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利用者:Zhang Mao/sandbox

SCOAP3

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Sponsoring Consortium for Open Access Publishing in Particle PhysicsSCOAP3)は、高エネルギー物理学分野において、伝統的な購読モデルの学術雑誌を誰もが閲読、再利用できるオープンアクセス雑誌に転換するための国際的連携のことである。SCOAP3によって出版された論文は、著者が著作権を保持したまま、CC-BYライセンスに基づき出版される。

対象誌

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2012年、SCOAP3は12の購読モデル学術雑誌に掲載された高エネルギー物理学の論文をオープンアクセスにする協定を結んだ。これは、2014年の高エネルギー物理学の雑誌の90%をカバーしている。[1][2] これらのうち、アメリカ物理学会が発行する2タイトル(Physical Review C及びPhysical Review D)は、のちにSCOAP3から脱退した。[3][4][5]

対象誌は入札によって決定されている。対象誌を入札で選定することで、掲載料の高騰を抑える効果があると考えられている。[6]

以下の10の雑誌が、現在SCOAP3に参加しており、年間4000本を超える論文を出版している。[7]

SCOAP3対象誌[8]
タイトル 出版社 HEP論文率 APC額[9]
Nuclear Physics B Elsevier 100% 1800USD
Physics Letters B Elsevier 100% 2000USD
Advances in High Energy Physics Hindawi 100% 1000USD
Chinese Physics C Institute of Physics Publishing 7.2% 1000GBP
Journal of Cosmology and Astroparticle Physics Institute of Physics Publishing 30.9% 1400GBP
New Journal of Physics Institute of Physics Publishing 2.7% 1200GBP
Acta Physica Polonica B Jagellonian University 22.1% 500EUR
Progress of Theoretical Physics
(後継誌:Progress of Theoretical and Experimental Physics
Oxford University Press
Physical Society of Japan
36.2% 1000GBP
European Physical Journal C Springer 100% 1500EUR
Journal of High Energy Physics Springer 100% 1200EUR

仕組み

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SCOAP3は、従来図書館が支払っていた購読料を掲載料(Article Processing Charge : APC)に振り替えることで、著者の負担なしにオープンアクセスを実現する。参加している研究機関等はこれまで支払っていた購読料をCERNに拠出する。

参加国・機関

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各国では通常、一つまたはいくつかの図書館コンソーシアム、資金提供機関、研究機関が国内の調整を行っている。44の国と3の国際研究機関(欧州原子核研究機構, 国際原子力機関, ドゥブナ合同原子核研究所)がメンバーとなっている。[10]

日本国内の動向

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日本では、2011年8月31日に国立情報学研究所高エネルギー加速器研究機構国公私立大学図書館協力委員会が関心表明(Expression of Interest: EoI)に署名。

2013年12月4日には国立情報学研究所が国内機関を代表して了解覚書(Memorandum of Understanding : MoU)に署名した。[11]

References

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  1. ^ van Noorden, R. (24 September 2012). “Open-access deal for particle physics”. Nature 489 (7417): 486. Bibcode2012Natur.489..486V. doi:10.1038/489486a. http://www.nature.com/news/open-access-deal-for-particle-physics-1.11468. 
  2. ^ van Noorden, R. (10 January 2014). “Particle-physics papers set free”. Nature 505 (7482): 141. Bibcode2014Natur.505..141V. doi:10.1038/505141a. http://www.nature.com/news/particle-physics-papers-set-free-1.14473. 
  3. ^ SCOAP3 Journals: APCs and articles”. SCOAP3. 2016年2月14日閲覧。
  4. ^ Summary of Executive Board discussion and actions on Open Access and SCOAP3 at June 18/19, 2013 meeting”. American Physical Society. 2014年9月11日閲覧。
  5. ^ 米国物理学会がSCOAP3から離脱、Physical Reviewシリーズの2誌がSCOAP3対象外に”. カレントアウェアネス・ポータル (2013年6月25日). 2016年2月14日閲覧。
  6. ^ 野崎光昭「新しい学術ジャーナル出版システムSCOAP3 高エネルギー物理学における試み」『情報管理』第56巻第2号、社団法人日本物理学会、2013年、78-83頁、doi:10.1241/johokanri.56.78NAID 130003360672 
  7. ^ SCOAP3 Repository”. scoap3.org. 2016年2月14日閲覧。
  8. ^ 国際学術情報流通基盤整備事業 │ SCOAP3”. 2016年2月14日閲覧。
  9. ^ SCOAP3 Journals: APCs and articles”. 2016年2月14日閲覧。
  10. ^ Current partners”. scoap3.org. 2016年2月14日閲覧。
  11. ^ 国際学術情報流通基盤整備事業 │ SCOAP3”. 2016年2月14日閲覧。

外部リンク

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