数学において二年生の夢(にねんせいのゆめ、英: sophomore's dream)とは、1697年に数学者ヨハン・ベルヌーイが発見した以下の恒等式(特に1つ目)を指すときの名称として用いられる。
"二年生の夢"という名称は、誤った等式として共に有名な"一年生の夢"とは対照的に付けられたものである。共に簡潔な等式であるという共通点を持つが、一年生の夢は常に成り立たない[1]のに対し、二年生の夢は常に成り立つ。
2つ目の等式を導出する。1つ目の等式も2つ目と同様に導出が可能である。
等式の左辺の被積分関数を変形する。
よって、左辺は以下のように表せる。
冪級数の一様収束性より、左辺の積分と総和を以下のように交換できる。
ここで、について、とおく(置換積分)と、次の式が得られる。
第二種オイラー積分より、
なので、
である。したがって左辺は、
となる。総和のn=0をn=1となるよう変形すれば、左辺は右辺に一致し、よって式は導出される。
- ^ ただし、素数pを法とした場合
は等式が成り立つ。