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印刷字体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

印刷字体(いんさつじたい、英語: Block letters)とは、印刷や画面表示での視認性を高めるために設計された字体を指す。

英語などのラテン文字における印刷字体は、「セリフ体(serif)」や「サンセリフ体(sans-serif)」の2種類に分けている。これらの字体は、文字ごとに独立したグリフで構成されており、文字同士をつなげる設計(リガチャ筆記体的特徴)は基本的に含まれていない。

英語圏における「印刷字体」という概念

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西洋の教育や学術的な文脈では、印刷字体は「プリントスクリプト(Print script)」「マニュスクリプト(Manuscript)」とも呼ばれる。とくに米国の初等教育では、特定の印刷字体の文字の形状を「ボール・アンド・スティック(Ball-and-stick)」と表現している。

英語圏の初等教育では、子供たちに手書きの印刷字体を教えると同時に、筆記体カースィヴ)を学ばせることも必要となる。しかし、アメリカの教育方針は地域や時代によって異なり、20世紀初頭には『パーマー法』によって筆記体が厳格に推奨された時期もあれば、2010年の『コモンコア基準』で推奨項目から外されたあと、一部の米国州で再導入される例もある。

一方、米国の公式文書では、「印刷字体のみを使用して下さい」という指示がある場合が圧倒的に多い。この理由は筆記体は読みにくいため、公務において使用ができるだけ避けられ、可読性の高い印刷字体を広く代用している。裁判特許関連の文書において、容赦ない判読性を確保するために、英語圏では全文が印刷字体で書くことが求められている。また、いま犯罪技術が進歩する中で、手書きの印刷字体が悪用される例もあるが、その鑑定には「OCR光学文字認識)」ではなく、専門家の筆跡分析が必要である。

最後に、印刷字体はクロスワードパズルなどでもよく使われており、その理由は視認性の高さにある。