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利用者:Thomas-h/sandbox

凍結手術(とうけつしゅじゅつ、: Cryosurgery)は、生体の組織を凍結させると壊死する機序を利用した治療方法である。凍結治療(とうけつちりょう)、凍結凝固(とうけつぎょうこ、: Cryoablation)、凍結療法(とうけつりょうほう、: Cryotherapy)とも呼ばれる。

イボに対する凍結手術は標準的治療であり、健康保険を適用できる。

小径腎癌に対しては、腎癌診療ガイドライン2011年版では、「全身状態や合併症のため根治的な治療が困難な場合に推奨される(推奨グレードC1:エビデンスは十分とはいえないが、日常診療で行ってもよい)」となっている[1]健康保険を適用できる。

その他、網膜剥離に対する凝固術、心房細動の手術治療にも使用されている。

沿革

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組織を凍結して治療したのは19世紀中頃の英国のJames Arnottと言われている[2]。その後、液体窒素を寒材として利用して冷却能力を向上させ、寒材を灌流させるプローブ形状の凍結子も登場した。その結果、皮膚前立腺腔、肛門部周囲等の疾患へ、対象が広がった[3]。しかし、国内においては、他の治療方法が優れるようになり、皮膚疾患、心房細動網膜剥離等の限られた疾患への使用が続けられていた。一方、欧米では、皮膚疾患だけでなく、超音波診断装置を併用し、前立腺癌に対して会陰部から経皮的に凍結子を穿刺して凍結する手術、肝癌に対して開腹下で穿刺して凍結する手術がなされるようになり、腹腔鏡技術が導入されると、腎癌に対して腹腔鏡下で穿刺して凍結する手術がなされるようになった。

日本では、1995年、京都府立医科大学泌尿器科から、腎癌に対して超音波ガイド下で経皮的に凍結子を穿刺して凍結した治療が報告されている[4]。文献報告された世界初の腎癌に対する経皮的凍結手術であろう。 凍結された領域は、X線CTMR画像診断装置によっても立体的に把握できる。大型画像診断機器が一般化し、それらを併用した経皮的な凍結治療が、海外で、腎[5]・骨[6]の腫瘍を対象に実施されるようになった。ちなみに、MR画像診断装置により凍結域が非常に明瞭に確認できることを発見したのは、文献によれば、浜松医科大学(当時)礒田が最初であろう[7]

2010年1月、小径腎癌を対象とした冷凍手術器が日本で薬事承認され、2011年7月から小径腎癌凍結治療に保険も適用されるようになった。

適応

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皮膚疾患

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国内・欧米においてイボ等を対象に一般的に使用されている。

心房細動

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心房細動の手術であるMaze手術において使用されている。

小径腎癌

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国内・海外において使用されている。 保険を適用することができる(手術料 K773-4 腎腫瘍凝固・焼灼術(冷凍凝固によるもの))。

特徴[8]

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  • 凍結された組織を画像診断装置で確認しながら治療ができる。
  • 凍結中、痛みが少ない。
  • 局所麻酔下で実施可能な低侵襲治療であり、入院期間が短い。
  • 高齢や別の疾患を持つなど、手術困難な場合でも、凍結手術の可能性を検討できる。
  • 腎機能を温存できる。
  • 再発・残存した場合でも繰り返し治療できる。

欠点

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  • エビデンスが十分とは言えない[9]

その他

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国内では、施設によっては、以下の疾患に対して、試験的な診療、あるいは、保険外診療(自由診療)で治療が行われている。

骨腫瘍肝癌乳癌肺癌血管奇形癌性疼痛


外部リンク

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腎癌等の腫瘍を経皮的に凍結治療できる施設(Web公開中、又は、雑誌掲載された施設)

北海道エリア

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東北エリア

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関東エリア

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中部エリア

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関西エリア

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四国エリア

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九州エリア

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脚注

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  1. ^ 日本泌尿器科学会編; 腎癌診療ガイドライン 2011年版; 金原出版; 2011
  2. ^ Aenott J; The remedial efficacy of a low or anaesthetic temperature; Lancet; 2; 257; 1850
  3. ^ Gage A; History of cryosurgery; Seminars in Surgical Oncology; 14(2)99-109; 1998
  4. ^ Uchida M, et al; Percutaneous cryosurgery for renal tumours; British Journal of Urology; 75; 132-137; 1995
  5. ^ Maybody M; An overview of image-guided percutaneous ablation of renal tumors; Seminars in interventional radiology; 27(3)261-267; 2010
  6. ^ Gangi A, Buy X; Percutaneous bone tumore management; Seminars in interventional radiology; 27(2)124-136; 2010
  7. ^ 礒田治夫;MRI・CTによるCryosurgery後の経時的検討Ⅰ-ファントム実験-; 日本医学放射線学会誌; 49; 1096-1101; 1989
  8. ^ 企画協力 原田潤太、隅田幸男; 低侵襲性治療として期待される凍結治療の展望; インナービジョン; 5月号; 2003
  9. ^ 日本泌尿器科学会編; 腎癌診療ガイドライン 2011年版; 金原出版; 2011