時点で無効となる。
- 有効期間は使用日当日限りとなる。
- ただし、電車の接続が無い和歌山港発のフェリー1 - 3便に乗船する場合は、『スマート好きっぷ』を除き便宜上前日の日付の乗車券で乗船が可能である(和歌山港までは徒歩移動または別の交通機関を利用する必要がある)。
脚注
[編集]- ^ ただし、南海グループとしても関西から徳島県への高速バスを運行している。(南海バス・徳島バス・四国交通)
- ^ 消費税増税が行われた場合価格改定を行えるようにするため短期になっている
- ^ 南海グループは12月12日以降も、「Visaのタッチ決済」「デジタルきっぷ」のサービスを継続します~インバウンド旅客を含む、お客さまの受け入れ体制強化~ - 南海電気鉄道、2022年12月12日閲覧
- ^ a b 【日本初】 鉄道×船舶 Visaのタッチ決済を用いた乗り継ぎ!3月25日から南海フェリーとの乗り継ぎ割引を適用します! - 南海電気鉄道、2022年4月4日閲覧
- ^ 運賃改定に伴う一部企画乗車券の発売価格見直しと発売終了について - 南海電気鉄道、2023年8月13日閲覧
- ^ 旅客運賃・特殊手荷物運賃(区分)改定のお知らせ - 南海フェリー、2023年8月13日閲覧
- ^ “タッチ決済【徒歩乗船のみ】使えるカード追加!”. 南海フェリー株式会社 (2023年12月13日). 2024年4月16日閲覧。
- ^ 駅窓口での定期券発売時間と同じであるが、発売開始時間については駅の端末が接続されていれば定期券発売時間より早い時間でも購入可能。
- ^ 2012年4月1日の駅開業以降
- ^ 営業部・高速バスチケットセンター各店を除く
- ^ 運行系統としては高野線電車しか停車しない今宮戎駅・萩ノ茶屋駅を含む。
- ^ 2015年2月1日までは加太線・多奈川線・高師浜線・『汐見橋線』まで乗車する場合はこの切符を購入の上、南海本線上の分岐駅から下車駅までの運賃が別途必要となっていた。
- ^ 南海本線と運行系統上の高野線が合流する岸里玉出駅、運行系統としては高野線電車しか停車しない今宮戎駅・萩ノ茶屋駅は『なんば好きっぷ』を使用。また『汐見橋線』区間は『しおみばし好きっぷ』を使用。
- ^ 分岐駅の泉佐野駅は『なんば好きっぷ』を使用。
- ^ 分岐駅の紀ノ川駅は『なんば好きっぷ』を使用。
- ^ 分岐駅のみさき公園駅は『なんば好きっぷ』を使用。
- ^ 分岐駅の羽衣駅は『なんば好きっぷ』を使用。
- ^ 分岐駅の岸里玉出駅は『なんば好きっぷ』を使用。
- ^ 【ご利用可能駅】 - 南海電気鉄道、2022年4月4日閲覧
- ^ 「Visaのタッチ決済」利用可能駅を大幅に拡大!4月25日から泉北高速鉄道の全駅で利用可能となるほか、5月より順次、南海電鉄の5駅に専用改札機を新設し、合計28駅に - 南海電気鉄道、2022年4月16日閲覧。
- ^ Visaのタッチ決済を用いた「スマート好きっぷ」のご利用について - 泉北高速鉄道、2022年8月1日、同日閲覧。
- ^ 「Visaのタッチ決済乗車初夏トクキャンペーン(30%割引)」を2022年6月6日(月)から実施します - 南海電気鉄道、2022年6月7日閲覧。
- ^ “タッチ決済【徒歩乗船のみ】使えるカード追加!”. 南海フェリー株式会社 (2023年12月13日). 2024年4月16日閲覧。
- ^ これは南海フェリーの普通片道乗船券の運賃と同額である。つまり、鉄道線に乗る距離が増えれば増えるほどお得になる。
- ^ こうや・りんかん・ラピート、およびサザンの座席指定車に乗車する場合