大野豊 (工学者)
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大野 豊(おおの ゆたか、1924年(大正13年)8月24日 - 2012年(平成24年)10月27日)は、日本の工学博士。京都大学名誉教授。栄典は、正四位・勲二等瑞宝章、紫綬褒章。日本で初めてのオンラインリアルタイムシステムMARS-1を開発し、日本国有鉄道(現:JR)の座席予約システムのコンピュータ化を実現した。
略歴
[編集]- 1946年(昭和21年) - 東京帝国大学第一工学部を卒業、運輸省に就職。
- 1949年(昭和24年) - 日本国有鉄道に移る。
- 1962年(昭和37年) - 東京大学より工学博士の学位を授与。
- 1972年(昭和47年) - 京都大学工学部情報工学科教授
- 1978年(昭和53年) - 京都大学情報処理教育センターを創設、初代センター長に就任。
- 1983年(昭和58年) - 日本ソフトウェア科学会初代理事長に就任。
- 1985年(昭和60年) - 通商産業省のシグマプロジェクトの開発委員会委員長に就任。
- 1987年(昭和62年) - 社団法人情報処理学会の第14代会長に就任。
- 1988年(昭和63年) - 京都高度技術研究所の初代所長、副理事長を兼任。
- 1990年(平成2年) - 立命館大学理工学部情報工学科教授に就任。
- 1991年(平成3年) - 公益社団法人パソコンユーザ利用技術協会副会長に就任、EAGL事業推進機構会長に就任(1998年まで)。
- 1992年(平成4年) - 公益社団法人パソコンユーザ利用技術協会第2代会長に就任(2003年まで)。
- 1998年(平成10年) - 関西TLO代表取締役社長に就任。
- 2012年(平成24年)10月27日 - 前立腺がんのため死去[1]。88歳没。
受賞・叙勲など
[編集]- 1960年(昭和35年) - 電気学会進歩賞
- 1961年(昭和36年) - 科学技術庁長官賞
- 1968年(昭和43年) - 電子通信学会業績賞
- 1971年(昭和46年) - 紫綬褒章
- 1975年(昭和50年) - 運輸大臣表彰
- 1996年(平成8年) - 勲二等瑞宝章[2]
- 1990年(平成2年) - 情報処理学会功績賞
- 2001年(平成13年) - 京都府文化賞特別功労賞
- 2012年(平成24年) - 正四位[3]
著書等
[編集]- 『プログラム技術』 1968年 電子通信学会、共著 水野幸男、島内剛一、西村恕彦、久保宏志、和田英一、淵一博、穂坂衛、大野豊、関根智明、元岡達
- 『FORTRANによる数値計算ハンドブック』1971年 オーム社、共著 磯田和男、大野豊
- 『情報科学講座』1972年 共立出版、共著 北川敏男、大野豊、飯田善久、木村幸男
- 『ソフトウエア・システムの要求・仕様・設計記述手法およびその検証に関する研究』1979年 文部省科学研究費補助金研究成果報告書、研究種目、一般研究(B)、科研費課題番号 00446191
- 『ステツプ同期型マルチマイクロプロセサシステムによるカラーグラフイツクス制御装置』1980年 文部省科学研究費補助金研究成果報告書 研究種目、試験研究、科研費課題番号 00485098
- 『ソフトウエア工学における知識の利用に関する研究』文部省科学研究費補助金研究成果報告書、研究種目、総合研究(A) 1983年 課題番号 58380006
- 『ソフトウエア設計仕様の動的検証に関する研究』文部省科学研究費補助金研究成果報告書、1983年-1985年 研究種目、一般研究(B) 科研費課題番号 58460236
- 『要求フレームに基づくソフトウエア仕様定義環境の構築』文部省科学研究費補助金研究成果報告書 1986年-1987年 科研費課題番号 61880006
- 『分散オペレーティングシステムの構築に関する研究』文部省科学研究費補助金研究成果報告書、1991年-1992年 研究種目、一般研究(B) 03452175
- 『情報リテラシ』1994年 ISBN 4-320-02697-7
- 『数独の体系的解法 初歩から超難度までそして、Art Inkala (フィンランド) へ』2011年 私家版
- 翻訳
- 『並行処理とUNIX』1985年 著者 リチャード・C・ホルト 共訳 大野豊ほか 啓学出版
脚注
[編集]- ^ 大野豊氏死去(京都大名誉教授・情報工学) 時事通信 2012年10月31日閲覧
- ^ 京都大学工学広報第26号(1996年10月号)
- ^ 『官報』平成24年11月27日閲覧
外部リンク
[編集]- コンピュータ博物館・日本のコンピュータパイオニア
- 過去の情報政策と情報産業に関する調査・分析について 調査報告書(PDFファイル)独立行政法人情報処理推進機構2004年3月報告書