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動画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
動画像から転送)

動画(どうが・: moving image)は多義語で、古くはアニメーション(animation)の訳語として使われ(昭和生まれの人などは現在でもこの意味で使っており)[注釈 1]、 近年ではコンピュータなどの画像の中でも特に動きのあるものを指し[1]、 一部の研究者は論文上で「インターネットにおいて映像を媒体として情報を伝達するコンテンツを指すものとして呼ぶ」と勝手に宣言している[2]

概要

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静止画wikidataと対極の語であり、狭い定義では「動く画像」[3]、選択した静止画を順次切り替える「スライドショー」「紙芝居」とは異なり、連続して変化する静止画像を高速に切り替え続けると人間の視覚の錯覚として静止画が動いているように見えるベータ運動英語版を利用した表現様式(メディア)である。

辻泰明は論文上で「インターネットにおいて映像を媒体として情報を伝達するコンテンツを指すものとして呼ぶ」と勝手に宣言している[2])。 インターネット上で流される映像(連続的に動く写真)を「動画」と呼ぶようになったのは、主に2005年ころからである。特に2006年に登場したニコニコ動画が、そうした言葉づかいが広まるのに拍車をかけた。

歴史

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映画は学術的には、そして現在でも正しくは「映像」と呼ばれるものであるので、本項目には該当しない。映画の歴史については映画史を参照のこと。

アニメ

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コンピュータ画像のアニメーションの登場

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1987年6月15日にGIFアニメーションが登場した。コンピュータ上で、アニメーションを素朴にしたような、パタパタとした動きの動画を作成できるようになった。手描きのイラストを動かすこと(従来から動画と呼ばれていたもの)だけでなく、スチル写真をGif化した画像をパタパタと動かすこともできた。(このあたりで、スチル写真を動かすことまで「動画」と呼ぶ人が、現れ始めた。本当は写真なので「画」と呼ぶのはやや不適切なのだが、いちいち区別するのは面倒なので、まとめて「動画」と一部の人が呼び始めた)

関連項目

デジタルカメラの普及とJPEG映像撮影の一般化

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1990年代後半にデジタルカメラが普及した[4]

デジタルカメラは最初はスチル写真しか撮影できなかったが、やがてJPEG動画を撮影できる機種が増えていった。人々はJPEG形式の動画を撮りためるようになった。 当時のデジタルカメラの取扱説明書には、まだ「JPEG映像」と書かれている。当時はまだ「JPEG動画」とは呼ばれていなかった。

上述のように、スチル写真をGif化したものをすでに「動画」と呼ぶ人々がいたので、人々の間でデジタルカメラで撮影したJPEG映像を動画と呼ぶことに抵抗感はほとんど無くなっていたので、「映像」と呼ぶ人、「動画」と呼ぶ人、どちらも多い状態に変化した。

Webにおける映像の普及と動画

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パソコン上のメディアプレーヤーソフトウェア米国 VOAニュースを再生(VLCメディアプレーヤー

1990年に新しいメディアとしてWebが登場したが、当時のウェブのコンテンツは最初は文字ばかりであった(ハイパーテキスト)。それがやがて、ネットワーク環境とWebブラウザの発達により画像を含むようになった。当時のウェブの画像はあくまでスチル写真つまり静止画であり、映像ではなかった。

2005年ころからの「動画」という呼び方の普及

これが2005年前後には更に発展し、多様な動画共有サービスが登場した(例: YouTube 2005年、ニコニコ動画 2006年)。これにより「静止画じゃない、」という意味で「動画」という語がインターネットで広く用いられるようになった[5]。2007年頃には「動画」の語が頻繁に検索される状況になっていた[6]


コンピュータの動画

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動画圧縮

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コンピュータで動画像を扱う際に、編集により再生時間を減じる事無く、必要な記憶容量を減じる事を圧縮と言う。

圧縮には、元のデータに完全に復元できる可逆圧縮(Losslessとも呼ばれる)と、圧縮の段階で元のデータには復元できない処理を施す代わりに高い圧縮を行う非可逆圧縮(Lossyとも呼ばれる)がある。その中でも、特に動画に対しては動画(あるいはそれを視聴する人間)の持つさまざまな性質・特性を踏まえた特別なアルゴリズムによる圧縮が行われる場合が多い。その際に用いられる圧縮・展開(エンコード/デコード)を行うアルゴリズムプログラムのことを、特にコーデックと呼ぶ。

