大石道夫
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大石 道夫(おおいし みちお、1935年8月11日 - )は日本の分子生物学者。理学博士、東京大学名誉教授、かずさDNA研究所理事長。古生物学者の父親大石三郎(おおいし さぶろう、北海道大学教授)に倣いシーラカンスなど化石を収集(大石コレクション)する。
経歴
[編集]- 札幌市生まれ。札幌市立啓明中学校、北海道札幌南高等学校(1年中退)、麻布高等学校卒(1954年)
- 東京大学理科2類入学(1954年)
- 東京大学理学部生物学科卒(1958年)
- 東京大学理学系大学院 生物化学専門課程修了 理学博士(1963年)
- 東京大学放射線遺伝学教室助手(1963年)
- プリンストン大学 博士研究員(1964年)
- ニューヨーク公衆保健研究所 (PHRI) 研究員(1966年)
- ニューヨーク公衆保健研究所 (PHRI) 主任研究員(1974年)
- ニューヨーク大学医学部微生物学教室 教授(研究専任)(1974年)
- 東京大学応用微生物研究所 教授(1979年)
- 京都大学ウイルス研究所教授(併任)(1991年)
- 東京大学分子細胞生物学研究所(現定量生命科学研究所)所長(1993年)
- 通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所 所長(1995年)
- かずさDNA研究所 所長(1997年)
- かずさDNA研究所 理事長(2003年)
歴任
[編集]- 日本分子生物学会 会長
- 学術専門誌DNAResearch[1](英文誌)編集長
- 日本バイオインダストリー協会 (JBA) 会長
- バイオサイエンスデータベースセンター (NBDC) センター長
- 日本バイオ産業人会議 (JABEX) 世話人
- バイオテクノロジー (BT) 戦略会議メンバー
- 総合科学技術会議専門委員
- 国際ヒトゲノム連合委員
- アフリカ農業技術財団 (AATF) [2]理事 他
研究業績
[編集]- 微生物における初めてのDNA組み替えに関するタンパク質(recBCD酵素)の発見。PMID 4916924, 4339852, 4574113, 4280072, 1089204
- リボゾームRNA遺伝子に関する分子生物学的研究。PMID 4955654, 4982359, 4992674, 4995655, 5003312
- DNA複製に関する分子生物学的研究。PMID 14243385, 4968634, 4973488, 4875804
- 大腸菌における遺伝的転換 (transformation) の発見。PMID 4630612, 4594528
- バクテリアウイルス(ファージ)を誘発する細胞内因子の発見。PMID 77015, 358188, 7017707
これら分子生物学、バイオテクノロジーに関する研究業績をProc.Natl.Acad.Sci.USA(P.N.A.S.USA, 米国科学アカデミー紀要)(20報)、Nature(4報)、Cell(1報)など約200報発表。
大石コレクション
[編集]大石道夫が収集したシーラカンス化石、古代ワニの全身化石、古代サメのラセン型歯(ヘリコプリオン)化石など古生代、中生代の約200種の水棲生物、昆虫、植物など化石のコレクション。
城西大学水田記念博物館 大石化石ギャラリー[1]に展示され、地理的、進化的に見た体系的な収集と保存状態の良さで知られる。展示されているシーラカンス化石の一つは2016年に新種のシーラカンスとして報告され、大石道夫に因んでWhiteia oishii と命名された[2]。
大石化石ギャラリーは、TBS『マツコの知らない世界』で「日本の大学博物館展示 第1位」に選ばれた[3]。
著書
[編集]- DNAの時代―期待と不安(文藝春秋 2005年)【第3回パピルス賞受賞】ISBN 978-4-16-660429-6
- 『シーラカンスは語る』(丸善出版 2015年)ISBN 978-4-62-108932-3
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- “北大古生物学の巨人たち”. 北海道大学総合博物館. 2021年7月5日閲覧。
- “データ・沿革”. 東京大学定量生命科学研究所. 2021年2月15日閲覧。
- “歴代役員名簿第10期会長”. 分子生物学会. 2021年2月15日閲覧。
- “JBA歴代会長”. JBA. 2021年2月15日閲覧。
- “バイオサイエンスデータベースセンター沿革”. NBDC. 2021年2月15日閲覧。
- “会員名簿”. JABEX. 2021年2月15日閲覧。
- “ニュースレター DNA技術の活用”. かずさDNA研究所. 2021年7月5日閲覧。
外部リンク
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