コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

南亮三郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

南 亮三郎(みなみ りょうざぶろう、明治29年(1896年10月28日昭和60年(1985年5月24日)は、日本の人口学者。小樽高等商業学校(現小樽商科大学)教授、北海道立労働科学研究所(現北海道立総合研究機構)初代所長、中央大学教授、日本人口学会会長等を歴任した。藍綬褒章受章。

経歴・人物

[編集]

京都府生まれ[1][2]。1920年小樽高等商業学校(現小樽商科大学)卒業[3]大西猪之介に師事[4]。東京植民貿易語学校(現保善高等学校)教諭を経て[5]、1923年東京商科大学(現一橋大学)卒業[6][7]左右田喜一郎に師事[8]。同年小樽高等商業学校講師[7]

小樽高等商業学校教授を経て、1928年から1930年までドイツ留学[9][10]。1931年叙正六位[11]。1934年叙従五位[12]。1942年小樽高等商業学校図書館主幹[13]。1943年東京商科大学経済学博士[14]

教職不適格となり1947年から休職し、1948年に免官されたが[7][15][16]、公職不適格とはならなかったため、1949年から北海道知事室嘱託、北海道立労働科学研究所(現北海道立総合研究機構)初代所長を務めた[7]。1950年札幌地方国有鉄道調停委員会委員長[17]、北海船員地方労働委員会委員[18]

1952年中央大学教授兼務[7]、札幌地方公共企業体等調停委員会委員[19]。1953年中央大学教授[7]。1954年東京地方公共企業体等調停委員会委員[20]。1958年人口学研究会創設[21]。1965年藍綬褒章受章[22]。1966年駒澤大学教授[7]

黒田俊夫の後を受け1972年から1974年まで日本人口学会会長[23][24][25]。1985年死去[26]、叙正五位[27]。1986年に遺族により蔵書が寄贈され、小樽商科大学附属図書館南文庫として整備された[28]日本人口学の権威として知られた[6]

親族

[編集]

南亮進一橋大学名誉教授は子[29]

著書

[編集]
  • 『流通経済の原理 : 最新学説』同文館 1926年
  • 『人口法則と生存権論』同文館 1928年
  • 『社会哲学と思想問題』宝文館 1928年
  • 『経済学の基礎的諸問題』東京宝文館 1928年
  • 『経済原論講義』文栄堂印刷所 1935年
  • 『人口理論と人口問題』千倉書房 1935年
  • 『人口論発展史 : 日本に於ける最近十年間の総業績』三省堂 1936年
  • 『人口理論と国際貿易』大同書院 1938年
  • 『人口理論と人口政策』千倉書房 1940年
  • 『人口原理の研究 : 人口学建設への一構想』千倉書房 1943年
  • 『人口原理の確立者 : トーマス・ロバート・マルサス』三省堂 1944年
  • 『第三者 : 労働争議の渦中に立ちて』中央労働学園 1950年
  • 『人口論』三和書房 1954年
  • 『明暗の日本人口』同文館 1955年
  • 『生と死と愛 : 文学にみた人口問題』三芽書房 1957年
  • 『人口論史 : 人口学への道』勁草書房 1960年
  • 『人口学体系 第1 : 人口学総論』千倉書房 1960年
  • 『経済政策原理』千倉書房 1961年
  • 『人口学体系 第2 : 人口思想史』千倉書房 1963年
  • 『人口学体系 第3 : 人口理論 : 人口学の展開』千倉書房 1966年
  • 『人口学体系 第4 : マルサス評伝』千倉書房 1964年
  • 『人口学体系 第5 : 人口政策』千倉書房 1969年
  • 『人口学体系 第6 : 日本人口と経済』千倉書房 1972年
  • 『人口学体系 第7 : 世界人口と発展途上国』千倉書房 1973年
  • 『現代経済政策』(小苅米清弘, 森岡仁と共著)千倉書房 1975年
  • 『人口論五十年の後』千倉書房 1980年
  • 『人口論六十年』千倉書房 1984年

