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労働党 (イスラエル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イスラエルの旗 イスラエル政党
労働党
מפלגת העבודה הישראלית
ロゴ
党首 メラヴ・ミカエリ
成立年月日 1968年1月[1]
前身政党 マパイ[1][2][3]
アフト・ハアボダ英語版[1][3]
イスラエル労働者リスト英語版[1][3]
本部所在地 テルアビブ
クネセト
4 / 120   (3%)
(2022年11月1日)
政治的思想・立場 中道左派[4][5]
社会民主主義[2][3][6]
労働シオニズム[3]
二国家解決[7]
国際組織 進歩同盟[8]
社会主義インターナショナル[9]
公式サイト מפלגת העבודה
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イスラエル労働党(イスラエルろうどうとう、ヘブライ語: מפלגת העבודה הישראלית‎, ラテン文字転写: Mifleget ha-ʿAvoda ha-Yisraʾelit[6])は、イスラエル政党[1]党首メラヴ・ミカエリ英語版

概説

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20世紀初頭からパレスチナへのユダヤ人入植を先導してきた政治勢力である労働シオニズム社会主義シオニズム)の流れをくみ、建国後も長きにわたり与党として社会を主導してきた、イスラエル建国エスタブリッシュメント政党。パレスチナとの融和・共存を掲げる中道左派。新政党カディマ結成前は右派リクードと並ぶ、イスラエルの二大政党の一つ。同党の首相は国防相を兼任する慣習がある。軍部の出身者が多く、エフード・バラック元党首は元参謀総長である。シモン・ペレス元首相など3人の議員が労働党を離党してカディーマへ移った。

イツハーク・ラビン元首相が陣頭指揮を執った1992年第13回クネセト総選挙では驚異の44議席を獲得するものの、ラビンが1995年暗殺されて以来、同党は衰退の一途をたどっており、1996年第14回クネセト総選挙では34議席に減少、1999年第15回クネセト総選挙では政権を奪回するものの26議席に減少、2003年第16回クネセト総選挙では議席を更に下回り19に、2006年第17回クネセト総選挙でも横ばいの19議席となった。2009年2月に実施された第18回クネセト総選挙では、世論調査などから議席を一桁にまで減少させると見られていたが、2008年12月27日からのガザ侵攻で支持を伸ばし、13議席を獲得して議会第四党となった。同年選挙後、首相に指名されたネタニヤフと政策合意を交わし、党員投票の結果、賛成680対、反対507で執行部側が勝利したことにより同政権への参画を決定[10]

しかしながら政権への参画は、右派との協調を良しとしない党内の急進左派との間に軋轢を生む。党首のバラックは国防相として留任するものの左派との対立はその間に先鋭化し、2011年1月、ネタニヤフ政権との協調を優先するバラックやマタン・ヴィルナイ副国防相ら5人は同党を集団離党し、新党「独立 英語ヘブライ語」の結党に踏み切る[11]

2013年1月22日第19回クネセト選挙では「独立」の分裂でひと桁にまで減らしていた議席を15まで回復した。選挙後はネタニヤフ政権に加わらず、最大野党となった。

2024年5月、イスラエルのすべての左翼政党と団結してひとつのブロックになることを目標にしているヤイル・ゴランが労働党の新しい党首に選ばれた[12]

2024年7月、4議席の労働党とクネセトに議席を持たない政党メレツは合併して民主党になった[13][14]

政策

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労働党は、建国以来長らく政権を担ってきた。その中で、キブツなどを重視した社会主義的政策が労働党の中核でもあった。ところが、前述のとおり21世紀を迎えて以降は右派と協調することも多くなり、その中で右派政権の新自由主義政策を追認することもあった。ただ、ヤヒモビッチが党首になってからは、イスラエル国内で急速に増加しているワーキングプアについて警告するなどしており、今後、再び左派政党としての存在感を高められるかどうかが焦点となっている。

党首

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太字首相経験者

党首(מנהיגים 在任期間
1 レヴィ・エシュコルלֵוִי אֶשְׁכּוֹל 1968年 – 1969年
2 ゴルダ・メイアגולדה מאיר 1969年 – 1974年
3 イツハク・ラビンיצחק רבין 1974年 – 1977年
4 シモン・ペレスשמעון פרס 1977年 – 1992年
5 イツハク・ラビンיצחק רבין 1992年 – 1995年
6 シモン・ペレスשמעון פרס 1995年 – 1997年
7 エフード・バラックאהוד ברק 1997年 – 2001年
8 ベンジャミン・ベン=エリエゼル英語版بنيامين بن إليعازر, בנימין בןאליעזר 2001年 – 2002年
9 アムラン・ミツナ英語版עמרם מצנע 2002年 – 2003年
10 シモン・ペレスשמעון פרס 2003年 – 2005年
11 アミール・ペレツ英語版עמיר פרץ 2005年 – 2007年
12 エフード・バラックאהוד ברק 2007年 – 2011年
13 シェリー・ヤヒモビッチשלי יחימוביץ׳ 2011年 – 2013年
14 イツハク・ヘルツォグיצחק הרצוג 2013年 – 2017年
15 アビ・ガベイ英語版אברהם (אבי) גבאי 2017年 – 2019年
16 アミール・ペレツ(עמיר פרץ 2019年 – 2021年
17 メラヴ・ミカエリ英語版 2021年 – (現職)

