ヤコウガイ
ヤコウガイ | ||||||||||||||||||||||||
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マダガスカル産のヤコウガイ
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Turbo marmoratus Linnaeus, 1758 | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヤコウガイ(夜光貝) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Great Green Turban |
ヤコウガイ(夜光貝)、学名:Turbo marmoratus は、古腹足目リュウテン科に分類される巻貝の一種。インド太平洋のサンゴ礁域に生息する大型の巻貝である。重厚な殻の裏側に真珠層があり、古くから螺鈿細工の材料として利用されてきた。その名前から、夜に光ると思われることがあるが、貝自体は発光しない。産地では食用にも利用される。
名称
[編集]ヤコウガイは古代「夜久貝」・「夜句貝」・「益救貝」・「屋久貝」などと称されていた。これらのような表記は、交易品としての需要が高まった9世紀以降の資料に多い。「ヤク」の呼称が現在の屋久島を指すようになったのは7世紀以降であるが、分布の北限である屋久島とヤコウガイの呼称は直接結びつかない。しかし7世紀初期以前の「ヤク」は奄美地域を含む広大な範囲を示す言葉であったと考え、その時代の「ヤク」を以て「ヤクガイ」の名前が成立したとする見解もある。なお「夜光貝」はヤクガイの当て字の一つであり、ここから「ヤコウガイ」という読みが生じた可能性がある。
ヤコウガイの奄美群島の地域名称は、「ヤクゲー」、「ヤッコゲ」、沖縄・先島諸島での地域名称は「ヤクゲー」、「ヤクンガイ」である。
特徴
[編集]ヤコウガイはオーストラリアのダイオウサザエと並び、リュウテン科で最大の貝である。成体の重さは2kgを超え、大きなものは直径20cm以上に達する。殻は開口部の大きさに比して
生態
[編集]熱帯から亜熱帯域のインド - 太平洋区に分布する。日本近海では屋久島・種子島以南のあたたかい海域に生息する。生息域は水深30m以浅の比較的浅い水路や岩のくぼみであり、砂泥質の海底には認められない。基本的に夜行性で、餌は海藻など。雌雄の判別は外見からは不可能である。繁殖活動は冬場を除き一年中みられ、大潮の前後におこなわれる。メスが緑色の卵子を、オスは白い精子を放出する。稚貝は3年で70mmほどに成長する。
用途
[編集]日本では、軟体部は刺身、寿司、海鮮丼などの具にされる。食感はコリコリしているが、柔らかい部分もあり、色も白い部分と黒い部分があるので、一般的な食用貝と区別しやすい。煮物としても食用にされるが、少し加熱しただけでは非常に硬いので、柔らかく煮るには圧力釜などが必要で、蒸し器で蒸す場合も2時間程度を要する。硬さのため、焼き物には向かないが、軽く火を通すバター焼きに調理されることもある。
貝殻は古くは螺鈿の材料として重宝され、産業的多産地としてはフィリピン諸島、アンダマン諸島、ニコバル諸島などがあり、日本では奄美群島、沖縄諸島、先島諸島が産地として知られる。
利用史
[編集]ヤコウガイは、先史時代からすでに食用として軟体部が利用されている。ヤコウガイはその美しさゆえ古くから工芸品に使われており、平螺鈿背八角鏡など、正倉院の宝物にも螺鈿として用いられている。ヤコウガイから加工できる
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 高梨修『ヤコウガイの考古学(ものが語る歴史シリーズ)』同成社、2005年、293頁。ISBN 4886213251。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Turbo marmoratus ヤコウガイ 夜光貝 - ウェイバックマシン(2005年3月26日アーカイブ分)(関西学院大学
- 南島におけるヤコウガイ利用に関する一考察 - ウェイバックマシン(2014年3月10日アーカイブ分)(琉球大学)
- 木下尚子:先史琉球の生業と交易 -奄美・沖縄の発掘調査から- 2003-3 熊本大学 研究報告書