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哲学カフェ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カフェ・デ・ファール(灯台カフェ, Café des Phares
世界初の哲学カフェパリ4区バスティーユ広場

哲学カフェ(てつがくカフェ、: café philosophique)は哲学的な議論(各哲学カフェでは「対話[1][2][3]や「話し合い[4][5]と称することが多い)をするための草の根の公開討論会

概要

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哲学者のマルク・ソーテ(1947年–1998年)がフランスパリで創立した。

ソーテは1992年12月13日、バスティーユ広場パリ4区側にあるカフェ「カフェ・デ・ファール(灯台カフェ, Café des Phares)」で初の哲学カフェを開いた。彼は日曜日ごとに午前11時に自分の哲学カフェに何人かの友人を集め、2時間ほど哲学の討論(「考え方のけんか」"conceptual fisticuffs")を行なった。偉そうな上流階級ではなくて一般公衆を対象とした、「推論の基本原理」へと戻ることが、彼の哲学だった。

最初の会合には10人かそこらの人々が集まっただけだった。まもなく大学生たちが姿を見せ、街の風変わりな市民たち、勤務時間外のタクシードライバーたち、そして暇で裕福な有閑女性たちがあとに続いた。これが毎週恒例のイベントとなり、各会合におよそ200人の人たちが集まるまでに膨れ上がった。

その意味でソーテは、哲学カフェに参加する一般公衆に哲学を取り戻した。そうする中で、彼は高等教育で教えられている通常の哲学に忠実でないとみなされ、学者たちによって排斥された。

このカフェで論じられる主題は、サンタクロースの伝説から真実にまでおよんだ。

国内の哲学カフェの経緯

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  • 1996年、マルク・ソーテの著書『ソクラテスのカフェ』の邦訳が出版される。
  • 1998年、マルク・ソーテの著書『ソクラテスのカフェ』の第2巻の邦訳が出版される。
  • 2000年、大阪大学臨床哲学研究室が應典院で哲学対話イベント・哲学カフェをはじめて試みる[6]
  • 2001年、中田敬史が実験哲学カフェを開催する。
  • 2003年、クリストファー・フィリップスの著書『ソクラテス・カフェにようこそ : 誰にでもできる哲学への招待』の邦訳が出版される。
  • 2005年10月、佐世保工業高等専門学校一般科目哲学科の川瀬雅也が佐世保高専「一般教養講座」として哲学カフェを開く[7]
  • 2008年2月6日、千葉大学が公共哲学カフェを開く[8]
  • 同年5月13日、徳山工業高等専門学校小川仁志が学内のゼミ室で第1回目の哲学カフェを開く[9]
  • 2010年5月8日、東北大学のグループが仙台哲学カフェを開く[10]
  • 2011年、小川仁志が著書『哲学カフェ! : 17のテーマで人間と社会を考える』を発表する。
  • 2013年4月22日、富山大学のグループが第1回哲学カフェを開く[11]

国内各地の哲学カフェ

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北海道
  • コト ノ ココロ、コト の 森。[12]
宮城県
  • てつがくカフェ@せんだい[13]
  • 東北大学SLA「かんがえるソファ」[14]
山形県
福島県
  • てつがくカフェ@ふくしま[15]
  • てつがくカフェ@南相馬[16]
  • 哲学カフェ in co-ba koriyama[17]
茨城県
栃木県
  • 哲学カフェ - 帝京大学宇都宮キャンパス[20]
  • ママ哲(親哲学カフェ )- マザーズガーデン~子どもわくわく教室「あすなろ」[21]
千葉県
東京都
  • カフェフィロtokyo[23]
  • Core Talk Cafe[24]
  • 小金井哲学カフェ[25]
  • さろん哲学[26][27]
  • 人生カフェ(中高年の人生を考える哲学カフェ)[28]
  • 東京メタ哲学カフェ(哲学カフェの運営を考える哲学カフェ)[29]
  • 新宿哲学カフェ(哲学カウンセリング、哲学コンサルティングなど)[30]
  • 哲愕カフェ by NAoK (New Act of Knowledge)アート・科学コミュニケーション専門の哲学カフェを開催
神奈川県
富山県
  • 哲学カフェ - 富山大学[33]
  • Ethical Girls Open Talk Event 「ミント カフェ」社団法人実践倫理宏正会 富山支部 
愛知県
岐阜県
  • 哲学カフェ de ぎふ[34]
静岡県
  • 哲学カフェ@しずおか[35]
滋賀県
京都府
  • 哲学カフェ “問答連”[38]
  • 哲学海 哲学カフェ - 大谷大学
大阪府
兵庫県
  • むこのそう哲学カフェ
岡山県
広島県
  • ひろしま哲学アゴラ[45]
島根県
香川県
福岡県
  • 福岡哲学カフェ エクフィロ[47][48]
大分県
鹿児島県
  • 鹿児島哲学カフェ[49][50]
  • 鹿屋哲学カフェ 言霊(ことだま)

TV番組

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  • 「新コミュニケーション“哲学カフェ”で語り合いたい」『VOICE』(毎日放送、2010年4月30日)
  • 「心スッキリ!! 哲学のススメ」『あさイチ』(NHK総合、2015年12月21日)

