コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

大倉源次郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大倉 源次郎(おおくら げんじろう、1957年(昭和32年)9月7日 - )は小鼓方大倉流の能楽師で、人間国宝(重要無形文化財各個認定保持者)である[1][2]

概説

[編集]

1957年(昭和32年)に大倉流十五世宗家大倉長十郎の次男として大阪府に生まれる[3]。父に師事し、1965年(昭和40年)に独鼓「鮎之段」で初舞台[3]。1985年(昭和60年)に大倉流十六世宗家を継承(同時に大鼓方大倉流宗家預かり)した[3]。古典、新作能、復曲能など数多くの舞台に参加する[3]。能公演はもとより、誰もが日本文化である能と気軽に出会えるよう「能楽堂を出た能」をプロデュース[4]。新作狂言「釜の火」の制作にも関わり、原発事故をテーマにした問題作として上演した[5]。また、多数の海外公演に参加[5]。子ども向け能楽体験講座なども各地で開催している[5]。1991年(平成3年)に大阪市咲くやこの花賞、2015年(平成27年)に観世寿夫記念法政大学能楽賞を受賞し、2017年(平成29年)に人間国宝(重要無形文化財各個認定保持者)に認定された[6]。FacebookやYouTube「源次郎チャンネル」などを通じ、積極的に情報発信を行う[3]。流派を超えて21世紀の能を考える「能楽座」座員[4]。甲南大学文学部卒業[7]

関連書誌

[編集]
  • 「能・現代にアピールするもの」『観世』第57巻第1号、桧書店、1990年1月、69-71頁、doi:10.11501/6031695 
  • 「上方芸能21世紀へのビジョン」『上方芸能』第130号、『上方芸能』編集部、1998年10月、6-7頁、doi:10.11501/7958930ISSN 0910-5506 
  • 「能楽囃子の成立の体験的一考察」『國文學』第50巻第7号、學燈社、2005年7月、50-58頁、ISSN 0452-3016 
  • 「寿命を縮める?『道成寺』」『Den』第50号、Den編集部、2009年7月、42-45頁。 
  • 「海外公演 観阿弥生誕六八〇年・世阿弥生誕六五〇年 フランス、フェール城能楽公演記録」『観世』第80巻第9号、桧書店、2013年9月、44-46頁。 
  • 「子どもに芸事を教える」『子どもと発育発達』第12巻第3号、杏林書院、2014年、173-177頁、ISSN 1348-3056 
  • 「公演から 談山能 奉納旅行」『観世』第81巻第7号、桧書店、2014年7月、40-42頁。 
  • 『大倉源次郎の能楽談義』淡交社、2017年10月。ISBN 978-4-473-04200-2 
  • 「新作能《オセロ》の囃子の事」『新作能オセロ』泉紀子、和泉書院、2019年1月、63-68頁。ISBN 978-4-7576-0893-1 
  • 「能楽を再び日本人の基本教養に」『日本の匠:対談集』近藤誠一、かまくら春秋社、2019年12月。ISBN 978-4-7740-0796-0 
  • 「能楽囃子方小鼓 大倉源次郎」『ようこそ伝統芸能の世界:伝承者に聞く技と心』森田ゆい、薫風社、2020年4月。ISBN 978-4-902055-39-9 
  • 「歴史の中の自分が居る場所」『初等教育資料』第995号、東洋館出版社、2020年7月、48-52頁、ISSN 0446-5318 
  • 『能から紐解く日本史』扶桑社、2021年3月。ISBN 978-4-594-08417-2 
  • 「能楽師の私を支えてくれた日本文化の源流の学び」『正志く強く朗らかに II』甲南大学共通教育センター、同信社、2021年3月。ISBN 978-4-495-97653-8 
  • 『能の起源と秦氏』田中英道、ヒカルランド、2023年6月。ISBN 978-4-86742-278-6 
  • 「翁と坂本龍一様」『ユリイカ』第55巻第16号、青土社、2023年12月、279-282頁、ISBN 978-4-7917-0440-8ISSN 1342-5641 
  • 「小鼓方大倉流宗家大倉源次郎氏に聞く」『能と狂言』第21号、能楽学会、2023年12月、33-41頁。 
  • 感謝を忘れず粛々と精進するのみ」『致知』第588号、株式会社致知出版社、2024年7月、37-41頁、ISSN 0288-72822024年12月29日閲覧 

外部リンク

[編集]

脚註

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ "会員詳細|大倉源次郎(おおくらげんじろう)". 会員紹介. 公益社団法人能楽協会. 2024年12月28日閲覧
  2. ^ "第183回文化審議会文化財分科会議事要旨" (PDF). 文部科学省文化庁. 2024年12月28日閲覧
  3. ^ a b c d e 感謝を忘れず粛々と精進するのみ」『致知』第588号、株式会社致知出版社、2024年7月、37-41頁、ISSN 0288-72822024年12月29日閲覧 
  4. ^ a b "水戯庵について". 水戯庵. 株式会社エイチアイディー・インターアクティカ. 2024年12月28日閲覧
  5. ^ a b c "async × 小鼓•大倉源次郎" (PDF). ワタリウム美術館. 株式会社ワタリウム美術館. 2017年. 2024年12月28日閲覧
  6. ^ "能狂言インタビュー 大倉源次郎". KENSYO. 株式会社セクターエイティエイト. 2024年12月28日閲覧
  7. ^ 大倉源次郎. "小鼓の旅路". PREMIST CLUB PLATINUM MEMBERS. 大和ハウス工業株式会社. 2024年12月28日閲覧