ロンドン市長
ロンドン 市長 Mayor of London | |
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ロゴマーク | |
庁舎 | シティ・ホール |
任命 | グレーター・ロンドン選挙人 |
任期 | 4年 |
根拠法令 | グレーター・ロンドン・オーソリティー法 |
初代就任 | ケン・リヴィングストン |
創設 | 2000年5月4日 |
職務代行者 | 法定副市長 (ジョアン・マッカートニー) |
俸給 | £143,911 |
ウェブサイト | 公式ウェブサイト |
ロンドン市長(ロンドンしちょう、英: Mayor of London)は、イギリスの首都・ロンドンの最高責任者である。
ロンドン議会の25名の議員とともに直接選挙によって選出され、グレーター・ロンドンのグレーター・ロンドン・オーソリティーを統括する。
なお、シティ・オブ・ロンドンの長であるロンドン市長(Lord Mayor of London)との混同を避けるために、London Mayorとも称される。
2000年5月4日に創設され、初代市長には労働党のケン・リヴィングストンが就任。現職は2016年の市長選で当選し、同年5月9日に就任したサディク・カーンである。
背景
[編集]グレーター・ロンドンのための、選挙で選出された統治機構であるグレーター・ロンドン・カウンシルが1985年地方自治法を受けて、1986年に廃止された。1998年、ロンドン市民は住民投票で、グレーター・ロンドンのための新しい統治機構を創設することを決めた。1999年グレーター・ロンドン・オーソリティー法により、2000年に改革の一環として、直接選挙で選出されるロンドン市長が創設された。
役割
[編集]ロンドン市長は大ロンドンにおける行政を大ロンドン庁 (Greater London Authority) を通して統括し、予算をロンドン市議会 (London Assembly) に提案する。市長が担当するのは大ロンドンにおける警察、消防、救急、文化振興、開発などである。
選挙
[編集]当初、市長は補足投票制度により選出されていたが[1]、2024年の市長選挙からは小選挙区制に変更された。任期は固定の4年間で、投開票は5月に行われる。イギリスにおいて最も候補者が多い選挙になると予想されたため、10,000ポンドの委託金が設定され、得票率が5%を下回った場合は全額没収されることになった。
2000年
[編集]2000年5月に実施された第1回市長選挙は波乱含みの選挙戦となった。労働党候補に選ばれなければ出馬しないと述べていたケン・リヴィングストンは党候補を選ぶ予備選挙で敗れたため、前言を撤回し無所属で出馬した。彼はまた、当選したとしても1期しか務めるつもりは無いと述べていたが、その後も3度にわたって出馬している。
保守党は作家で元下院議員のジェフリー・アーチャーを公認候補としていたが、アーチャーが偽証罪で起訴され出馬を辞退したため、スティーヴン・ノリスを代役として指名した。
2000年ロンドン市長選挙開票結果[2] | ||||||||
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候補者氏名 | 政党 | 第一選択票 | % | 第二選択票 | % | 最終結果 | % | |
ケン・リヴィングストン | 無所属 | 667,877 | 39.0 | 178,809 | 12.6 | 776,427 | 57.9 | |
スティーヴン・ノリス | 保守党 | 464,434 | 27.1 | 188,041 | 13.2 | 564,137 | 42.1 | |
フランク・ドブソン | 労働党 | 223,884 | 13.1 | 228,095 | 16.0 | N/A | ||
スーザン・クラマー | 自由民主党 | 203,452 | 11.9 | 404,815 | 28.5 | N/A | ||
ラム・ギドーマル | CPA | 42,060 | 2.4 | 56,489 | 4.0 | N/A | ||
ダレン・ジョンソン | 緑の党 | 38,121 | 2.2 | 192,764 | 13.6 | N/A | ||
マイケル・ニューランド | BNP | 33,569 | 2.0 | 45,337 | 3.2 | N/A | ||
ダミアン・ホックニー | UKIP | 16,324 | 1.0 | 43,672 | 3.1 | N/A | ||
ジェフリー・ベン=ネイサン | PRO-MaSS | 9,956 | 0.6 | 23,021 | 1.6 | N/A | ||
アシュウィン・タンナ | 無所属 | 9,015 | 0.5 | 41,766 | 2.9 | N/A | ||
ジェフリー・クレメンツ | 自然法党 | 5,470 | 0.3 | 18,185 | 1.3 | N/A |
2004年
[編集]2004年に第2回市長選挙が行われ、労働党に復党していた現職のリヴィングストンが再び保守党候補のノリスを破って再選された。
2004年ロンドン市長選挙開票結果[3] | ||||||||
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候補者氏名 | 政党 | 第一選択票 | % | 第二選択票 | % | 最終結果 | % | |
ケン・リヴィングストン | 労働党 | 685,541 | 35.7 | 250,517 | 13.0 | 828,380 | 55.4 | |
スティーヴン・ノリス | 保守党 | 542,423 | 28.2 | 222,559 | 11.6 | 667,178 | 44.6 | |
