勝野ふじ子
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勝野 ふじ子(かつの ふじこ、本名:勝野フジノ、1915年 (大正4年) 3月5日 - 1944年 (昭和19年) 3月21日)は、日本の小説家。『九州文学』同人。鹿児島県立第二高等女学校卒業。
人物
[編集]鹿児島県薩摩郡入来村(現・薩摩川内市)生まれ。実父と実母の結婚が認められず、母方の祖父母の戸籍に入り彼らの娘として育てられる。入来尋常小学校卒業後、鹿児島県立川内高等女学校に進学。その1年後に鹿児島市の戸籍上の兄の元へ移り、鹿児島県立第二高等女学校へ転校。第二高等女学校では、文学好きな友人に恵まれ充実した学校生活を過ごす。1932年(昭和7年)に第二高等女学校を卒業。卒業後に小説を書き始める。その頃から肺結核を発症し、以後長年患う。
1939年(昭和14年)に甥とともに長崎県へ移りともに暮らす。そこで出会った『九州文学』へ、作品(「蝶」)を送って入会を希望し同人となる。『九州文学』に掲載された「蝶」は第9回芥川龍之介賞参考候補となるなど一定の評価をされる。
その後、病床や慕っていた『九州文学』同人・田中稻城(とうじょう)の死を経験し、 1944年 (昭和19年) 3月21日に逝去。
受賞・候補歴
[編集]- 1935年(昭和10年)、「異父妹」で鹿児島朝日新聞新年懸賞小説選外佳作。
- 1937年(昭和12年)、「小春日」で鹿児島朝日新聞新年懸賞小説3等入選。
- 1939年(昭和14年)、「蝶」(『九州文学』昭和14年7月号)が第9回芥川龍之介賞参考候補。
- 1942年(昭和17年)、「うしろかげ」(『九州文学』昭和16年10月号)が第5回「文藝推薦」候補。
全集
[編集]- 『勝野ふじ子小説全集』(1993年 K&Yカンパニー)
- 収録作品「蝶」「南國譚」「うしろかげ」「平田老人」「安とおさくの話」「老婆の記」「異父妹」「小春日」「薄暮」
出典
[編集]- 『郷土人系 下』(南日本新聞社・編 1970年 春苑堂書店)155頁
- 『鹿児島大百科事典』(1981年 南日本新聞社)「勝野ふじ子」
- 『新薩摩学 鹿児島の近代文学・散文編』(2009年 南方新社)「第二章 勝野ふじ子」(三嶽公子)
- 『勝野ふじ子小説全集』(1993年 K&Yカンパニー)解説(三嶽公子)