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利用者:Osanshouo/sandbox

en:Hénon–Heiles system, 四重極公式, アインシュタイン=インフェルト=ホフマンの方程式, en:Self-interacting dark matter, en:Jordan and Einstein frames, en:Weakly interacting massive particles (see WIMP), アントノフの定理, KAM定理, クスターンヘイモ・シュティーフェル変換, 制限三体問題, シトニコフ問題, 戸田格子, ADM形式, ジーンズ方程式, 力学的摩擦, 拘束系, ブリルシュ・ストア法

軌道要素人工衛星の軌道要素, 天体力学, ハロー軌道, 断熱不変量, 熱力学第二法則, ルジャンドル変換, 凸解析, 古典電子半径, f(R)重力, 宇宙のインフレーション, 重力レンズとその周辺 (弱い重力レンズ) など


ツリー法

ツリー構築のアニメーション。

ツリー法(ツリーほう, : tree method)とは天体物理学において天体間の重力相互作用を計算する方法のひとつである[1]N体シミュレーションにおいてツリー法は粒子分布を階層的なツリー構造として保持し、遠方の粒子群からの重力をまとめて計算することにより、重力の計算に要する時間を直接法の O(N2) から O(N ln N) へと削減する[2]。現代の大規模なN体シミュレーションはほとんどすべてツリー法あるいはその拡張、類似の手法を採用している[1]

N体シミュレーションとは互いに重力のみを及ぼす 個の粒子の運動を数値的に求めるものであり、 番目の粒子 の運動方程式

を数値積分する。しかし右辺の重力相互作用項はを定義通りに計算するためには の時間が必要であり、粒子数 が大きい状況では現実的な時間では計算できなくなる。ツリー法では重力の計算の前にあらかじめ粒子分布からツリー構造を構築する。ツリーの各ノードは粒子の集まりを表し、必要な精度を保つ範囲でノード内の粒子の重力をまとめて計算することにより計算コストを削減する。ツリーの深さは であり、計算コストは全体で である。

ツリーの構築

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Barnes-Hut アルゴリズム

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2次元空間の場合、ツリーの各ノードは正方形の空間領域を表し、その子ノードはこの領域を4分割した各小正方形に対応する。ルートノードは計算領域全体を表し、すべての粒子を含む。各子ノードは計算領域の一部の領域を表し、一般には複数の粒子を含むが、

すべての葉ノードに高々1つの粒子が含まれる。

3次元空間では正方形領域が立方体領域に、4つの子ノードが8つの子ノードに置き換わる。

この方法では粒子数が多い(粒子数密度が大きい)領域は細かく、そうでない領域は粗く分解されることになる[3]

重力の計算

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粒子から見たノードの開き角を表すパラメータ によって次のように決定される。ある粒子について、その粒子とあるノードの重心の距離を 、ノードのサイズを として

が成立するならば、そのノードがその粒子に及ぼす力をまとめて計算する。そうでないならば、ノードの子ノードそれぞれが及ぼす重力をそれぞれ計算する。パラメータ が小さいほど計算の精度が向上するが、その分計算時間は増大する。

ノードが及ぼす重力の計算には多重極展開英語版が使われることもある。この場合、


歴史

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N体シミュレーションに階層的ツリー構造を最初に実装したのは Andrew W. Appel で、1981年のことであった(この成果は1985年に SIAM Journal on Scientific Computing から出版された)[4][5]。これは近傍の粒子をまとめてひとつのクラスターとみなすものだった[5]。その後 Appel とは独立に D. Porter と J. G. Jernigan も同様の手法を実現しており[6]、特に Jernigan のコードはツリー法とクスターンヘイモ・シュティーフェル変換と組み合わせている[7]

1986年に Josh Barnes とピート・ハットは上述の3次元空間を八分木により階層的に分割するアルゴリズムを提出した[8]。その後 Barnes はツリー法の並列化を試みている[9]牧野淳一郎は1990年に Barnes-Hut アルゴリズムをベクトル計算機向けに改良した[10]。Barnes-Hut アルゴリズムは銀河銀河団宇宙の大規模構造などスーパーコンピュータを使用した大規模計算で用いられるようになった[4]。またスタンフォード大学の Splash ベンチマークには Barnes-Hut アルゴリズムを並列化したものが収録されている[11][12]

