国際受刑者移送法
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国際受刑者移送法 | |
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日本の法令 | |
法令番号 | 平成14年6月12日法律第66号 |
種類 | 刑法 |
効力 | 現行法 |
成立 | 2002年6月4日 |
公布 | 2002年6月12日 |
施行 | 2003年6月1日 |
主な内容 | 国際的な捜査の協力について |
関連法令 | 刑事訴訟法、逃亡犯罪人引渡法 |
条文リンク | e-Gov法令検索 |
国際受刑者移送法(こくさいじゅけいしゃいそうほう、英語: Act on the Transnational Transfer of Sentenced Persons[1])とは、日本の法律。
概要
[編集]外国で刑が確定して拘禁されている日本国民や日本で刑が確定して拘禁されている外国人について、国際的な協力の下に、その本国において当該確定裁判の執行の共助をすることを規定している。
受刑者移送条約(欧州評議会が1983年に制定した多国間条約[2])が締結されている国同士で受刑者を母国に移送し、その改善更生及び円滑な社会復帰を促進することを目的としている。法務省によると、日本が受刑者移送条約に加入した2003年から2021年までの間に日本から他国へ移送された受刑者は480人、他国から日本へ移送された受刑者は10人とされる[3]。受刑者移送条約に加入していない国とは個別の2国間条約で対応しており[3]、日本はタイ王国・ブラジル・イラン・ベトナム(締約順)と2国間条約を締結している[4]。
問題
[編集]2023年5月、ヘロインの営利目的所持のためにタイで摘発されて2002年に禁錮50年の判決が確定し、2018年に日本に移送され甲府刑務所で服役していた日本人男性が、2020年8月にタイで行われた恩赦で刑期が短縮され、刑期が終了したにもかかわらず、男性がタイ当局に問い合わせて事態が発覚する2021年4月末までの8か月にわたって収容され続けたという事例が発覚している。日本側は移送以前に行われた2度の恩赦については把握しており、男性の刑期を「2027年まで」と計算していたが、2020年8月の恩赦の情報が伝わらなかった可能性が指摘されている[3]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 日本法令外国語訳データベースシステム; 日本法令外国語訳推進会議 (2016年3月15日). “日本法令外国語訳データベースシステム-国際受刑者移送法” [Act on the Transnational Transfer of Sentenced Persons]. 法務省. p. 1. 2017年6月14日閲覧。
- ^ 刑を言い渡された者の移送に関する条約(略称 受刑者移送条約) - 外務省、2023年5月27日閲覧
- ^ a b c タイで禁錮50年判決、日本移送の男性「現地の恩赦反映なく8か月長く服役」…国賠提訴へ - 読売新聞(2023年5月26日)、2023年5月26日閲覧
- ^ 国際受刑者移送制度について - 法務省矯正局、2023年5月27日閲覧
- ^ Jake Tapper (2024年1月12日). “US Navy officer recently transferred from Japanese prison has been released from US prison”. CNN
- ^ “禁錮3年判決の米兵、服役中に本国へ移送され仮釈放 静岡の3人死傷事故 米上院議員「日本は米兵家族と米国に謝罪すべき」”. 沖縄タイムス. (2024年1月16日)
外部リンク
[編集]- 国際受刑者移送法 - e-Gov法令検索
- 国際受刑者移送法施行令 - e-Gov法令検索
- 国際受刑者移送法施行規則 - e-Gov法令検索