利用者:Sleepydogs/sandbox
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中村建治
[編集]概要
[編集]中村 建治(なかむら・けんじ、1972年7月3日生まれ)は日本の実業家、株式会社フィード代表取締役。30年以上にわたり業界を跨いで営業職を経験し、理論と実践を積み重ねることでトップセールスを走り続ける。2005年に起業し、2007年には株式会社フィードを設立する。2011年に東日本大震災が発生し、被災地で住居を失った方々を支援する中で「当たり前に帰れる家、心から安らげる場所をつくる仕事がしたい」[1]と一念発起し、好調だったそれまでの美容関連の全事業をやめて、2012年に未知の分野となる不動産事業へと舵を切る。マーケティングを徹底して行い、賃貸住宅にしか需要がなかったシングル層に新たな需要があることを察知。自己使用を目的とするマンション「実需用コンパクトマンション」を開拓する。新しい着眼点を見出し新しい価値を生み出すことにこだわり、世界的有名ブランドとのコラボを次々と実現。長年営業で培った経験とそれを基に確立された卓越したマネジメント論の実践で、グループ全体の売上を100億円に拡大させた。
人物・エピソード
[編集]ポリシー
[編集]・従業員によく言うことは「プライドの高い人間でいるな。誇り高き人間であれ」である。
中村によれば、自我のためだけである「プライド」を人生経験の中で成長・深化させ、さらに大きく深く成長させたものが「誇り」である。誇りを持って、仕事に臨むことの大切さを示すために次のエピソードを挙げている。
中村が営業マンとして働き始めて1~2年くらい経った頃、お客様と喫茶店で打ち合わせをした際、「セールスなんて仕事は最低なのよ」とお客様が言い、コップに入った水を顔にかけられた。その時、人としてのプライドが傷つけられ、徐々に怒りが込み上げた。しかし、グッと堪えて、なぜそんなことをしたのか話を聞いた。すると、その方の両親が訪問販売のリフォーム業者に詐欺まがいの売り方をされ、自己破産し離婚まですることになったことが分かった。相手は憂さ晴らしのために、中村に会いに来たのだという。それを聞いた中村は先ずその悪質な業者に代わり、同じ営業会社を代表して何度もかけられた水で濡れたままの頭で謝罪した。そして客が落ち着きを取り戻したタイミングで自分の仕事に対する『誇り』や『信念』を真剣に語った。その結果最終的にはそのお客様が中村から商品を購入してくれた。ちなみに、そのお客様とは30年にわたって年賀状などで関係が続いている。この契約は、プライドだけが高い人間であれば、まず取れなかったとし、この客に対し、プライドよりも誇りを持って仕事をしていたからこそ、出せた成果だったと回顧している[2]。
・決断を迫られた時は、いつもカッコいいと思える選択肢を選ぶ。
これを示す中村の逸話がある。
父親が他界した際、当時一番信頼していた20年来の付き合いであるナンバー2の社員の優しい言葉に甘え、1か月ほど休むことにした。戻って来るとその社員が営業マン5人ほどと退職させて欲しいと言ってきた。聞くと会社を辞めて同じビジネスをするということだった。父の死に目を利用して、こんな仕打ちをする彼に激しい怒りが込み上げた。一方で、会社を立ち上げて間もない頃、献身的に支えてくれ、今があるのは彼のおかげだという気持ちもあった。結局自分が独立した時、金銭的に苦労した経験があったため、できる限りのお金2,000万円を退職金代わりに渡し、「世話になったな。このお金、持っていってかまへんで。頑張ってこいや。今までありがとの」と言い、迷った時は格好いい選択をするという信念を貫いた[3]。
・徹底的に怒ると決めていること
それは、部下の「嘘と言い訳」及び「お客様を蔑ろにした」発言や考えを持った時である。
その理由は、売れないものを客や価格などのせいだという言い訳は、営業マンの成長を止めるため。また、嘘と言い訳は使えば使うほど人間を退化させる精神的な麻薬のようなもので、自己反省や改善・進化といった成長のすべてをストップさせる甘美な背徳の思考だと考えている。
営業マンとして
[編集]・理想の営業マンは「お客にとっての最高のヒーロー」だと考え、そのための最初の修業として「人間的魅力を鍛えること」「プロとしてのマインドを身につけること」を挙げている[4]。
・「立ち居振る舞い」「外見」「内面」を普段から意識し身につければ、誰もがヒーローになれるという[5]。
・営業マンに重要な資質の1つとして「素直さ・負けず嫌い」を挙げている。世界王者を多数輩出しているボクシングジムの大橋会長との食事の席で「世界チャンピオンに、共通している部分はなんでしょう」と尋ねたところ「才能はもちろん、とにもかくにも素直な負けず嫌いでしょうね」との答えを受け、営業にもあてはまると感じ、プロの世界に共通する普遍的な真理だと思ったという[6]。
・宝飾品の営業マンとして10年弱働き、毎年約200件の契約件数を誇っていたが、キャンセル率は3%ほどだった。会社として30~40%のキャンセル率があり、極めてキャンセル率が低く抑えられたのは、バトンナップ(きちんと仕上げるという意味で、営業マンと別れて感じるであろう不安材料を契約後に客から引き出し、一つ一つ解消していくフォローアップ)を徹底して行っていたためである[7]。
なお、契約後のキャンセルリスクを見抜く方法として「別れ際の様子を観察する」ことを挙げており、別れ際の客の表情や様子に、営業マンや契約をどう思っているかという本性がにじみ出るという[8]。
経営者として
[編集]・素晴らしい営業マンの育成に大切なのは、信賞必罰の繰り返しだと説く[9]。
・マネージャーに最も必要な資質は「素直さ」「誠実さ」で[10]、部下にとって「理想のヒーロー」を目指すべきとの考えを持つ[11]。
・会社の人事部には「検問中のバリケードを突破するようなマインド」を持った人を採用するよう伝えている。なぜなら、突破不可能と思えるような壁でもなんとか超えて、その先にいってやろうという姿勢を持つ者が、プロになれる絶対条件と考えているからである[12]。
・視野の広い姿勢で仕事をすることが大切だとの考えから、
「FOCUS ON THE FUTURE」~胸を張って進もう~、との企業理念を掲げている[13]。
・一番尊敬している経営者は、京セラ創業者の稲盛和夫氏である[14]。
その他
[編集]・ささやかな夢として、自身が亡き後、霊界で亡父に「建治、お前はよう頑張ってきたんやな」と笑顔で褒めてもらい、大きな手で頭をなでられ、抱きしめて貰うことを挙げている[15]。
・明確な幸せの定義は
「自分が死んだ時に、泣いてくれる人の数が多いほど、幸せな人生だったといえる。そして涙の量が多い人が、家族であれば尚幸せな人生である」と父の死によって確信できた[16]。
書籍
[編集]・営業道 人間力を磨き、自らの市場価値を高める極意(2022年8月発行、幻冬舎)
脚注
[編集]出典
1.”代表挨拶”.株式会社フィードHP
2.同著、P368‐369
3.同著、P305‐307
4.同著、P55
5.同著、P56‐57
6.同著、P42
7.同著、P240‐241
8.同著、P244
9.同著、P285
10.同著、P255
11.同著、P302
12.同著、P123
13.同著、P81‐84
14.同著、P360
15.同著、P379
16.同著、P377-378