利用者:Orkney/sandbox
ここはOrkneyさんの利用者サンドボックスです。編集を試したり下書きを置いておいたりするための場所であり、百科事典の記事ではありません。ただし、公開の場ですので、許諾されていない文章の転載はご遠慮ください。
登録利用者は自分用の利用者サンドボックスを作成できます(サンドボックスを作成する、解説)。 その他のサンドボックス: 共用サンドボックス | モジュールサンドボックス 記事がある程度できあがったら、編集方針を確認して、新規ページを作成しましょう。 |
フランコ・ミカリッツィ Franco Micalizzi | |
---|---|
生誕 | 1939年12月21日(84歳) |
出身地 | イタリア・ラツィオ州ローマ県ローマ |
学歴 | 聖チェチーリア音楽院 |
ジャンル | 映画音楽 |
職業 | 作曲家 |
担当楽器 | ピアノ、指揮 |
フランコ・ミカリッツィ(Franco Micalizzi, 1939年12月21日 - )は、イタリア・ラツィオ州ローマ県ローマ出身の作曲家。主に1970年代のイタリア映画に質の高い映画音楽を作曲したことで知られる。
代表作は、1970年代に一世を風靡したイタリアの人気子役・レナート・チェスティエが主演した映画『メリーゴーランド』L'ultima neve di primavera(1974年)の映画音楽である。ミカリッツィがこの映画に提供した美しく哀愁にみちた名テーマ曲は、JET STREAMでカバーされるなど日本においても絶大な好評を博した。
略歴
[編集]1939年にイタリアのローマに生まれ、同地の名門音楽学校・聖チェチーリア音楽院でピアノと作曲を学ぶ。
ロビー・ポイテヴィンに認められたことから映画音楽やカンツォーネの演奏に関わるようになる。この時期には『怒りの荒野』I giorni dell'ira(1967年)において、作曲を担当したリズ・オルトラーニのアシスタントを務めている[1]。
1967年から映画音楽の作曲家に進出。この時期は主にイタリア式コメディやカンツォーネ歌手主演の歌謡映画の映画音楽を作曲した。
1970年に『風来坊/花と夕日とライフルと…』Lo chiamavano Trinità...(1970年)のヒットによって、映画音楽作曲家として注目を集める。この映画はマカロニ・ウェスタンのブームが下火になっていた時期に製作されたコメディ・タッチの西部劇であり、喜劇仕立てのマカロニ・ウェスタンの可能性に懐疑的な人が多かったことから、多くの作曲家に断られた末にミカリッツィが音楽を手掛けることになった。結果的に映画も音楽もヨーロッパでは大変なヒットを記録し、イタリア映画界ではたちまちコメディ・ウェスタンのブームが到来することとなる[2]。
代表作『メリーゴーランド』『デアボリカ』
[編集]『風来坊』の成功によって一躍イタリア映画界の新鋭作曲家として頭角を表したミカリッツィが、国際的な注目を集めたのが、『メリーゴーランド』L'ultima neve di primavera(1974年)であった。
『メリーゴーランド』は、当時子役アイドルとして売り出していたレナート・チェスティエ主演によるメロドラマ映画であり、ミカリッツィが作曲した哀愁にみちた音楽が効果的に使用され、映画音楽の名曲として公開当時は世界的なヒット曲となった。映画自体はルイジ・コメンチーニ監督がフローレンス・モンゴメリーの文学作品「幼い天使」を映画化した名作『天使の詩』(1966年)の安易な焼き直しであり、現在ではB級映画としての評価にとどまっているが、公開当時は世界的に大ヒットして観客の涙を誘う名作と言われた。特にミカリッツィがこの映画に提供した哀しく美しい音楽は評判となり、イタリアにおいてサウンドトラック盤レコードの売り上げチャートで一年に渡って一位を獲得した[3]
この映画のヒットを受けて、レナート・チェスティエ少年を主役として製作された同工異曲のメロドラマ『幸せの咲く樹』L'albero dalle foglie rosa(1874年)および『星空の神話』Bianchi cavalli d'agosto(1975年)においてもミカリッツィが音楽を担当し、いずれも哀愁にみちた美しい音楽を提供している。
『メリーゴーランド』と同じ1974年には『エクソシスト』(1973年)のヒットに便乗してイタリアで製作されたオカルト映画『デアボリカ』Chi sei?(1974年)の音楽も担当。ウォーレン・ウィルソンという歌手が歌うソウルフルな主題歌「悪魔と取引き」Bargain With The Devil を初め、ソウルミュージックとフリー・ジャズを取り入れたクールな音楽が話題となり、『メリーゴーランド』と並ぶミカリッツィの代表作となっている。
