利用者:Yochiu0516/sandbox
『IU HEREH WORLD TOUR CONCERT』は、韓国の女性歌手IUが2024年に開催したワールドツアーである。
概要
[編集]2024年3月2日から、ソウルを皮切りに横浜、台北、シンガポール、ジャカルタ、香港、マニラ、クアラルンプール、ロンドン、ベルリン、バンコク、大阪、ニューアーク、アトランタ、ワシントンD.C、ローズモント、オークランド、ロサンゼルスといった18都市全29公演を行った。
コンサートツアーとしては、2019年の「Love,poem」以来5年ぶり。ワールドツアーとしてはデビュー後初であり、IUにとって最大規模のツアーとなった。
9月21日と22日にはアンコール公演「2024 IU HEREH WORLD TOUR CONCERT ENCORE : THE WINNING」をソウルワールドカップ競技場で開催。
ソウルワールドカップ競技場での単独公演は、韓国の女性ソロ歌手としては史上初。ワールドツアーを通じて国内外での人気を証明し、18都市、アンコール公演を含めた31公演で、約52万人の観客を動員した。
また公演最終日となる9月22日は、IUにとって通算100回目の単独公演となった。
ツアータイトルの"HEREH"は、「Hypnotic」「Energetic」「Romantic」「Ecstatic」「Heroic」の5つの頭文字からなり、一部の公演では"H.E.R. "と表記されていた。
公演が終わると、ファン主導によるスローガンイベントや合唱イベントが各地で行われた。ダブルアンコールのステージの多くが、会場のファンによるリクエスト楽曲の中から披露された。
IUの韓国公演では会場を訪れるファンのために、IUの母が観客全員分の座布団を実費でプレゼントしていることが知られている。今ツアーでは日本を含む海外公演でも、IUの母が制作したキーホルダー、トレカ、トレカケースが来場者全員に配布された[1]。
また、9月21日と9月22日のソウルでのアンコール公演では、座布団だけでなく双眼鏡も配布された。双眼鏡は『The Winning』のコンセプトにあったアイテムでもあり、遠くの席から公演を観覧するファンがIUを少しでも近くで見てほしいという意味だけでなく「私たちが設定するように焦点が合う望遠鏡のように、私たちが望むところに焦点を当て、私たちだけの目標を持っているようになればたくさん発見してたくさん勝ち取ってほしい」という意味を込めたと話した。
日本公演
[編集]2012年3月にシングル『GoodDay(Japanese Version)』で日本メジャーデビューを果たし、精力的に日本活動を行った。2016年1月にディファ有明でファンミーティングを開催。2022年には女優として映画『ベイビー・ブローカー』の来日舞台挨拶で来日したが、歌手として日本での単独公演は12年ぶりとなった。
2024年3月23日と3月24日に横浜アリーナで開催[2]。冒頭のMCで「日本での公演は12年ぶりですね。長い間待たせてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです」と話したIU。横浜2日目では、初日の公演を振り返り「終始涙が出てしまいそうだった、それくらい感動的だった」と心の内を明かし、この感動を母にショートメールで伝えた際には「みんなありがたいね。12年ぶりに会いにきた昔の友達を覚えていてくれて」と返信があったと話した。MCでは流暢な日本語を披露し、観客を沸かせた。
12年前の日本の観客は本当に静かで集中力が最高だったが、今の日本の観客は曲中の盛大な拍手や熱狂的なシンガロングとエネルギーが加わり、IUは感謝と感激を伝えた。観客からの大きな拍手や、終演を匂わせた際の「えー!?」と残念がる歓声などを「日本公演でしか聞くことができない豊かな音」と表現し、「ほかの歌手が好きでも大丈夫。ほかの歌手のコンサートに行くのは大丈夫。でもほかの歌手の公演で歌を一緒に歌うの、ダメ。それと1番が終わって拍手をするのも禁止! これは私のコンサートでだけですよ、約束してください!」と独占欲を見せた。
公演VCRでは、日本のファンが準備した新横浜駅の屋外電光掲示板広告に直接訪問するIUの映像が流れた。ダブルアンコールでは、1日目に「Lilac」、「Beautiful Dancer」、「Palette」が、2日目に「Give You My Heart」、「Someday」、「一日終わり」、「Epilogue」を歌唱。特に「Beautiful Dancer」は2013年に日本で発売したミニアルバム『Can You Hear Me?』のタイトル曲であり、準備してきたアコースティック・バージョンで披露し、会場の雰囲気を最高潮に導いた[3]。
