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利用者:Pinkpastel/ワークスペース 11

ペニー・レイン: Penny Lane)は英国北部の都市リヴァプールにある通りである。また、この通りを取り巻くエリアもそう呼ばれる。A562から分岐した通りであり、20世紀にはリヴァプールの主要なバスターミナルの場所だった。1967年にビートルズが「ペニー・レイン」を発表して以来、この通りは国際的に広くその名を知られることになった。この楽曲はビートルズのメンバーがリヴァプールで育ったことにちなんで制作されたものである。

歴史

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ペニー・レインは18世紀の奴隷商人ジェームズ・ペニー英語版にちなんで名付けられた[1]。当時の実業家の多くやリヴァプール自体と同様にペニーは国際的な奴隷貿易を通して富裕となり、港湾都市リヴァプールはアフリカ大陸とアメリカとを結ぶ奴隷貿易の重要な経由地としての機能を果たした[2]

都市の拡張の後、ペニー・レインはいくつかの路線で重要なバスターミナルの場所となり、「ペニー・レイン」が表示されたバスはリヴァプール全域で一般的なものとなった。ペニーという名称はスミスダウン・ロード、(終点のある)スミスダウン・プレイス、アラートン・ロードの合流点を取り巻く繁華街を含むエリアにも用いられている。ペニー・レインはウォルトン、オールドスワン、市の中心部へ向かう46番および99番バス路線の終点だった。スミスダウン・ロードとの合流点とは反対側の端で、通りはセフトン・パーク近くのリヴァプール大学学生寮に通じている。

通りとバスターミナルはビートルズの楽曲「ペニー・レイン」によって国際的な関心の的となった[3]。1967年2月に発表されたこの曲は世界中の数多くのチャートで第1位を獲得した。歌詞に登場する消防士と消防車はペニー・レインに近接するマザー・アヴェニューの消防署である[4]。ペニー・レインのターミナルにはトイレのついた専用のバス待合所があった。待合所は専用の安全地帯にあり、歌詞には「環状交差点の真ん中の待合所」として登場する[5]

1970年代末頃、ペニー・レインには「ペニー・レイン・レコーズ」やワインバー「ハーパーズ・ビザール」(現ペニー・レイン・ワインバー)があった。後者はかつて診療所だったが、開業場所は1980年代にスミスダウン・プレイスへ移った。英国におけるバス事業の民営化を受けて、ビオレティス理髪店の先の坂を少し上がったところにあったマージーサイド乗客輸送機関のバスターミナルは取り壊され、跡地はスーパーマーケットやパブが完備したショッピングセンターになっている。バス待合所は1980年代に個人に買い取られ、「サージェント・ペパーズ・ビストロ」に改装された。

リヴァプールを訪れるビートルズファンは長年、この通りを探し求めてきた。かつては「ペニー・レイン」と記された道路標識が常に旅行客の窃盗の標的となっており、絶えずそれを取り替えなければならなかった。市の職員らは諦めて、建物の側面へ通りの名前を単純にペイントし始めた。この作業は2007年に中止され、より窃盗に強い「ペニー・レイン」の道路標識が設置されてきたが、それにもかかわらず未だに盗まれている[3]。ペニー・レインのエリアはある程度のトレンディ性と魅力性を確保してきた。W・H・スミスやクラークス・ケーキ・ショップといった伝統的な店のみならず自然食品の直販店やチャリティ・ショップといった「オルタナティヴ」な店、カフェ、バー、ビストロ、テイクアウト食品の店がどんどん勢揃いしている。そのため、このあたりはリヴァプールの学生らの間で最も人気のあるエリアとなっている。

2006年7月にリヴァプールのある市議会議員が奴隷貿易と繋がりのある名前を持つ通りの改名を提案し、その一つがジェームズ・ペニーにちなんで名付けられたペニー・レインだった。ペニーは奴隷商人であり奴隷制度の廃止にも強く反対していた。しかし、最終的に市当局はペニー・レインの改名を見送ることを決定した[2]

脚注

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  1. ^ SWATI PANDEY (2006年7月16日). “Beneath the blue suburban skies - LA Times” (英語). Los Angels Times. https://www.latimes.com/archives/la-xpm-2006-jul-16-op-pennychart16-story.html 2019年6月3日閲覧。 
  2. ^ a b “Liverpool Won't Rename Penny Lane, Despite Slavery Ties - Fox News” (英語). Associated Press. Fox News. (2006年7月10日). https://www.foxnews.com/story/liverpool-wont-rename-penny-lane-despite-slavery-ties 2019年6月3日閲覧。 
  3. ^ a b Turner, Steve (2009). A Hard Day's Write: The Stories Behind Every Beatles Song. MJF Books. ISBN 1-60671-109-1 
  4. ^ Miles, Barry. Paul McCartney: Many Years From Now 
  5. ^ Graves, Steve (2013年7月5日). “Liverpool’s Beatles-inspired Sergeant Pepper’s Bistro to reopen with added second floor”. Liverpool Echo. http://www.liverpoolecho.co.uk/news/liverpool-news/liverpools-beatles-inspired-sergeant-peppers-bistro-4873104 2016年10月1日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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