脚注

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  1. ^ 公共哲学カフェ”. 2017年3月5日閲覧。
  2. ^ 小金井哲学カフェ”. 2017年3月5日閲覧。
  3. ^ 鹿児島哲学カフェ”. 2017年3月5日閲覧。
  4. ^ 仙台哲学カフェ”. 2017年3月5日閲覧。
  5. ^ さろん哲学”. 2017年3月5日閲覧。
  6. ^ カフェフィロ 沿革”. 2014年3月24日閲覧。
  7. ^ 哲学カフェ 佐世保・長崎”. 2014年3月25日閲覧。
  8. ^ 公共哲学カフェ これまでの開催一覧”. 2014年3月25日閲覧。
  9. ^ 小川仁志 「哲学カフェ」の実践から判明した効用について : 市民と学生の交流による相乗効果”. 2014年3月26日閲覧。
  10. ^ 第0回仙台哲学カフェ レポート”. 2014年3月26日閲覧。
  11. ^ 第一回哲学カフェ!!”. 2014年3月25日閲覧。
  12. ^ コト ノ ココロ、コト の 森”. 2017年6月27日閲覧。
  13. ^ てつがくカフェ@せんだい”. 2014年3月23日閲覧。
  14. ^ 哲学カフェ「かんがえるソファ」|東北大学SLA”. sla-project. 2020年10月7日閲覧。
  15. ^ てつがくカフェ@ふくしま”. 2014年3月23日閲覧。
  16. ^ てつがくカフェ@南相馬”. 2014年3月23日閲覧。
  17. ^ in-co-ba-koriyama/ 哲学カフェ in co-ba koriyama”. 2018年12月4日閲覧。
  18. ^ ソクラテス・サンバ・カフェ”. 2014年8月18日閲覧。
  19. ^ 筑波大学哲学カフェ - twitter”. 2014年8月18日閲覧。
  20. ^ 哲学カフェ|帝京大学”. www.teikyo-u.ac.jp. 2018年9月19日閲覧。
  21. ^ “『6/11 ママ哲 第5弾 報告~「待つことは我慢か」(先生からの報告♡)』” (日本語). mothers-garden-asunaroのブログ. https://ameblo.jp/mothers-garden-asunaro/entry-12402942970.html 2018年9月19日閲覧。 
  22. ^ 公共哲学カフェ 千葉大学”. 2014年3月23日閲覧。
  23. ^ カフェフィロtokyo”. 2014年3月23日閲覧。
  24. ^ Core Talk Cafe”. 2014年3月23日閲覧。
  25. ^ 小金井哲学カフェ”. 2017年11月25日閲覧。
  26. ^ さろん哲学”. 2014年3月23日閲覧。
  27. ^ さろん/さろん哲学・朝さろん・さろん工房 - twitter”. 2014年3月25日閲覧。
  28. ^ 人生カフェ”. 2017年7月12日閲覧。
  29. ^ 東京メタ哲学カフェ”. 2017年7月12日閲覧。
  30. ^ 新宿哲学カフェ – 対話屋”. 2020年2月27日閲覧。
  31. ^ 鎌倉哲学カフェ”. 2014年3月23日閲覧。
  32. ^ 哲学カフェ横浜”. 2017年11月25日閲覧。
  33. ^ 哲学カフェ 富山大学”. 2014年3月23日閲覧。
  34. ^ 哲学カフェ de ぎふ”. 2014年3月23日閲覧。
  35. ^ 哲学カフェ@しずおか”. 2017年11月20日閲覧。
  36. ^ びわこ哲学カフェ”. 2014年3月23日閲覧。
  37. ^ びわこ哲学カフェ - twitter”. 2014年3月25日閲覧。
  38. ^ 哲学カフェ “問答連””. 2016年8月8日閲覧。
  39. ^ カフェフィロ”. 2014年3月25日閲覧。
  40. ^ カフェフィロの活動報告や近況”. 2014年3月25日閲覧。
  41. ^ カフェフィロ - twitter”. 2014年3月25日閲覧。
  42. ^ 実験哲学カフェ”. 2014年3月23日閲覧。
  43. ^ PE(パブリック・エンゲージメント)班ブログ”. 2015年10月25日閲覧。
  44. ^ 哲学カフェ(2017年度)”. 2017年11月25日閲覧。
  45. ^ a b てつぷら岡山”. 2018年7月24日閲覧。
  46. ^ 晤語の哲学”. 2014年3月23日閲覧。
  47. ^ 福岡哲学カフェ エクフィロ”. 2014年3月23日閲覧。
  48. ^ 福岡哲学カフェ / エクフィロ - twitter”. 2014年3月25日閲覧。
  49. ^ 鹿児島哲学カフェ”. 2014年3月23日閲覧。
  50. ^ 鹿児島哲学カフェ - twitter”. 2014年3月25日閲覧。

参考文献

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  • 小川仁志『哲学カフェ! : 17のテーマで人間と社会を考える』祥伝社、2011年。ISBN 9784396315443 
  • マルク・ソーテ 著、堀内ゆかり 訳『ソクラテスのカフェ』紀伊國屋書店、1996年。ISBN 9784314007788 
  • マルク・ソーテ 著、堀内ゆかり 訳『ソクラテスのカフェ』 2巻、紀伊國屋書店、1998年。ISBN 9784314008266 
  • クリストファー・フィリップス 著、森丘道 訳『ソクラテス・カフェにようこそ : 誰にでもできる哲学への招待』光文社、2003年。ISBN 4334961568 
  • 鷲田清一 監修、CAFE PHILO 編『哲学カフェのつくりかた』大阪大学出版会〈シリーズ臨床哲学〉、2014年。ISBN 9784872594676 
  • Chaplin, Tamara, Turning on the mind: French philosophers on television, University of Chicago Press, 2007, ISBN 0226509915
  • Marinoff, Lou, Philosophical practice, Academic Press, 2002, ISBN 0-1247155-5-9
  • Raabe, Peter B., Issues in philosophical counseling, Greenwood Publishing Group, 2002, ISBN 0-2759766-7-X
  • Sautet, Marc, Un café pour Socrate : comment la philosophie peut nous aider à comprendre le monde d'aujourd'hui, Paris : R. Laffont, 1995, ISBN 2-2210760-6-0

関連項目

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外部リンク

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