千葉石
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千葉石 | |
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千葉石(秋田大学附属鉱業博物館所蔵) | |
分類 | 酸化鉱物 |
シュツルンツ分類 | 04.DA.25 |
Dana Classification | 75.02.02.03 |
化学式 | SiO2・n(CH4,C2H6,C3H8,C4H10)(n<3/17) |
結晶系 | 等軸晶系 |
単位格子 | a = 19.3742(4)Å |
モース硬度 | 7 |
光沢 | ガラス光沢 |
色 | 無色透明、白色 |
条痕 | 白色 |
密度 | 2.01 - 2.03 g/cm3 |
文献 | [1][2] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
千葉石(ちばせき、chibaite)は、鉱物(酸化鉱物)の一種。化学組成はSiO2·n(CH4,C2H6,C3H8,C4H10)(n=3/17(max))、結晶系は等軸晶系。
2009年に千葉県の採石場[3]で発見された日本産新鉱物[1]で、名前は発見地の県名にちなむ。
産出地
[編集]千葉県南房総市荒川(原産地)。
性質・特徴
[編集]基本的な化学組成はSiO2(二酸化ケイ素)であるが、結晶格子内部にCH4(メタン)、C2H6(エタン)、C3H8(プロパン)、C4H10(イソブタン)を含んでいる包接化合物である。
結晶構造はハイドレートII型である。ちょうど、メタンハイドレートII型の水分子を二酸化ケイ素に置き換えた構造に相当する。
ちなみに、ハイドレートI型はメラノフロジャイトである。ガスハイドレート鉱物としては、千葉石とメラノフロジャイトだけしか知られていなかったが、その後の2020年12月に国立科学博物館や東北大学などの連名で、千葉石に類似の新鉱物である房総石の発見も発表された[4][5]。
千葉石は透明な八面体結晶をしている。白濁したものは石英に変質している場合が多いが、白濁したものの下にまだ透明の部分が残っている場合には、そこが千葉石である場合もあり、一概には言えない。
サイド・ストーリー
[編集]原産地の荒川は、シロウリガイの化石が産出する場所であるが、このシロウリガイ化石の採集時に、奇妙な結晶の石英が発見された。発見された結晶は石英であるが、その仮晶の元となる鉱物が問題であった。初めはクリストバル石、もしくは日本では未発見のメラノフロジャイトと思われていたが、透明な結晶が見つかり、分析したところ、未知の鉱物であることが判明した。
脚注
[編集]- ^ a b Chibaite (英語), MinDat.org, 2011年12月1日閲覧。
- ^ IMA2008-067 (英語), WebMineral.com, 2011年12月1日閲覧。
- ^ 結晶美術館
- ^ “千葉県より新種鉱物「房総石(ぼうそうせき)」を発見 ―天然ガスハイドレートと相似な構造を有するシリカクラスレート鉱物―”. 東北大学 (2020年12月18日). 2021年2月13日閲覧。
- ^ “「千葉石」詳しく調べたら…新鉱物「房総石」を発見”. 朝日新聞 (2021年2月13日). 2021年2月13日閲覧。
参考文献
[編集]- 門馬綱一ほか「千葉県南房総市荒川から産出した包摂化合物結晶について」『日本鉱物科学会年会講演要旨集』、日本鉱物科学会、2008年、107頁。
- Koichi Momma; et al. (2011). “New silica clathrate minerals that are isostructural with natural gas hydrates”. Nature Communications (Nature Publishing Group) 2. doi:10.1038/ncomms1196. ISSN 2041-1723 .
- 門馬綱一、池田卓史「新鉱物 千葉石(chibaite)について」『ゼオライト』第28巻第1号、ゼオライト学会、2011年、25-32頁、ISSN 0918-7774、NAID 40018752251。
- 門馬綱一「天然ガスを含む新鉱物「千葉石」とは? その可能性は?」『マテリアルステージ』第11巻第2号、技術情報協会、2011年、1-4頁、ISSN 1346-3926、NAID 40018844603。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 独立行政法人物質・材料研究機構 (2011年2月16日). “天然ガスを含む新鉱物『千葉石』”. プレスリリース. 2011年12月5日閲覧。
- 独立行政法人産業技術総合研究所 (2011年2月16日). “天然ガスを含む新鉱物『千葉石』”. プレスリリース等. 2011年12月5日閲覧。
- 高橋直樹 (2011年2月26日). “新鉱物「千葉石」の発見”. コラム. 日本地質学会. 2011年12月5日閲覧。
- 千葉県立中央博物館. “平成22年度トピックス展 「新鉱物発見!名前は「千葉石」!”. 企画展示. 2011年12月5日閲覧。