脚注

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  1. ^ a b Osanshouo/sandbox」 - 日本天文学会 編『天文学辞典』
  2. ^ 牧野淳一郎, 福重俊幸, 小久保英一郎, 川井敦, 台坂博, 杉本大一郎 (2007年3月13日). “N体シミュレーション啓蟄の学校教科書”. 国立天文台. p. 107. 2021年5月3日閲覧。
  3. ^ 牧野 2001, p. 433.
  4. ^ a b 牧野 2001, p. 438.
  5. ^ a b Appel, Andrew W. (1985). “An Efficient Program for Many-Body Simulation”. SIAM Journal on Scientific and Statistical Computing 6 (1): 85–103. doi:10.1137/0906008. ISSN 0196-5204. 
  6. ^ Barnes & Hut 1986, p. 446.
  7. ^ Jernigan, J. G. (1985). “Direct N-Body Simulations with a Recursive Center of Mass Reduction and Regularization”. Symposium - International Astronomical Union 113: 275–284. Bibcode1985IAUS..113..275J. doi:10.1017/S0074180900147448. ISSN 0074-1809. 
  8. ^ Barnes & Hut 1986.
  9. ^ Barnes, Joshua E. (1986). “An efficient N-body algorithm for a fine-grain parallel computer”. Lecture Notes in Physics 267: 175–180. Bibcode1986LNP...267..175B. doi:10.1007/BFb0116409. 
  10. ^ Makino, Junichiro (1990). “Vectorization of a treecode”. Journal of Computational Physics 87 (1): 148–160. Bibcode1990JCoPh..87..148M. doi:10.1016/0021-9991(90)90231-O. ISSN 00219991. 
  11. ^ 牧野 2001, p. 445.
  12. ^ Woo, S.C.; Ohara, M.; Torrie, E.; Singh, J.P.; Gupta, A. (1995). The SPLASH-2 programs: characterization and methodological considerations. pp. 24–36. doi:10.1109/ISCA.1995.524546. 

参考文献

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関連項目

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DEFAULTSORT:つりいほう Category:天体物理学 Category:重力 Category:計算物理学 Category:天文学に関する記事


四重極公式[1](しじゅうきょくこうしき, : quadrupole formula)とは一般相対性理論において単位時間に放射される重力波のエネルギーを与える公式である。1918年にアルベルト・アインシュタインによって導かれた[2][3]

定式化

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一般相対性理論において重力波とは時空光速で伝播する

系の密度分布 は一般には時刻 および座標 の関数 である。この分布の質量四重極モーメント

により定義される[4][注釈 1]。ここに , は1から3を走る添え字で、以下重複添え字については和を取るアインシュタインの規約を採用する。

この密度分布が全天に放射する重力波の単位時間あたりのエネルギー は、最低次のポスト・ニュートン近似では、四重極公式

により与えられる[6]。ここに三重点 は時間による三階微分を、括弧 は重力波の周期に渡る平均を表す[6]

応用

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球対称系

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質量分布が完全に球対称であるときはその四重極モーメントはゼロに等しい: 。それ故に系の質量分布がいかに激しく時間変化したとしても、常に球対称性が保たれるならば、四重極公式に基づくと放射される重力波のエネルギーはゼロである。この結果は一般に正しく、球対称系からは重力波は放射されないことが証明されている(バーコフの定理)。

連星系

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ふたつの天体が連星をなすとき、ニュートン力学によるとその軌道はケプラーの法則に従う。しかし一般相対論に基づくと、連星系は重力波放射によりエネルギーを失い、その軌道長半径が徐々に小さくなる。四重極公式は

ラッセル・ハルスジョゼフ・テイラーによって発見された連星パルサー PSR B1913+16 は一般相対性理論の予測通りの割合で軌道長半径が減少しており、重力波の実在を間接的に証明した。

脚注

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注釈

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  1. ^ 本記事の表記・定義は Maggiore に従ったが、ランダウ&リフシッツでは四重極モーメントを と定義しており[5]、本記事の定義とは3倍異なる。これに対応してランダウ&リフシッツの式(110.16)は本記事のものとは係数が異なる。Maggiore の脚注17 (p. 113) を参照されたし。

出典

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  1. ^ 久徳浩太郎. “重力波天文学” (PDF). p. 26. 2021年10月8日閲覧。
  2. ^ Einstein, Albert (1918). “Über Gravitationswellen”. Sitzungsberichte der Königlich Preußischen Akademie der Wissenschaften (Berlin): 154-167. Bibcode1918SPAW.......154E. 
  3. ^ Kennefick 2017, p. 293.
  4. ^ Maggiore 2007, p. 109.
  5. ^ ランダウ & リフシッツ 1978, p. 394.
  6. ^ a b Maggiore 2007, p. 113.

参考文献

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DEFAULTSORT:ししゆうきよくこうしき Category:重力波 Category:一般相対性理論 Category:天文学に関する記事