サイモン・ヒューズ | 自由民主党 | 284,645 | 14.8 | 465,704 | 24.3 | N/A | ||
フランク・マロニー | UKIP | 115,665 | 6.0 | 193,157 | 10.0 | N/A | ||
リンジー・ジャーマン | リスペクト | 61,731 | 3.2 | 63,294 | 3.3 | N/A | ||
ジュリアン・レパート | BNP | 58,405 | 3.0 | 70,736 | 3.7 | N/A | ||
ダレン・ジョンソン | 緑の党 | 57,331 | 2.9 | 208,686 | 10.9 | N/A | ||
ラム・ジドゥーマル | CPA | 41,696 | 2.2 | 56,721 | 2.9 | N/A | ||
ローナ・レイド | IWCA | 9,542 | 0.5 | 39,678 | 2.1 | N/A | ||
タミー・ナガリンガム | 無所属 | 6,692 | 0.4 | 20,391 | 1.1 | N/A |
第1選択でどの候補者も50%の得票を得られなかった場合に、上位2名の得票に2人以外を第1に選択した票の第2選択による得票を足して最終的な集計とする。なおパーセンテージは公式に使用されるものではなく、参考のため算出。
2008年
[編集]2008年5月1日に実施された第3回選挙で、保守党候補で下院議員のボリス・ジョンソンが3期目を目指したリヴィングストンを破り当選した。
2008年ロンドン市長選挙開票結果[4] | ||||||||
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候補者氏名 | 政党 | 第一選択票 | % | 第二選択票 | % | 最終結果 | % | |
ボリス・ジョンソン | 保守党 | 1,043,761 | 42.48 (+14.3%) | 257,792 | 10.49 | 1,168,738 | 53.2 | |
ケン・リヴィングストン | 労働党 | 893,877 | 36.38 (+0.7%) | 303,198 | 12.34 | 1,028,966 | 46.8 | |
ブライアン・パディック | 自由民主党 | 236,685 | 9.63 (–5.2%) | 641,412 | 26.11 | N/A | ||
シアン・ベリー | 緑の党 | 77,374 | 3.15 (+0.3%) | 331,727 | 13.50 | N/A | ||
リチャード・バーンブルック | BNP | 69,710 | 2.84 (–0.2%) | 128,609 | 5.23 | N/A | ||
アラン・クレイグ | CPA | 39,249 | 1.6 (–0.6%) | 80,140 | 3.26 | N/A | ||
ジェラルド・バトン | UKIP | 22,422 | 0.91 (–5.1%) | 113,651 | 4.63 | N/A | ||
リンジー・ジャーマン | リスペクト | 16,796 | 0.68 | 35,057 | 1.43 | N/A | ||
マット・オコナー (辞退) | EDP | 10,695 | 0.44 | 73,538 | 2.99 | N/A | ||
ウィンストン・マッケンジー | 無所属 | 5,389 | 0.22 | 38,954 | 1.59 | N/A |
2012年
[編集]2012年5月3日に実施された第4回選挙で、保守党の現職ボリス・ジョンソンが前市長のリヴィングストンとの再戦を制した。落選後、リヴィングストンは政界から引退することを表明した。
2012年ロンドン市長選挙開票結果[5] | ||||||||
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候補者氏名 | 政党 | 第一選択票 | % | 第二選択票 | % | 最終結果 | % | |
ボリス・ジョンソン | 保守党 | 971,931 | 44.0 | 82,880 | 6.1 | 1,054,811 | 51.5 | |
ケン・リヴィングストン | 労働党 | 889,918 | 40.3 | 102,355 | 7.5 | 992,273 | 48.5 | |
ジェニー・ジョーンズ | 緑の党 | 98,913 | 4.5 | 363,193 | 26.7 | N/A | ||
ブライアン・パディック | 自由民主党 | 91,774 | 4.2 | 363,692 | 26.8 | N/A | ||
シボーン・ベニータ | 無所属 | 83,914 | 3.8 | 212,412 | 15.6 | N/A | ||
ローレンス・ウェッブ | UKIP | 43,274 | 2.0 | 161,252 | 11.9 | N/A | ||
カルロス・コーティグリア | BNP | 28,751 | 1.3 | 73,353 | 5.4 | N/A |
2016年
[編集]第5回ロンドン市長選挙の投票は2016年5月5日に行われた[6]。開票結果は、2016年5月7日0時30分に発表された。
現職のジョンソンは、2015年の英国議会総選挙でアクスブリッジ及びサウス・ルイスリップ選挙区から立候補して当選したため、今回の市長選には出馬しなかった。この選挙ではサディク・カーンが当選した。カーンは、欧州連合加盟国の首都の市長に当選した初のイスラム教徒である。
2016年ロンドン市長選挙開票結果[7] | ||||||||
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候補者氏名 | 政党 | 第一選択票 | % | 第二選択票 | % | 最終結果 | % | |
