外山義
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外山 義(とやま ただし、1950年4月22日 - 2002年11月9日)は、日本の建築家、建築学者。専門は建築計画学、環境心理学、高齢者住環境。岡山県に生まれ、千葉県で幼少期を過ごす[1]。
1974年東北大学工学部建築学科卒業。在学時には東北大学YMCA渓水寮に所属した[2]。1982年から1989年まで、スウェーデン王立工科大学に留学。論文「Identity and Milieu」をまとめPh.D(博士号)を取得。帰国後、病院管理研究所(後の国立医療・病院管理研究所)の主任研究員として、高齢者のケアと住環境を研究する。国立医療・病院管理研究所地域医療施設計画研究室室長だった1990年には、「高齢者の自我同一性と環境-生活拠点移動による環境適応に関する研究」で日本建築学会奨励賞(論文)を受賞。
東北大学大学院工学研究科助教授(1996年 - )を経て、1998年、京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻居住空間学講座教授。相部屋が基本だった特別養護老人ホームに、「個室」によるユニットケアやグループホームの制度化を推進した。秋田県鷹巣町(現・北秋田市)にある「ケアタウンたかのす」が、個室によるユニットケアの実例としてある。2002年に52歳で急逝する。墓所は多磨霊園の信濃町教会墓[3]。
代表作品
[編集]- 特別養護老人ホーム おらはうす宇奈月 (富山県下新川郡宇奈月町(現黒部市)、1994年)日本医療福祉建築賞受賞 1996
- 痴呆性高齢者グループホーム 炉端の家 (岡山県笠岡市、1996年)
- 痴呆性高齢者グループホーム こもれびの家 (宮城県名取市、1997年)
- 特別養護老人ホーム ウェルポート鹿嶋の郷 (茨城県鹿嶋市、1998年)
- 老人保健施設 ケアタウンたかのす (秋田県北秋田郡鷹巣町(現北秋田市)、1998年)医療福祉建築賞受賞 2000
- 痴呆性高齢者グループホーム いわうちわの里 (富山県下新川郡宇奈月町(現黒部市)、1999年)
- 特別養護老人ホーム 風の村 (千葉県八街市、2000年)千葉県建築文化賞受賞 2001
- デイケアセンター併設型痴呆性高齢者グループホーム ならのは倶楽部 (奈良県奈良市、2000年)医療福祉建築賞受賞 2001
- 特別養護老人ホーム けまきらく苑 + グループホーム いなの家 (兵庫県尼崎市、2001年)医療福祉建築賞受賞 2002
- グループホーム ぼだいじ (滋賀県甲賀郡甲西町(現湖南市)、2002年)
- 有吉病院 (福岡県鞍手郡宮田町(現宮若市)、2002年)
- 養護老人ホーム もろび苑 (秋田県北秋田郡阿仁町(現北秋田市)、2002年)
- 特別養護老人ホーム ゆうらく (鳥取県西伯郡西伯町(現南部町)、2003年)医療福祉建築賞受賞 2005
著書
[編集]- 『クリッパンの老人たち-スウェーデンの高齢者ケア』(ドメス出版)1990/09 ISBN 9784810703054
- 『ストックホルムの建築』(丸善)1991/11 ISBN 9784621036501
- 『グループホーム読本-痴呆性高齢者ケアの切り札』(ミネルヴァ書房)2000/03 ISBN 9784623032181
- 『自宅でない在宅-高齢者の生活空間』(医学書院)2003/07 ISBN 9784260332910