2024年7月6日と7月7日にAsueアリーナ大阪で開催。大阪公演はチケットの申し込みが殺到し、選ばれた観客は会場を埋め尽くしてIUと共に2日間プレミアムな夜を過ごした。IUが登場すると割れんばかりの大歓声がAsueアリーナ大阪中を包み込んだ[4]。
オープニングを飾る「Holssi」では再び現地のキッズダンサーと愛らしいケミストリーをみせ、自身のヒット曲で満たされたセットリストを披露。ファンは全曲を韓国語で大合唱し、公式の掛け声のないパートでもポイントを生かして一緒に歌った。
ダブルアンコールでは、1日目に「Give You My Heart」、「Dear Name」、「Voice-mail」、「Hey」、「Palette」が、2日目に「Good Day (Japanese Version)」、「Someday」、「赤い靴」、「Knees」、「Palette」を歌唱。特に「Voice-mail」は、IUの自作曲であり、2013年に発売したIUの初の日本でのミニアルバムの収録曲で、同年10月に発売された3rdフルアルバムに韓国語バージョンで収録された曲であり、現場の反応はさらに熱いものだった。また「Good Day」は、ファンの大合唱イベントに応えてIUが日本語バージョンで短く披露した[5]。日本公演だけのパフォーマンスということもあり、観客からは大きな歓声が上がった[6]。
記憶に残ったエピソードとして、公演会場に来る途中に、路上にファンの方々を数人見かけ、その中に本当にずっと前に日本で活動をした時、私の写真を撮りに時々来てくださった方がいたことを明かした。「いつも笑顔で駆けつけて私をカメラで撮ってくださった方だったが、その方に久しぶりに会った。今日は写真は撮らずに大声で『IU、本当に久しぶり』と私に言ってくださった」と振り返り、IUは「『I stan U』を歌いながら、あの方はどんな理由でこんなふうに長い時間、私の観客になってくれるのだろうかと思った。私がこのように久しぶりに大阪に公演しに来たのに、その気持ちを守ってくださるのがとても涙が出るように、とてもありがたかった。頻繁に歌いに来られない歌手だが、ずっと私にこんなふうに会いに来てくださって、みんなにとても感謝している」と涙ぐみながら話した[7]。
その他
[編集]IUはいくつかの都市での公演で、現地アーティストのカバー曲を準備し、本公演のセットリストに含めた。
台北公演ではAccusefiveの「The One and Only」、香港公演ではMAJOR IN MINORの「一人之境」、マニラ公演ではSunKissed Lolaの「Pasilyo」を披露した。 ロンドン公演ではCorinne Bailey Raeの「Like A Star」を披露した。IUがデビュー当時からCorinne Bailey Raeを好きな歌手と挙げており、これまで何度か弾き語りで同曲を披露したことがあった。 バンコク公演ではNont Tanontの「รักแรก(First Love)」を披露した。 「รักแรก(First Love)」はこれまで準備したカバー曲の中で発音するのが一番難しかったという。
アトランタ公演では、ブルーベリーが特産物ということもあり、「strawberry moon」を「blueberry moon」として歌詞を変更して披露した。舞台の背景もイチゴ色ではなくブルーベリー色の青い月を浮かべた。
チケット
[編集]- 横浜公演と大阪公演はどちらも抽選方式で販売された。チケット料金は一律15000円。機材席も開放され、後日発売された。
- 3月6日、台北公演のチケットが開始1分で、両日2万席に達する座席がすべて完売した。チケット販売が行われたプラットフォームであるKKTIX内最高記録であり、70万人がチケット争奪戦に参加したとされている。
- 3月7日、アメリカの6都市公演チケットが10分で全席完売となった。待機人員は各都市ごとに少しずつ異なっていたが、最低4万人から最大6万人に達した。
- 3月8日、インドネシアのジャカルタ公演チケットは約63万人の同時接続者数を記録し、全席完売となった。
- 3月15日、シンガポール公演チケットは当日全席完売を記録した。
