堅田道久
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堅田 道久(かただ みちひさ、1919年 - 1992年)は、日本の調香師。資生堂研究所香料研究室室長を務めた[1]。
経歴
[編集]東京大学農学部農芸化学科を卒業後、資生堂に入社[1]。1955年より約2年間、南フランスのグラースにある香料会社ルール・ベルトラン・フィス・エ・ジュスタン・デュポン(Roure Bertrand Fils et Justin Duppont)に留学し、ジャン・カールに師事する[1]。フランス、イギリス、アメリカの香料技術者協会の正会員となり、パリとニューヨークでは「香道」について講演をおこなった[1]。
資生堂研究所香料研究室室長を長く務め、また東京大学アイスホッケー部監督も務めた[1]。
初の「調香師」
[編集]本人の回想によれば、NHKのテレビ番組「みんなの職業」に出演するにあたり、打ち合わせでNHKのプロデューサーより職業を何と呼べばよいかと聞かれ、「ふつうは、調香技術者、調香家、調香研究者と呼んでいます」のように答え、その後、外国語のコンパウンダー、パヒューマーを紹介したものの、どれもピンとこない様子であった[2]。しかしこのなかから選ぶことにして二人で考えていると、突然、プロデューサーが「調香の先生ですから、調香師ではどうですか。でも香具師(やし)と間違えられそうですね」と独り言を言ったが、堅田はパヒューマーがいちばん無難であると答えて別れた[2]。そして放送に入るとアナウンサーから「本日のお客様は、調香師の……」といきなり紹介され、耳慣れない言葉にゲストの藤原あきともども、びっくりしたという[2]。NHKアーカイブスによれば放送日は1960年10月29日である[3]。
著書
[編集]- 『香水のすすめ』、文芸春秋新社〈ポケット文春〉、1962年、国立国会図書館書誌ID:000001035001
- 『香水』、保育社〈カラーブックス〉、1965年、国立国会図書館書誌ID:000001068528
- 『香水 : 世界の香水のすべて』、保育社〈カラーブックス〉、1984年、国立国会図書館書誌ID:000001768226
- 『もうひとつのフランス : フレグランスのはなし』、涛書房、1975年、国立国会図書館書誌ID:000001155818
- 『香水のはなし』、西尾忠久との共著、東京アド・バンク、1978年、国立国会図書館書誌ID:000001413103
- 『香りの魅惑と謎』、日本工業新聞社〈ポピュラーサイエンスブックス〉、1986年、国立国会図書館書誌ID:000001835169
- 『香水 第二版』、保育社〈カラーブックス〉、1992年、ISBN 4-586-50827-2
翻訳書
[編集]- ジャック・ル・マニャン[注釈 1]『匂いと香料』、白水社〈文庫クセジュ〉、1954年、国立国会図書館書誌ID:000000914133
- シャルル・ブルジョワ『美容の化学』、白水社〈文庫クセジュ〉、1962年、国立国会図書館書誌ID:000001034109
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 堅田道久『香水 第二版』保育社〈カラーブックス〉、1992年4月30日。ISBN 4586508272。