台湾ラーメン
台湾ラーメン | |
---|---|
考案者の郭明優の末弟である郭政良が経営している味仙日進竹の山店の台湾ラーメン。 | |
種類 | ラーメン |
発祥地 | 日本・名古屋、味仙 |
関連食文化 | 名古屋めし |
考案者 | 郭明優 |
誕生時期 | 1971年 |
主な材料 | 唐辛子、ニンニク、挽き肉、もやし、ニラ、醤油、中華麺 |
派生料理 | 台湾まぜそば |
台湾ラーメン(たいわんラーメン)は、台湾料理を起源に持つ日本国発祥の麺料理である[1]。鶏がらベースの醤油風味のスープに細めの麺を入れ、唐辛子とニンニクを絡め炒めた挽き肉、もやしとニラが載る[2][3]。名古屋発祥の料理であるため、いわゆる「名古屋めし」の一種とされる[4]。
台湾・台中州大甲郡出身の父を持つ郭明優(かく・めいゆう)[注 1]が、旅行で訪れた台北の台南料理店で食べた担仔麺をきっかけに考案し、自身が営む中華料理店「味仙」で、1971年(昭和46年)から客への提供[注 2]を始めた[6][8]。味仙のある今池近辺に朝鮮人が多く住んでいたことを考慮し唐辛子を加えた[5][6]。
台湾ラーメンが評判になると、たちまち他店でも品書きに載るようになった[8]。愛知県中華料理環境衛生同業組合による2000年(平成12年)の調査では、名古屋市内のラーメン専門店約380店のうち、200店以上が台湾ラーメンを提供している[9]。
台湾ミンチ
[編集]台湾ラーメンの具材である唐辛子とニンニクを絡め炒めた挽き肉は「台湾ミンチ」と呼ばれるようになり、カレーやきしめんなど他分野の料理にも活用され、台湾カレーや台湾きしめんなどが考案された[10][11]。
名古屋拉麵
[編集]日本国三重県域を地盤に飲食チェーン店を展開するダイムは、臺灣桃園國際機場に出した店で台湾ラーメンを名古屋拉麵の呼称で提供した[12][13]。
味仙に関して
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
- 万福 - 1945年に郭宗仁と妻の郭汪蘭にて創業。笹島の「万福」は「大和食堂」と名を変え、その後「味仙」が誕生。
関連製品
[編集]日清食品は、2015年(平成27年)3月に味仙今池本店が監修した即席カップ麺「味仙 台湾ラーメン ビッグ」を販路限定で発売した[14][15]。以来2020年11月までに8回改良され販売が継続されている[16]。2015年(平成27年)8月に「日清麺職人 台湾ラーメン」を「中部地区」限定で発売[17]、一度の改良を経て2016年(平成28年)5月に全国で発売された[18][19]。また、2016年(平成28年)2月に「出前一丁どんぶり 旨辛台湾ラーメン風」も発売した[20]。そのほか、明星食品、東洋水産、サンヨー食品及びヤマダイなどからも台湾ラーメンの即席カップ麺が販売されている[21][22][23][24]。また、台湾ラーメンや「台湾ミンチ」を容易に模倣できる業務用調味料が販売されており、エバラ食品工業の製品は郭明優の末妹の杉山淑子が監修している[注 3][26][27]。
関連書籍
[編集]- 永谷正樹「那古野三ツ星Gourmet」『名古屋商工会議所月報那古野』第747号、名古屋商工会議所、名古屋、2015年、13頁、全国書誌番号:01025312、2023年4月4日閲覧。
- 国方学『台湾ラーメン味仙の秘密』ブックショップマイタウン、名古屋、2019年1月。ISBN 978-4-938341-31-2。 NCID BB29279578。OCLC 1083073034。全国書誌番号:23155124。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]ウィキメディア・コモンズには、台湾ラーメンに関するカテゴリがあります。
- “味仙今池本店”. 2024年3月31日閲覧。- 創業者で長兄の郭明優が経営していた店舗のウェブ・ページ。
- “矢場味仙”. 2024年3月31日閲覧。 - 長妹の早矢仕黎華が経営している店舗のウェブ・ページ。
- “味仙Net”. 2024年3月31日閲覧。 - 末妹の杉山淑子が経営している店舗のウェブ・ページ。
- “郭 政良 味仙”. 2024年3月31日閲覧。 - 末弟の郭政良が経営している店舗のウェブ・ページ。
脚註
[編集]註釈
[編集]出典
[編集]- ^ 芝野享平、篠塚辰徳、今井智文「麺で結んだ名古屋と台湾 「味仙」創業者・郭さん死去に惜しむ声」『中日新聞』中日新聞社、名古屋、2023年4月3日、第28868号、22面12版、全国書誌番号:00062088。2023年4月3日閲覧。
- ^ a b 和佐田真「うまさと誕生の秘密に迫る」『千種フリモ』第22号、中広、岐阜、2014年7月、全国書誌番号:01032171。
- ^ OFFICE-SANGA (2012年12月7日). “台湾には存在しない愛知県名古屋発の「台湾ラーメン」はどこから来たのか?”. ワーク&ライフ. マイナビニュース. マイナビ. 2023年4月3日閲覧。
- ^ BUBBLE-B (2018年11月20日). “中国台湾料理 味仙 今池本店”. 本店の旅. 中島敦. 2023年4月3日閲覧。
