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動物よけ(どうぶつよけ)とは、動物に忌避行動をとらせることを目的とした物などの総称である。また、そのような薬剤は忌避剤(きひざい、英語: repellent)という[1]。
害獣よけ
[編集]害獣や動物を畑や道路、鉄道に近寄らせないように、電気柵、嫌がる臭いや音(高周波、低収音)、光、動物駆逐用煙火などが利用される[2][3][4][5]。
動物ごとに対処が異なり、イノシシよけに、クレオソート油、木酢液、オオカミなどの猛獣の糞尿、イノシシの体液などは効果がない[6]が、オオカミの尿には一部の動物(サル[7]や鹿[8])に忌避効果があるとされる。
- クマ
- クマよけスプレーや、大きな音を出すラジオ、鈴などが使われる。
- サメ
- 効果が疑問視されているがシャークシールドという電場によって近寄らせない方法[13]や、化学生態学的にサメが近寄らなくなるサメ忌避剤などがある。カレイの仲間のウシノシタという魚類は、サメを忌避させる物質を分泌する[14]。
鳥よけ
[編集]農作物や公共衛生を害する害鳥を寄せ付けないように、音や姿で鳥を寄せ付けない工夫の総称を鳥威し(とりおどし)という。
案山子、コンパクトディスク(CD)などが使われる。鳥が留まって困る場所には、物理的な鳥除けスパイクが設置される。また、畑全体に防鳥網(鳥よけ網)を設置する場合もある[17]。
CDなどの脅し効果は、最長でも1日程度で効果を失うため、小まめに設置場所や、使うものを変えるなどの細工が必要であるという指摘がされる[18]。
猛禽の声[19]、鷹の姿をした凧[20]、鷹匠が鷹に威嚇行動させる[21]ことで長期的な鳥よけ効果が確認される。
虫よけ
[編集]動物では、シマウマなどのような模様で刺す虫を近寄せない効果が確認される[22][23]。
ネコがマタタビの葉を噛んだり体に擦り付けるのは、傷ついた葉から出る虫よけ効果のためという研究がある[24]。また、トウヨウミツバチは、巣の周りに動物の糞を塗り付けスズメバチが近寄らないようにする[25]。
文化
[編集]日本神話で、須佐之男命は須勢理毘売から蛇比礼(へびのひれ)、呉公蜂比礼(むかではちのひれ)というスカーフのような布をもらい。これを振ると蛇、百足、蜂が寄り付かなくなった[26]。
出典
[編集]- ^ 「忌避剤」 。
- ^ “シカ寄らないで…急増する列車衝突対策に「ライオン糞のにおい」「スズメバチの羽音」”. 読売新聞オンライン (2022年2月15日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “列車と動物の衝突防げ キョンの嫌がる高周波音装置 いすみ鉄道 「鹿ソニック」応用、共生目指し実証実験”. www.chibanippo.co.jp. 2023年7月6日閲覧。
- ^ 和気町の森林公園に「鹿ソニック」「いのドン」を試験設置/高・低周波でシカやイノシシを撃退 岡山理科大学
- ^ “列車と動物の衝突、「害獣王」で防げ ヒトデも効果あり:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2019年5月24日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “匂い及び猛獣糞などに対するイノシシの行動”. www.naro.go.jp. 2023年7月6日閲覧。
- ^ “高速道サル害対策に、狼の尿が効果”. レスポンス(Response.jp) (2009年7月6日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ Osada, Kazumi; Miyazono, Sadaharu; Kashiwayanagi, Makoto (2015). “The scent of wolves: pyrazine analogs induce avoidance and vigilance behaviors in prey”. Frontiers in Neuroscience 9. doi:10.3389/fnins.2015.00363/full. ISSN 1662-453X .
- ^ “猫が庭などに入らないようにする方法:久喜市ホームページ”. www.city.kuki.lg.jp. 2023年7月6日閲覧。
- ^ “猫による被害にお困りの方へ”. 東大阪市. 2023年7月6日閲覧。
- ^ “Cat-astrophic feline deterrent” (英語) (2002年4月3日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “猫が来なくなる方法とは?糞尿被害対策・重曹を使った庭の猫よけなど”. [猫] All About (2022年7月21日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “サメを遠ざけるシステム「シャークシールド」は効果なし?”. GIGAZINE (2008年3月14日). 2023年7月9日閲覧。
- ^ 橘, 和夫、中西, 香爾、Gruber, S. H.「72 紅海産ウシノシタ(Moses sole)のサメ忌避物貭」1985年、doi:10.24496/tennenyuki.27.0_545。
- ^ “Australian firm develops 'shark-proof' wetsuits” (英語). BBC News (2013年7月18日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “「サメよけウエットスーツ」豪企業が発売、有毒動物まねた縞模様モデルなど”. www.afpbb.com (2013年7月19日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “茨城)コウノトリ、防鳥網に絡まる 茨城・小美玉で保護:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2018年8月29日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “カラスよけ 続かぬ効力 「長くて1日」→場所や道具を小まめに変えて / 日本農業新聞公式ウェブサイト”. 日本農業新聞公式ウェブサイト (2023年7月6日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “市民の声 合浦公園の鳥の鳴き声について”. 青森市 www.city.aomori.aomori.jp. 2023年7月6日閲覧。
- ^ “飛び回る鷹型の凧で鳥害防止 新たな田園風景に/台湾・台東 - フォーカス台湾”. フォーカス台湾 - 中央社日本語版. 2023年7月6日閲覧。
- ^ “令和2年6月号伝統的な仕事誇りに活躍 鷹匠(たかじょう)田中和博さん(48歳)”. www.city.neyagawa.osaka.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ Caro, Tim; Izzo, Amanda; Reiner, Robert C.; Walker, Hannah; Stankowich, Theodore (2014-04-01). “The function of zebra stripes” (英語). Nature Communications 5 (1): 3535. doi:10.1038/ncomms4535. ISSN 2041-1723 .
- ^ “黒毛にしま模様、「シマウシ」に虫よけ効果 愛知県”. 日本経済新聞 (2019年12月23日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “「猫にマタタビ」の謎解明、葉をかむことで蚊よけ効果アップ…「身を守るため巧みに進化か」”. 読売新聞オンライン (2022年6月15日). 2023年7月6日閲覧。
- ^ “ミツバチ、動物の糞でスズメバチを撃退、研究”. natgeo.nikkeibp.co.jp. 2023年7月6日閲覧。
- ^ 「領巾」 。
関連項目
[編集]- 野生動物管理
- 防虫植物の一覧
- de:Vergrämung、en:Animal repellent
- 防除、Electronic pest control
- ししおどし
- 動物裁判、虫送り - 神事などによって害虫などが作物につかないよう願った。
- 番犬
- 人間を捕食可能な動物種の一覧
- 害獣狩り
- 殺生物剤 バイオサイド
- 化学生態学
- アレロケミカル ‐ 動物・植物などの間でやりとりさせる他の種を誘因・忌避させようとする化学物質。
Category:農業技術 Category:化学生態学