動画は多くの枚数の画像を連続的に扱わなければならず、ほとんどの動画は静止画と比べ、処理しなければならない情報量が圧倒的に大きい。また同時に、再生時においては多数の情報を(その本来の時間軸を損なう事なく)高速かつ連続的に処理を行うことも要求される。そのため、動画の圧縮アルゴリズムの多くは静止画のそれとは異なる圧縮技術、あるいは既存の圧縮技術にさらに他の圧縮技術を組み合わせた形で構成されている。

一般に静止画の圧縮は空間方向のみを考慮すれば良いが、動画圧縮の場合はそこに加え時間方向の情報も考慮した圧縮が行なわれる場合が多い(MPEGなど)。ただし、これらのアルゴリズムはラスタ画像を扱うことを前提としており、Flashムービー(.SWF)などで用いられるベクタ画像などには当てはまらない。

ファイルフォーマット

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動画を格納するファイルフォーマットとしては以下のものがある(括弧内は、Windowsにおけるファイル拡張子)。

デジタル化

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ビデオグラフィ

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ビデオグラフィ英語: videography)は、デジタルビデオカメラで、動画を撮影コンピュータ映像編集し、1つの動画像(映像作品)をつくる技術画法wikidata学問、表現方法、表現手段、表現形式のことである。

映画テレビドラマの撮影において、撮影開始を「クランクイン」、撮影終了を「クランクアップ」と呼ぶ。これは、カメラが手回し式だった頃の、手回しハンドル(クランク)に由来するとされる。

スタジオ内の撮影を「スタジオ撮影」「セット撮影」などと呼び、撮影所の外の屋外での撮影は「ロケーション撮影」または「オープン撮影」と呼ぶ。また、VFXを用いる映画ではブルーバック撮影(緑色を使う場合はグリーンバックと呼ばれる)などがある。

映画やビデオカメラの撮影においてはスチル写真にはない動きを伴うカメラワークパンマッチムーブカメラドリーズーム (映画製作)英語版ピント送りwikidataなど)による表現が可能になり、また、多くの場合、音声録音も必要とされてくる。また、撮影が終わった後で映像や音声の編集が必要である。編集にあたってはモンタージュの技法や、ナレーションの付加により、映像に一定の意味が与えられる。


脚注

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  1. ^ 日本語の「動画」は、アニメーター・映像作家の政岡憲三(1898年-1988年)が英語の「animation アニメーション」の訳語として考案・提唱したものが最初とされ、東映動画など「〜動画」という社名のアニメ会社も複数設立されるなど、あくまでアニメーションという意味だけで長らく使われてきた。

出典

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  1. ^ 精選版 日本国語大辞典 【動画】
  2. ^ a b "本稿では,動画という語を,インターネットにおいて映像を媒体として情報を伝播するコンテンツあるいはメディアを示すものとして扱い,場合により動画メディアあるいはインターネット動画と呼称する。" 辻 2022, p. 39 の特定論文内で、本人が本論文限定と断っている宣言より引用。辻本人も、自分の論文の外でこの意味を持っているとは考えていない。あくまで論文執筆の都合上、仮にそう呼ぶ、と宣言しているにすぎない。
  3. ^ 動画とは”. コトバンク. 2018年1月9日閲覧。
  4. ^ {{Cite web|url=https://www.kentfaith.co.jp/blog/article_%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB-%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9-%E3%81%84%E3%81%A4%E3%81%8B%E3%82%89_1251%7C
  5. ^ "動画という語は ... インターネット上の映像コンテンツや映像メディアを意味する語として用いられることが多くなったのは,2000 年代あたりからと推測される。" 辻 2022, p. 39 より引用。
  6. ^ "キーワードとしての「動画」の検索数は,2007 年頃に急増し" 辻 2022, p. 39 より引用。

参考文献

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  • 辻, 泰明 (2022). "動画の特性と社会". 情報の科学と技術. 72 (2): 38–43.

関連項目

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