割れ目噴火
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割れ目噴火(われめふんか、英語: fissure eruption)は、地表に生じた線状の割れ目から、大量のマグマが噴出される噴火である。裂け目噴火(さけめふんか)あるいは線状噴火(せんじょうふんか)とも[1][2][3]。
概要
[編集]地面に長い線状の亀裂を生じ、そこから一斉にマグマ(溶岩)を噴出するような噴火で、アイスランドやハワイなどで発生しやすい[4]。このようなタイプの噴火では、流動性に富んだ玄武岩質の溶岩が大量に噴出される[5]。通常は、爆発的な活動なしに溶岩が噴出する線状の火山噴火である。多くの場合、通気口の幅は数メートルほどであるが、割れ目の長さは数百 mから数十 kmに達することもあるという。なお、溶岩の粘度が高い場合は割れ目はきれいにはならず、溶岩ドームのような丸まった形で地盤の変形を起こす。
事例
[編集]過去に発生した割れ目噴火として著名なものは、1783年に起きたアイスランドのラキ火山の噴火(ラカギガル割れ目噴火)である[6]。この時の噴火では、地下水がマグマに触れて水蒸気爆発が発生し、長さ26 kmにわたり130もの火口が誕生した。このため、割れ目噴火を指してアイスランド式噴火と呼称する場合もある[7]。
日本でも、1983年(昭和58年)の三宅島の噴火や、1986年(昭和61年)の伊豆大島三原山の噴火などで、この割れ目噴火が発生している[8]。
割れ目火山について
[編集]脚注
[編集]- ^ 百科事典マイペディア. “裂け目噴火とは”. コトバンク. 2022年2月5日閲覧。
- ^ “われめふんか【割れ目噴火】 | わ”. 学研キッズネット. 辞典. 2023年9月1日閲覧。
- ^ 岩石学辞典. “線状噴火とは”. コトバンク. 2022年2月5日閲覧。
- ^ a b “割れ目噴火”. 2020年11月2日閲覧。
- ^ 小項目事典,百科事典マイペディア,日本大百科全書(ニッポニカ),デジタル大辞泉,世界大百科事典内言及, 岩石学辞典,ブリタニカ国際大百科事典. “割れ目噴火とは”. コトバンク. 2022年2月5日閲覧。
- ^ “Grímsvötn volcano”. 2020年11月2日閲覧。
- ^ 百科事典マイペディア. “アイスランド式噴火とは”. コトバンク. 2022年2月5日閲覧。
- ^ 阿部勝征, 高橋正義「35A. 1986年 伊豆大島カルデラ床割れ目噴火の推移 : 写真解析 : 日本火山学会1987年度春季大会」『火山.第2集』第32巻第2号、日本火山学会、1987年、166-167頁、doi:10.18940/kazanc.32.2_166_2、NAID 110002993487、2021年6月20日閲覧。