選挙結果

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クネセト

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選挙 党首 得票数 % 議席数 +/– 地位
1969 ゴルダ・メイア Alignmentの一部として
49 / 120
与党
1973
44 / 120
減少 5 与党
1977 シモン・ペレス
28 / 120
減少 16 野党
1981
40 / 120
増加 12 野党
1984
37 / 120
減少 3 与党
1988[注釈 1] 685,363 30.02 (#2)
39 / 120
増加 2 与党(1988–1990)
野党(1990–1992)
1992 イツハク・ラビン 906,810 34.65 (#1)
44 / 120
増加 5 与党
1996 シモン・ペレス 818,741 26.83 (#1)
34 / 120
減少 10 野党
1999 エフード・バラック en:One Israelの一部として
23 / 120
減少 11 与党(1999–2002)
野党(2002–2003)
2003[注釈 2] en:Amram Mitzna 455,183 14.46 (#2)
18 / 120
減少 5 野党(2003–2005)
与党(2005)
野党(2005–2006)
2006[注釈 2] en:Amir Peretz 472,366 15.06 (#2)
18 / 120
増減なし 与党
2009 エフード・バラック 334,900 9.93 (#4)
13 / 120
減少 5 与党(2009–2011)
野党(2011–2013)
2013 en:Shelly Yachimovich 432,118 11.39 (#3)
15 / 120
増加 2 野党
2015 イツハク・ヘルツォグ en:Zionist Unionの一部として
19 / 120
増加 4 野党
Apr 2019 en:Avi Gabbay 190,870 4.43 (#6)
6 / 120
減少 13
Sep 2019[注釈 3] en:Amir Peretz 212,782 4.80 (#9)
5 / 120
減少 1
2020 en:Labor-Gesher-Meretzの政党連合の一部として
3 / 120
減少 2 与党[注釈 4]
2021 en:Merav Michaeli 268,737 6.09 (#6)
7 / 120
増加 4 与党
2022 175,922 3.69 (#10)
4 / 120
減少 3 野党
  1. ^ Alignmentを構成する唯一の政党として
  2. ^ a b en:Meimadとの政党連合の一部として
  3. ^ Gesherとの政党連合の一部として
  4. ^ 労働党の議員のen:Amir Peretzen:Itzik Shmuliは与党に参加したがen:Merav Michaeliは与党に参加しなかった.

総理大臣の直接選挙

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選挙 候補者 得票数 % 結果
1996 シモン・ペレス 1,471,566 49.5 (#2) 敗北
1999 エフード・バラック 1,791,020 56.1 (#1) 勝利
2001 エフード・バラック 1,023,944 37.6 (#2) 敗北

この制度は廃止された。

脚注

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  1. ^ a b c d e イスラエル労働党 イスラエルろうどうとう Israel Labour Party”. コトバンク. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. 2019年9月22日閲覧。
  2. ^ a b イスラエル労働党【イスラエルろうどうとう】”. コトバンク. 百科事典マイペディア. 2019年9月22日閲覧。
  3. ^ a b c d e Labor Party - parties” (英語). The Israel Democracy Institute. Israel Democracy Institute. 2019年9月22日閲覧。
  4. ^ Cheryl Rubenberg (2003). The Palestinians: In Search of a Just Peace. Lynne Rienner Publishers. p. 410. ISBN 978-1-58826-225-7. https://books.google.com/books?id=NmXBmOGbHL4C&pg=PA410 
  5. ^ Sharon Weinblum (2015). Security and Defensive Democracy in Israel: A Critical Approach to Political Discourse. Routledge. p. 10. ISBN 978-1-317-58450-6. https://books.google.com/books?id=8DtyBgAAQBAJ&pg=PR10 
  6. ^ a b The Editors of Encyclopaedia Britannica. “Israel Labour Party Elections, History, & Facts” (英語). britannica.com. ブリタニカ百科事典. Encyclopædia Britannica, Inc.. 2019年9月22日閲覧。
  7. ^
  8. ^ Parties & Organisations”. progressive-alliance.info. Progressive Alliance. 2019年9月22日閲覧。
  9. ^ Socialist International - Progressive Politics For A Fairer World”. socialistinternational.org. 社会主義インターナショナル. 2013年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月22日閲覧。
  10. ^ Labour backs Netanyahu coalitionBBC・NEWS,2009年3月24日
  11. ^ Barak: New faction to be 'centralist, Zionist, democratic'JERUSALEM・POST,2011年1月17日
  12. ^ Yair Golan wins landslide victory in Labor primary with promise to unite the left”. times of israel (2024年5月28日). 2024年9月22日閲覧。
  13. ^ Labor and Meretz Merge to Form “The Democrats”—Consequences and Implications”. The Israel Democracy Institute (2024年7月4日). 2024年9月17日閲覧。
  14. ^ Labor, Meretz delegates to approve merger in Tel Aviv convention”. エルサレム・ポスト (2024年7月11日). 2024年9月22日閲覧。