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執行機関

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

執行機関(しっこうきかん)とは、主に司法行政が関与する機関のことである。執行官などが属する。以下のいずれかの意味で用いられる。

  1. 法人において議決機関の決定に基づき行政事務(公法人の場合)又は業務(私法人の場合)を執行する機関。
  2. 特に、普通地方公共団体の執行機関(本項目を参照)。
  3. 行政機関の一種で、行政上の強制執行または即時強制を行う機関。
  4. 裁判の執行を行う機関(本項目を参照)。
  5. その他、上記に関連して特に法令で定める意味(本項目を参照)。
  6. イギリスのエグゼクティブ・エージェンシー

普通地方公共団体の執行機関

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執行機関

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以下のように、執行機関には普通地方公共団体の首長(都道府県知事市町村長)のほか、委員会や委員(例えば教育委員会公安委員会選挙管理委員会監査委員など)が含まれる。

  1. 普通地方公共団体にその執行機関として普通地方公共団体の長の外、法律の定めるところにより、委員会又は委員を置く。
  2. 普通地方公共団体の委員会は、法律の定めるところにより、法令又は普通地方公共団体の条例若しくは規則に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、規則その他の規程を定めることができる。
  3. 普通地方公共団体は、法律又は条例の定めるところにより、執行機関の附属機関として自治紛争処理委員、審査会、審議会、調査会その他の調停、審査、諮問又は調査のための機関を置くことができる。ただし、政令で定める執行機関については、この限りでない。

執行機関の義務

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地方自治法第138条の2では、執行機関について、

普通地方公共団体の執行機関は、当該普通地方公共団体の条例予算その他の議会の議決に基づく事務及び法令規則その他の規程に基づく当該普通地方公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。」

と規定している。

執行機関の組織

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また、地方自治法においては執行機関の組織について、次のように定めている。

  1. 普通地方公共団体の執行機関の組織は、普通地方公共団体の長の所轄の下に、それぞれ明確な範囲の所掌事務と権限を有する執行機関によつて、系統的にこれを構成しなければならない。
  2. 普通地方公共団体の執行機関は、普通地方公共団体の長の所轄の下に、執行機関相互の連絡を図り、すべて、一体として、行政機能を発揮するようにしなければならない。
  3. 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の執行機関相互の間にその権限につき疑義が生じたときは、これを調整するように努めなければならない。

執行機関の事務を補助するため、補助機関副知事や職員等)が置かれる。

裁判の執行を行う機関

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裁判(特に民事裁判)の執行を行う予審判事の機関のことを執行機関と呼び、裁判を行う裁判機関と対比される。日本の法令では、奄美群島の復帰に伴う法令の適用の暫定措置等に関する法律7条などに例がある。日本法上、民事執行の執行機関は裁判所(少額訴訟債権執行については裁判所書記官)と執行官であり(民事執行法2条、167条の2第1項)、民事保全執行の執行機関は裁判所と執行官である(民事保全法2条2項)。

租税手続法上の執行機関

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日本法上、租税手続法においては「滞納処分を執行する行政機関その他の者…、裁判所(…少額訴訟債権執行にあつては、裁判所書記官)、執行官及び破産管財人」が「執行機関」と定義されている(国税通則法39条2項、国税徴収法第2条第1項第13号、地方税法13条の3第2項)。

外部リンク

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