編書

[編集]
  • 大西猪之介経済学全集』(高島佐一郎と共編)宝文館 1927-1928年
  • 『セイロンの人口構造と経済構造』アジア経済研究所 1962年
  • 『世界の人口問題』(館稔と共編)勁草書房 1963年
  • 『マラヤ・シンガポールの人口構造』アジア経済研究所 1963年
  • 『人口都市化の理論と分析』(館稔と共編)勁草書房 1965年
  • 『インドの人口増加と経済発展 第1』アジア経済研究所 1965年
  • 『インドの人口増加と経済発展 第2』アジア経済研究所 1966年
  • 『マルサスと現代』(館稔と共編)勁草書房 1966年
  • 『インドネシアの人口と経済』アジア経済研究所 1967年
  • 『パキスタン人口の経済分析』アジア経済研究所 1967年
  • 『労働力人口の経済分析』(館稔と共編)勁草書房 1968年
  • 『フィリピンの人口と経済』アジア経済研究所 1969年
  • 『中国の人口増加と経済発展』アジア経済研究所 1970年
  • 『台湾の人口と経済』アジア経済研究所 1971年
  • 『韓国人口の経済分析』アジア経済研究所 1972年
  • 『タイ・ビルマの人口と経済』アジア経済研究所 1972年
  • 『アジアの人口と経済』アジア経済研究所 1974年
  • 『現代人口論』千倉書房 1975年
  • 『日本の人口変動と経済発展』(上田正夫と共編)千倉書房 1975年
  • 『世界の人口政策と国際社会』(上田正夫と共編)千倉書房 1976年
  • 『人口学の方法』(上田正夫と共編)千倉書房 1978年
  • 『転換途上の日本人口移動』千倉書房 1978年
  • 『日本の人口高齢化』(上田正夫と共編)千倉書房 1979年
  • 『人口思想の形成と発展』(岡田実と共編)千倉書房 1980年
  • 『日本の人口・資源問題』(畑井義隆と共編)千倉書房 1981年
  • 『20世紀の世界人口』(岡崎陽一と共編)千倉書房 1983年
  • 『人口問題の基本考察』(浜英彦と共編)千倉書房 1983年
  • 『世界平和と人口政策』(石南国と共編)千倉書房 1985年
  • 『先進工業国の雇用と失業』(水野朝夫と共編)千倉書房 1985年

参考文献

[編集]
  • 南博士祝賀論文集刊行委員会編『人口と経済と社会 : 南亮三郎博士人口学体系完結並びに喜寿祝賀論文集』千倉書房 1973年
  • 岡田実, 大淵寛編『人口学の現状とフロンティア : 南亮三郎博士の生誕百年を記念して』大明堂 1996年

出典

[編集]
  1. ^ 人口学体系 第6 (日本人口と経済) 図書 南亮三郎 著 千倉書房, 1972
  2. ^ 東京商科大学一覧 昭和11年度
  3. ^ 官報 1920年04月05日
  4. ^ 人口法則と生存権論
  5. ^ 中等教育諸学校職員録 大正10年(5月現在)
  6. ^ a b 南文庫(南亮三郎)日本の大学所属特殊コレクション
  7. ^ a b c d e f g 人口問題からみた日本社会政策論史 ―南亮三郎を手掛かりに一愛知学院大学論叢. 経済学研究 en : The keizaigaku kenkyu : The Aichi Gakuin economic review 巻 2, 号 1, p. 1-17, 発行日 2014-09-30
  8. ^ 流通経済の原理 改稿
  9. ^ 官報 1928年01月09日
  10. ^ 官報 1930年10月10日
  11. ^ 官報 1931年10月28日
  12. ^ 官報 1934年05月19日
  13. ^ 歴代附属図書館長・図書館運営委員会委員名簿・事務組織小樽商科大学
  14. ^ 人口原理の成生及び拡充に関する研究 南, 亮三郎, 1896-1985 ミナミ, リョウザブロウ
  15. ^ 昭和23年本紙第6467号 37頁
  16. ^ 官報昭和22年本紙第6112号 5頁
  17. ^ 官報昭和25年本紙第6905号 148頁
  18. ^ 昭和25年本紙第7176号 158頁
  19. ^ 官報昭和27年本紙第7706号 230頁
  20. ^ 官報昭和29年本紙第8353号 75頁
  21. ^ 人口学研究会
  22. ^ 官報昭和40年本紙第11680号 17頁
  23. ^ 黒田俊夫元人口問題研究所所長の逝去国立社会保障・人口問題研究所
  24. ^ 人口と経済と社会 : 南亮三郎博士人口学体系完結並びに喜寿祝賀論文集 図書 南博士祝賀論文集刊行委員会 編 千倉書房, 1973.12
  25. ^ 人口と経済と社会 : 南亮三郎博士人口学体系完結並びに喜寿祝賀論文集 図書 南博士祝賀論文集刊行委員会 編 千倉書房, 1973.12
  26. ^ 黒田俊夫南亮三郎先生を偲ぶ人口学研究/8 巻 (1985)
  27. ^ 官報昭和60年本紙第17488号 8頁
  28. ^ 特殊文庫一覧 小樽商科大学
  29. ^ 人 口 学 研 究 会 紀 要 人 口 学 研 究 会


先代
手塚壽郎
小樽高等商業学校図書館主幹
1942年 - 1944年
次代
高橋次郎