南から来た用心棒
南から来た用心棒 | |
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Arizona Colt | |
監督 | ミケーレ・ルーポ |
脚本 |
エルネスト・ガスタルディ ルチアーノ・マルティーノ |
原作 |
エルネスト・ガスタルディ ルチアーノ・マルティーノ |
製作 | エリオ・スカルダマーリャ |
出演者 |
ジュリアーノ・ジェンマ コリンヌ・マルシャン フェルナンド・サンチョ |
音楽 | フランチェスコ・デ・マージ |
撮影 | グリエルモ・マンコーリ |
編集 | アントニエッタ・ジータ |
製作会社 |
レオーネ・フィルム オルフィー・プロダクション |
配給 | インターフィルム |
公開 | 1966年8月27日 |
上映時間 | 118分 |
製作国 |
イタリア フランス スペイン |
言語 | イタリア語 |
次作 | Arizona Colt Returns |
『南から来た用心棒』(みなみからきたようじんぼう、原題:Arizona Colt)は、1966年公開のマカロニ・ウェスタン。
概要
[編集]エルネスト・ガスタルディとルチアーノ・マルティーノが執筆した原作をミケーレ・ルーポが映画化した作品。主演はジュリアーノ・ジェンマ、メインキャストにはコリンヌ・マルシャン、フェルナンド・サンチョが起用された[1]。撮影はスペイン・アルメリアなどで行われた。1970年には続編の『Arizona Colt Returns』が公開されている。
あらすじ
[編集]賞金首のゴルドン一味はアリゾナ州の刑務所を襲撃し、看守を皆殺しにして囚人たちを連れ去る。そんな中、収監されていた賞金稼ぎの男は、刑務所に取り残されたゴルドン一味のウィスキーを連れて、ゴルドンの後を追う。付近の山に辿り着いたゴルドンは囚人たちを仲間に引き入れ、ウィスキーを連れてきた男も仲間に誘う。「アリゾナ・コルト」と名乗った男は返答を保留し、ウィスキーを置いて立ち去る。ゴルドンはグレイストーン・ヒルの銀行を襲撃する計画を立て、部下のクレイに偵察を命じるが、付近の谷にアリゾナがいることを知り、彼を殺してくるように命令する。クレイは仲間を連れてアリゾナを襲うが返り討ちに遭い、仲間を殺された挙句に衣服を奪われてしまう。逃げ戻ったクレイから話を聞いたゴルドンは激怒し、部下を引き連れて谷に向かうが、そこにはアリゾナの姿はなく、代わりに部下の死体を使った「NO」という返事が残されていた。ゴルドンはアリゾナを敵と認識し、予定通りクレイを偵察に向かわせる。
クレイはグレイストーン・ヒル行きの馬車に乗り込むが、そこでアリゾナと鉢合わせになり、口止めするために彼を酒場に誘う。アリゾナは酒場で出会ったジェーンに好意を持ち、一方のクレイは彼女の妹ドロレスと一夜を共にする。しかし、ゴルドン一味であることがバレたため、クレイはドロレスを殺害してグレイストーン・ヒルを立ち去る。グレイストーン・ヒルの人々はドロレスの死を悲しみ、ジェーンと父親のペドロは復讐を誓う。クレイから話を聞いたゴルドンは、部下を引き連れてグレイストーン・ヒル銀行を襲撃して大金を奪い、銃撃戦を挑んできた保安官を射殺して逃亡する。その際、ペドロはクレイを見かけ復讐しようとするが、クレイに撃たれて負傷する。一部始終を見届けたアリゾナは、「500ドルとジェーンとの一夜を報酬にクレイを捕まえる」と持ちかける。ペドロはジェーンの身を案じて提案を拒むが、ジェーンは妹の復讐を果たすために提案を受け入れる。