サディク・カーン | 労働党 | 1,148,716 | 44.2 | 161,427 | 8.9 | 1,310,143 | 56.8 | |
ザック・ゴールドスミス | 保守党 | 909,755 | 35.0 | 84,859 | 4.7 | 994,614 | 43.2 | |
シアン・ベリー | 緑の党 | 150,673 | 5.8 | 468,318 | 25.7 | N/A | ||
キャロライン・ピジョン | 自由民主党 | 120,005 | 4.6 | 335,931 | 18.5 | N/A | ||
ピーター・ウィットル | UKIP | 94,373 | 3.6 | 223,253 | 12.3 | N/A | ||
ソフィー・ウォーカー | 女性平等党 | 53,055 | 2.0 | 198,720 | 10.9 | N/A | ||
ジョージ・ギャロウェイ | リスペクト | 37,007 | 1.4 | 117,080 | 6.4 | N/A | ||
ポール・ゴールディング | ブリテン・ファースト | 31,372 | 1.2 | 73,883 | 4.1 | N/A | ||
リー・ハリス | CISTA | 20,537 | 0.8 | 67,495 | 3.7 | N/A | ||
デヴィッド・ファーネス | BNP | 13,325 | 0.5 | 36,168 | 2.0 | N/A | ||
プリンス・ジリンスキ | 無所属 | 13,202 | 0.5 | 24,646 | 1.4 | N/A | ||
アンキット・ラヴ | One Love | 4,941 | 0.2 | 28,920 | 1.6 | N/A |
2021年
[編集]第6回ロンドン市長選挙の投票は2020年5月7日に行われる予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い1年延期された[8]。
歴代市長
[編集]色 (政党) |
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氏名 | 写真 | 任期 | 当選年 | 政党 | 前職など | ||
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ケン・リヴィングストン | 2000年5月4日 | 2008年5月4日 | 2000 | 無所属 | 技術者(チェスター・ビーティガン研究所) グレーター・ロンドン・カウンシルのリーダー 英国議会議員(ブレント・イースト選挙区選出) | ||
2004 | 労働党 | ||||||
ボリス・ジョンソン | 2008年5月4日 | 2016年5月9日 | 2008 2012 |
保守党 | 新卒研修員: Express & Star、タイムズ 記者: タイムズ、デイリー・テレグラフ コラムニスト: The Spectator、GQ 編集者: The Spectator 英国議会議員(ヘンリー=オン=テムズ選挙区選出) | ||
サディク・カーン | 2016年5月9日[9] | 現職 | 2016 2021 2024 |
労働党 | 人権派弁護士 英国議会議員(トゥーティング選挙区選出) 運輸担当閣外大臣 影の司法大臣 |
政策
[編集]これまでにロンドン市長によってとられた政策としては、渋滞緩和を目的としたコンジェスチョン・チャージの導入、同性愛者の恋人におけるパートナー認定などがある。
脚注
[編集]- ^ “(財)自治体国際化協会ロンドン事務所マンスリートピック(2012年5月)” (PDF). 2015年8月5日閲覧。
- ^ “2000 election results for the Mayor of London and the London Assembly”. London Elects (5 May 2000). 17 February 2013閲覧。
- ^ “2004 election results for the Mayor of London and the London Assembly”. London Elects (10 June 2004). 17 February 2013閲覧。
- ^ “2008 election results for the Mayor of London and the London Assembly”. London Elects (2 May 2008). 17 February 2013閲覧。
- ^ “London Elects - Declared Results”. Greater London Authority (4 May 2012). 17 February 2013閲覧。
- ^ “About London Elects”. londonelects.org.uk. 6 April 2016閲覧。
- ^ “Official election result declaration” (PDF). London Elects. 2016年5月12日閲覧。
- ^ “Local elections and London mayoral race postponed for a year”. ガーディアン. (2020年3月13日) 2020年9月8日閲覧。
- ^ “Sadiq Khan Vows To Be 'Mayor For All Londoners'”. Sky News. (7 May 2016) 9 May 2016閲覧. "But because of the processes involved, he won't be technically in office until just after midnight on Monday."