国際海上保険連合
国際海上保険連合 IUMI (International Union of Marine Insurance)
組織
[編集]1874年に設立された海上保険業者による国際機関(本部:ハンブルグ)。2023年現在の理事国は英、米、独、仏、日、蘭、ノルウェー、カナダ。
組織としては、保険の種類(船舶保険や貨物保険など)ごとの専門委員会の他、統計委員会や事故予防委員会などの機能別の委員会がある。
国際海上保険連合の会員は世界各国の海上保険業界団体であり、日本は日本損害保険協会が会員となっており、損害保険会社の社員が委員として会議などに出席している。
目的
[編集]国際海上保険連合の主要な目的は、アンダーライターによる国際的な情報交換である。海上保険は一般的な保険と異なり、リスクが国際的であるため、アンダーライターは世界各地域及び各海域に関する危険事情についての把握を必要とする。危険事情とは、気候や海況などを始めとして船の動向、港湾状況、貨物の市況、治安、政治情勢、戦争状況、運送人責任などがある。国際海上保険連合には、国際的な業界団体としての側面もあり、国連や関連業界に対して海上保険者としての立場や主張を明らかにする役割も担っている。19世紀に制定された共同海損に関するヨーク・アントワープ・ルールズや、20世紀初頭に成立した海上運送に関わる運送人の責任についての船荷証券統一条約(ヘーグ・ルールズ)などに利益関係者として関与し、こうした業界としての関係領域へのロビイング活動は現在でも活発に行われている。IMO(国際海事機関)やBIMCO(バルチック国際海運協議会)などの関係機関との協議も行っている。
歴史
[編集]1874年にドイツで結成され、貿易国であるドイツやイギリスなどの保険会社を中心とした欧州の機関としての傾向があったが、第二次世界大戦前にドイツは脱退し、戦後の1950年にドイツが復帰し、これと同時に日本も加盟した。20世紀半ばまでは、国際海上保険連合を通じて複数の国際協定も行われたが、戦後は競争法上の観点などからこうした国際協定は行われていない。毎年9月に大会が開催されており、世界各国から海上保険のアンダーライターが500名程度参集する。日本でも定期的に大会が開催される。