善勇猛般若経
『善勇猛般若経』(ぜんゆうみょうはんにゃきょう、梵: Suvikrāntavikrāmi-paripṛcchā-prajñāpāramitā Sūtra, スヴィクラーンタヴィクラーミ・パリプリッチャー・プラジュニャーパーラミター・スートラ)とは、大乗仏教の般若経典の1つ。
原題は、「スヴィクラーンタヴィクラーミ」(Su-vikrānta-vikrāmi)が「勇敢」を意味する語を重ねた、漢訳で「善勇猛」(ぜんゆうみょう)と訳される菩薩の名で、「パリプリッチャー」(paripṛcchā)が「問い」、「プラジュニャーパーラミター」(prajñāpāramitā)が「般若波羅蜜(智慧の完成)」、「スートラ」(sūtra)が「経」、総じて「善勇猛菩薩が問う般若波羅蜜(智慧の完成)の経」の意。
概要
[編集]般若経典の中では、後期に成立したもので、その長さから「二千五百頌般若経」とも呼ばれる[1]。6世紀の中期中観派の僧バーヴァヴィヴェーカ(清弁)による『中論』の註釈書である『般若灯論釈』に引用されているので、それまでには成立していたと考えられる。
サンスクリット原典、漢訳、チベット語訳、いずれもが現存しており、漢訳は玄奘訳『大般若波羅蜜多経』(大般若経)全16部(会)600巻の最後、般若波羅蜜を説く「第十六 般若波羅蜜多分」(第593巻-第600巻)の全8巻がそれに相当する。
構成
[編集]場面設定
[編集]ある時、釈迦は王舎城の竹林精舎に1250人の比丘と共に滞在していた。釈迦が彼らに説法していると、その中にいた善勇猛(ぜんゆうみょう)という名の菩薩が立ち上がり、「般若波羅蜜」(智慧の完成)とは何なのか問う。こうして釈迦によって、その内容が語られていく。
章別
[編集]全7章から成る。
- 序
- アーナンダ
- 真如
- 比喩
- スブーティ
- 実践
- 讃嘆
内容
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日本語訳
[編集]脚注・出典
[編集]- ^ 『大乗仏典1』 中公文庫 p334