大金を手にしたゴルドンは、さらに牛を売り払ってグレイストーン・ヒルに戻ってきたカウボーイたちから売上金を奪い、逃げ惑う彼らを皆殺しにする。その現場を目撃したアリゾナはゴルドンに近付こうとするが、クレイに見付かり捕まってしまう。アリゾナは「クレイを引き渡せば500ドル手に入る」と取引を持ちかけ、逆上したクレイは発砲するが、アリゾナが身をかわしたため、狙いが逸れてゴルドンを撃ってしまう。激怒したゴルドンは、アリゾナとクレイの二人で殺し合いをするように命令する。二人は拳銃を奪い合って揉み合いとなり、クレイが射殺される。それを見たゴルドンはアリゾナの両手足を撃ち重傷を負わせ、その場を立ち去る。しかし、ゴルドンの非道に付いていけなくなったウィスキーは、ゴルドンの金を持ち逃げし、アリゾナを助けてグレイストーン・ヒルに戻る。
アリゾナは報酬の500ドルを受け取り、ジェーンの手当てを受け快方に向かうが、ペドロや町の人々はジェーンを引き渡すことを拒否し、二人に立ち去るように伝える。ゴルドン一味であることがバレそうになっていたウィスキーは喜んで立ち去ろうとするが、アリゾナは付近の廃墟の教会に留まる。二人が立ち去った後、ゴルドン一味がグレイストーン・ヒルを襲撃し、金を持ち逃げしたウィスキーを差し出すように命令する。ゴルドンは町の人々がウィスキーを匿っていると考え、町を略奪し始める。ジェーンは教会に向かいアリゾナに助けを求めるが、彼は助力を拒み、さらに「町を助けたら金を山分けする」というウィスキーの提案も拒否したため、ジェーンとウィスキーはアリゾナを見放して町に向かう。
ゴルドンは捕まえた町の人々を見せしめに殺そうとするが、そこにウィスキーが現れて銃撃戦となる。ウィスキーは火を点けた酒瓶を爆弾代わりに闘うが、ゴルドンの銃撃で酒瓶が誤爆して重傷を負う。ゴルドンは止めを刺そうとするが、駆け付けたアリゾナに邪魔され、部下を全員殺されてしまう。ゴルドンは葬儀屋に逃げ込み、そこでアリゾナと一騎打ちになる。しかし、ゴルドンはアリゾナに追い詰められて許しを請い、アリゾナはゴルドンの両足を撃って彼を捕まえ、町の人々に引き渡す。ウィスキーは重傷を負ったものの手当てを受け助かり、アリゾナは「一緒に暮らしたい」というジェーンの求めを断り、グレイストーン・ヒルを後にする。
キャスト
[編集]役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
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NETテレビ版 | 日本テレビ版 | TBS版 | ||
アリゾナ・コルト | ジュリアーノ・ジェンマ | 野沢那智 | 伊武雅之 | 野沢那智 |
ジェーン | コリンヌ・マルシャン | 小原乃梨子 | 岩倉高子 | 平井道子 |
ゴルドン・ウォッチ | フェルナンド・サンチョ | 金井大 | 池田忠夫 | 滝口順平 |
ウィスキー | ロベルト・カマルディエル | 雨森雅司 | 神山卓三 | |
クレイ | ネロ・パッツァフィーニ | 大塚周夫 | 増岡弘 | |
ペドロ | アンドレア・ボシック | 村松康雄 | ||
神父 | ピエトロ・トルディ | 今西正男 | ||
ドロレス | ロザルバ・ネリ | 火野捷子 | ||
保安官 | ミルコ・エリス | |||
ジョン | ジェラルド・ラーティガウ | |||
用心棒 | ホセ・マヌエル・マルティン | |||
銀行家 | ギアニ・ソラーロ | |||
葬儀屋 | レナート・チアントーニ | |||
ウィル | トム・フェルギー | |||
不明 その他 |
石丸博也 水鳥鉄夫 | |||
演出 | 藤野貞義 | |||
翻訳 | 榎あきら | |||
効果 | ||||
調整 | ||||
制作 | オムニバスプロモーション | |||
解説 | 淀川長治 | 水野晴郎 | 荻昌弘 | |
初回放送 | 1971年3月14日 『日曜洋画劇場』 |
1974年7月3日 『水曜ロードショー』 |
1975年10月6日 『月曜ロードショー』 |
出典
[編集]- ^ “Arizona Colt”. spaghetti-western.net. 2014年4月19日閲覧。