- ^ a b 田中一明 (2019年8月30日). “スパイシーラーメン、辛みの中に個性の粋 新橋・築地”. ラーメン官僚 オススメの一杯. NIKKEI STYLE. 日本経済新聞社. 2023年4月3日閲覧。
- ^ a b c d e 野嶋剛 (2021年5月30日). “名古屋・味仙創業者が明かす「台湾にない台湾ラーメン」の誕生秘話”. トピックス. nippon.com. ニッポンドットコム. 2023年4月3日閲覧。
- ^ 「味仙創業者、郭明優さん死去 82歳、名古屋めし「台湾ラーメン」考案」『中日新聞』中日新聞社、名古屋、2023年3月31日、第28865号、34面12版、全国書誌番号:00062088。2023年4月3日閲覧。
- ^ a b 田中一明「かずあっきぃのラーメン探訪記」『ファイナンス』第643号、財務省、東京、2019年6月14日、56頁、ISSN 0448-6072、全国書誌番号:00020518、2023年4月3日閲覧。
- ^ 伊東浩一「由来と人気の秘密は?」『中日新聞』中日新聞社、名古屋、2000年3月16日、県内総合市版21面、全国書誌番号:00062088。2023年4月3日閲覧。
- ^ “「台湾ラーメン」味仙会長の郭明優さんが死去 激辛で名古屋名物に”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2023年3月30日). 2023年4月3日閲覧。
- ^ a b “なぜ名古屋なのに“台湾”ラーメン?意外な理由 専門家が分析「名古屋の人の趣向とマッチ」”. CBC MAGAZINE. CBC web. 中部日本放送 (2022年10月19日). 2023年4月3日閲覧。
- ^ “台湾ラーメン”. ナゴヤ経済用語辞典. 中日BIZナビ. 中日新聞社 (2021年4月1日). 2023年4月3日閲覧。
- ^ 阿部晃太朗 (2019年12月27日). “台湾ラーメンのルーツは「辛くない」 あっさりエビ風味”. ナゴヤのトリセツ. 日本経済新聞. 日本経済新聞社. 2023年4月4日閲覧。
- ^ オサーン (2015年3月2日). “3月第1週のカップ麺発売予定”. プライムワン. カップ麺をひたすら食いまくるブログ. 2023年4月4日閲覧。
- ^ “味仙 台湾ラーメン ビッグ”. 商品情報. サークルKサンクス. 2015年3月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月4日閲覧。
- ^ taka :a (2020年11月12日). “けっこう辛いぞ【味仙】監修「台湾ラーメン」ファミマ限定カップ麺 "9代目" 突入!!”. 本日の一杯 Cupmen review blog カップ麺レビューブログ. 2023年4月4日閲覧。
- ^ "「日清麺職人 台湾ラーメン」(8月3日発売)" (PDF) (Press release). 日清食品. 21 July 2015. 2023年4月4日閲覧。
- ^ "「日清麺職人」シリーズ7品 (4月4日発売)" (PDF) (Press release). 日清食品. 14 March 2016. 2023年4月4日閲覧。
- ^ "「日清麺職人 台湾ラーメン / 沖縄そば」(6月6日発売)" (PDF) (Press release). 日清食品. 23 May 2016. 2023年4月4日閲覧。
- ^ "「チキンラーメンどんぶり 旨辛棒棒鶏風」「出前一丁どんぶり 旨辛台湾ラーメン風」(2月22日発売)" (PDF) (Press release). 日清食品. 8 February 2016. 2023年4月4日閲覧。
- ^ "「明星の台湾ラーメン」(7月22日発売)" (PDF) (Press release). 明星食品. 25 June 2013. 2023年4月4日閲覧。
- ^ "「ごつ盛り 名古屋台湾ラーメン」新発売のお知らせ" (PDF) (Press release). 東洋水産. 27 March 2023. 2023年4月4日閲覧。
- ^ “サッポロ一番 旅麺 名古屋 台湾ラーメン風”. 製品情報. サンヨー食品. 2023年3月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月4日閲覧。
- ^ “凄麺(すごめん) - 名古屋発 台湾ラーメン”. 凄麺. ニュータッチ. ヤマダイ. 2011年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月4日閲覧。
- ^ 「業務用加工食品ヒット賞 中華部門:エバラ食品工業「台湾拉麺の素」」『日食外食レストラン新聞』日本食糧新聞社、東京、2015年9月7日、第438号、8面、全国書誌番号:00063653。2023年4月4日閲覧。
- ^ “新商品『業務用 台湾ラーメンスープの素』の紹介をします。”. 商品情報. 泉万醸 (2022年11月30日). 2023年4月4日閲覧。
- ^ "「台湾拉麺の素」新発売" (PDF) (Press release). エバラ食品工業. 10 March 2015. 2023年4月4日閲覧。