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善兵衛栗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

善兵衛栗(ぜんべえぐり)は、秋田県特産のクリ。品種としての名称は「西明寺一号」。西明寺栗の他の品種の中でも、特に希少かつ大粒で食味のよい優良品種とされている。

西明寺栗一号である西明寺栗の栽培を始めた先祖を持つ生産者は、その屋号をとり代々「善兵衛栗」(品種名:西明寺栗一号(善兵衛種))と呼ばれる栗を徹底した無農薬栽培にこだわり、栗園の風通し、日当りに気を配り、間伐・下刈、良質な微生物肥料(内城菌)を使用するなど、特色のある栽培・出荷管理体制を敷く。

品種と特性

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現在主として栽培されているのは、西明寺栗一号及び西明寺栗二号であり、西明寺栗三号、四号、五号は受粉用とされている。

1975年11月に発行された『広報あきた』No.162号(秋田県広報協会)の記事には、それぞれの品種について以下のように記載されている[1]

西明寺栗一号 善兵衛種(いわゆる善兵衛栗) 樹勢が極めて強く大樹となり、収量が多い。果実は25~35グラムの大粒で甘味が多く、生乾食用、加工用ともに適する。熟期は10月中旬。 主として栽培用
西明寺栗二号 茂佐衛門種 樹勢、樹姿、収量、品質、食味などは一号とほとんど同じといわれるが、見た目の大きさの割に重量が軽く、栗の中心に空洞があることが多い。果実は25~35グラムと大きい。 主として栽培用
西明寺栗三号 寒月 39年に選抜されたもので樹勢、樹姿よく、大樹となる。果実は25~30グラム。実は堅密で甘味強く、煮崩れしないので、シロップ缶詰などの加工用に向く。 主として授粉用
西明寺栗四号 駒錦 2号の予備として選抜された。果実は35グラムと最も大きいが、風味がやや劣る。
西明寺栗五号 早苗種 早苗種として選抜されたもので樹勢、樹姿などは他種と同じだが、果実は15グラムと比較的小さく、絶対収量がやや劣る。しかし熟期が9月上旬と西明寺栗の中で一番で、現金収入が早いのが特徴。

地域の菓子店では、善兵衛栗の品質の高さを生かし、高価値な菓子を販売、大手百貨店などに販路を拡大している。

脚注

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