十三勢
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十三勢(じゅうさんせい)は、中国武術のひとつである太極拳の基本武功を表したもので、太極拳の8個の拳を打つ方向と、5つの歩行法、手・眼・体・歩行と心のあり方を説いたものである。十三勢は、武式太極拳の挙譜に記載されている[1]。武式太極拳の創始者・武兎襄が楊式太極拳の套路に基づいて改編したものだとされたことから、今まで重要視されてこなかった[1]。太極拳釋名(たいきょくけんしゃくめい)ともいい、楊式太極拳では「八門五歩」ともいう。
具体的には、掤(ほう)、捋(り)、擠(せい)、按(あん)、採(さい)、挒(れつ)、肘(ちゅう)、靠(こう)、進、退、顧、盼、定 の13であり、この中の「掤、捋、擠、按、採、挒、肘、靠」が八卦を表し、それぞれ「坎、離、震、兌、乾、坤、艮、巽」の四方斜めの方角にも対応している。
「進歩,退歩,左顧,右盼,中定」が五行を表し、それぞれ「水、火、木、金、土」に対応している。
八門五歩
[編集]楊式太極拳では「八門五歩」は、中国武術の伝統拳としての楊式太極拳の楊振鐸(永年楊氏四世)のもとに家伝として残され、楊澄甫の作と伝わる理論書『太極拳老譜三十二解』のひとつとされている。
掤「南」、捋「西」、擠「東」、按「北」、採「西北」、挒「東南」、肘「東北」、靠「西南」-方位。坎、離、克、震、巽、乾、坤、艮-八門。方位八門、乃為陰陽顛倒之理、周而復始、隨其所行也。總之、四正、四隅不可不知矣!
夫掤、捋、擠、按是四正之手、採、挒、肘、靠是四隅之手。合隅、正之手、得門、位之卦。以身分歩、五行在意、支撑八面。 五行、進歩「火」、退歩「水」、左顧「木」、右盼「金」、定之方中「土」也。
夫進退為水火之歩、顧盼為金木之歩、以中土為樞機之軸。懐藏八卦、脚跐五行、手歩八五、其数十三、出於自然。
十三勢也、名之曰「八門五歩」。 — 楊澄甫 伝、八門五歩
脚注
[編集]- ^ a b 陳崢『太極拳の源流を求めてー十三勢套路の発見ー』二玄社(原著2010-3-1)、18頁。ISBN 4544161037。