- 3月26日、マレーシアのクアラルンプール公演チケットは、約82万人の同時接続者数を記録して全席完売となった。 アクセス数が多くサーバーが1時間ほど麻痺し、緊急サーバーの回復作業まで行われた。
- 3月30日、タイのバンコク公演チケットは当日全席完売を記録し、サーバーが麻痺して緊急復旧作業が行われた。
- 4月10日と15日にそれぞれ先前売りと一般前売りが行われた香港の公演チケットも全席完売を記録した。
- 4月15日、イギリスのロンドン公演チケットは開始30分で全席完売となった。
- 4月28日、今回の海外ツアーの中で最大の収容人数となったフィリピンのマニラ公演チケットも当日全席完売を記録した。4万余席に達する膨大な規模にも全席が完売すると、追加席を開放した。
- 韓国メロンチケットの2024年年間ランキングコンサートのフェスティバル部門で、1位と2位を占めた。1位はソウルワールドカップ競技場で開催されたアンコールコンサートで、2位はKSPO DOMEで開催されたソウルコンサートだった。
スケジュール
[編集]日時 | 都市 | 会場 | 観客動員数 | |
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2024年 | 3月2日 | ソウル | KSPOドーム | 60,000人[8] |
3月3日 | ||||
3月9日 | ||||
3月10日 | ||||
3月23日 | 横浜 | 横浜アリーナ | — | |
3月24日 | ||||
4月6日 | 台北 | 台北アリーナ | 24,000人[9] | |
4月7日 | ||||
4月20日 | シンガポール | シンガポール・インドア・スタジアム | 17,400人[10] | |
4月21日 | ||||
4月27日 | ジャカルタ | ICE BSD HALL 5-6 | ||
4月28日 | ||||
5月25日 | 香港 | ASIAWORLD-ARENA | ||
5月26日 | ||||
6月1日 | マニラ | フィリピン・アリーナ | 37,000人[11] | |
6月8日 | クアラルンプール | AXIATA ARENA | — | |
6月9日 | ||||
6月21日 | ロンドン | OVOアリーナ・ウェンブリー | 10,000人[12] | |
6月22日 | ベルリン | ウーバー・アレーナ | — | |
6月29日 | バンコク | Impact Challenger Hall 1 | — | |
6月30日 | ||||
7月6日 | 大阪 | Asueアリーナ大阪 | — | |
7月7日 | ||||
7月15日 | ニューアーク | プルデンシャル・センター | — | |
7月19日 | アトランタ | ステートファーム・アリーナ | — | |
7月22日 | ワシントンD.C. | キャピタル・ワン・アリーナ | — | |
7月25日 | ローズモント | オールステート・アリーナ | — | |
7月30日 | オークランド | オークランド・アリーナ | — | |
8月2日 | ロサンゼルス | キア・フォーラム | 10,000人[13] | |
9月21日 | ソウル | ソウルワールドカップ競技場 | 100,000人[14] | |
9月22日 |
映画
[編集]IU CONCERT: THE WINNING | |
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監督 | イ・イェジ、オ・ユンドン |
出演者 | IU |
配給 | CGV ICECON, CJ 4DPLEX |
公開 | 2025年1月24日(予定) |
上映時間 | 124分 |
製作国 | 韓国 |
言語 | 朝鮮語 |
前作 | IU CONCERT: THE GOLDEN HOUR |
『IU CONCERT: The Winning』(アイユー コンサート: ザ ウィニング)は、2024年9月21日から9月22日までソウルワールドカップ競技場で開催された公演、IUにとって100回目の公演の模様をシネマティック・カットしたコンサート実況映画である[15]。2025年1月24日に韓国で公開予定。
今作は2D上映、IMAX、SCREENX、4DX、ULTRA 4DXなどすべての形式で上映される予定である。これらすべての形式で上映されるのは韓国のコンサート実況映画として初。
脚注
[編集]- ^ Inc, Natasha. “【ライブレポート】IUの12年ぶり日本公演が開幕、3時間超のライブで再会「いただいた力で、私はずっとずっと歌を歌える」(写真10枚)”. 音楽ナタリー. 2025年1月1日閲覧。
- ^ “IU、12年ぶりの日本単独ライブ開催 ハイトーンボイス全開&流暢な日本語にファン熱狂<2024 IU H.E.R. WORLD TOUR CONCERT IN YOKOHAMA> - モデルプレス”. モデルプレス - ライフスタイル・ファッションエンタメニュース (2024年2月28日). 2025年1月1日閲覧。
- ^ “IUがワールドツアー2番目の都市である横浜単独コンサートを盛況のうちに終えた。IUは23日と24日の2日間、日本の横浜アリーナで開催された「2024 IU H. E. R. WORLD TOUR CO.. - MK”. 매일경제 (2024年3月25日). 2025年1月1日閲覧。
- ^ “【オフィシャルレポ】~ IU ~ 12年振りの日本公演の締めくくり!大阪公演、大盛況のうちに終了 – 韓ペン~Kanpen~”. 2025年1月1日閲覧。
- ^ “IU、横浜に続き大阪でのコンサートも成功裏に終了…日本ファンとの思い出を語る”. Kstyle (2024年7月8日). 2025年1月1日閲覧。
- ^ ““韓国の歌姫”IUが大阪公演開催!日本語でファンと交流し再会を約束、来場者全員に特別プレゼントも/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online (2025年1月1日). 2025年1月1日閲覧。
- ^ “歌手IU(アイユー)、11年前に知り合った日本のファンを思い涙。「その気持ちを守ってくれてありがとう」 - Hwaiting!/ファイティン!”. hwaiting.me (2024年10月8日). 2025年1月1日閲覧。
- ^ “아이유 “71세까지 체조 채우는 게 꿈”…첫 월드투어 6만명과 포문” (朝鮮語). 동아일보 (2024年3月11日). 2024年12月4日閲覧。
- ^ “IU gave a message of consolation to fans affected by the strong earthquake in Taiwan while completin.. - MK” (英語). 매일경제 (2024年4月8日). 2024年12月4日閲覧。
- ^ Benson Ang (2024年4月21日). “Concert review: Singapore students perform with IU at K-pop star’s concert”. straitstimes. 2024年12月4日閲覧。
- ^ “IU Delivers Unforgettable Show in Manila, Promises to Return Soon” (朝鮮語). 한국아이닷컴 (2024年6月3日). 2024年12月4日閲覧。
- ^ Maggiegogler (2024年6月23日). “IU at OVO Arena Wembley: A Theatrical Musical Feast” (英語). VIEW OF THE ARTS. 2024年12月4日閲覧。
- ^ “Dubbed the 'Taylor Swift of K-pop,' IU caps first world tour in L.A.” (英語). Los Angeles Times (2024年8月5日). 2024年12月4日閲覧。
- ^ “뉴스 : 네이버 엔터”. m.entertain.naver.com. 2024年12月4日閲覧。
- ^ WoW!Korea. “【公式】IUのコンサート映画「IU CONCERT : The Winning」、来年1月にCGV公開確定(WoW!Korea)|dメニューニュース”. topics.smt.docomo.ne.jp. 2025年1月1日閲覧。
外部リンク
[編集]- IU 2024 HEREH WORLD TOUR CONCERT IN YOKOHAMA- mahocast
- IU 2024 HEREH WORLD TOUR CONCERT IN OSAKA - iTONY ENTERTAINMENT