1975年にはキャロル・ベイカー主演のイタリア製エロティック青春映画『課外授業』Lezioni private(1975年)に美しい音楽を提供。大ヒットした『青い体験』(1973年)に便乗してトー・クンのポルノ小説「女教師」を映画化したB級エロティック映画だが、ミカリッツィがこの映画に提供した音楽はステルヴィオ・チプリアーニを思わせるリリカルな美しさをもつ名曲であり、映画音楽の傑作として高く評価されている。
ポリツィエスコ
[編集]日本公開作は少ないながら、『ダーティハリー』(1971年)や『フレンチ・コネクション』(1971年)の影響を受けて1970年代のイタリアで量産された「ポリツィエスコ」と呼ばれるイタリア製刑事アクション映画においても、ジャズとロックを融合させたクールなアクション音楽を数多く提供したことでも知られる。イタリア製の刑事アクション映画がごくわずかしか輸入されなかった日本においては、ミカリッツィといえば『メリーゴーランド』の甘い音楽を作曲した人物として最も有名だが、イタリアではむしろ刑事アクション映画の作曲家として知られている。
ポリツィエスコにおいてはとりわけウンベルト・レンツィ監督とのコンビが有名で、"Il giustiziere sfida la città"(1975年)、"Roma a mano armata"(1976年)、『ナポリ犯罪ルート』Napoli violenta(1976年)、"Il cinico, l'infame, il violento"(1977年)、『シシリアン・ボス』Da Corleone a Brooklyn(1978年)、"La banda del gobbo"(1978年)といったレンツィ監督の刑事アクション映画に優れたアクション音楽を提供している。
また、日本未公開のポリツィエスコ映画""Hold-Up" Istantanea di una rapina"(1974年)に提供した哀愁にみちた音楽もよく知られている。この映画は当時日本でも人気があった女優ナタリー・ドロンの主演映画と言うことで、1975年に日本で発売された『メリーゴーランド』のサントラ盤レコードの解説でもミカリッツィの代表作の一つとして題名が挙げられるなど製作当時は日本でも話題となったが、結局日本に輸入されることはなかった。
1980年代以降
[編集]1970年代には多くのヒット作に優れた音楽を提供して、ニーノ・ロータやリズ・オルトラーニの後を継ぐイタリア映画音楽の新鋭として注目されたが、1980年代になるとイタリア映画の衰退を受けてヒット作に恵まれなくなってしまう。
1980年代には2人の息子、クリスティアーノとアレッサンドロとともに"The Micalizzi Family" という家族バンドも結成して演奏活動やレコードの発表も行った。クリスティアーノとアレッサンドロは現在もミカリッツィの演奏活動にたびたび参加している[4]。
1990年代には映画音楽の作曲から退き、ジャズ・バンド"Big Bubbling Band" の演奏活動に比重を置くようになった。しかしシルヴェスター・スタローンの息子セイジ・スタローンが監督・製作を手掛けて高く評価された短編映画"Vic"(2006年)で久々に映画音楽の仕事へ復帰。また、2007年には『特攻警察』のスコアが、クェンティン・タランティーノ監督の『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007年)に使用されて再評価されることとなった。その一方、バンド活動も精力的に続けており、2006年には自らの映画スコアをジャズ・リメイクしたアルバム"Cinema a mano armata" をリリースした[2]。
主なフィルモグラフィ
[編集]- Addio, mamma! (1967)
- Il ragazzo che sapeva amare (1967)
- Il sole è di tutti (1968)
- 風来坊/花と夕日とライフルと… Lo chiamavano Trinità... (1970)
- I due volti della paura (1972)
- Sei jellato amico, hai incontrato Sacramento (1972)
- アマゾネス対ドラゴン/世紀の激突 Superuomini, superdonne, superbotte (1974)
- 空手アマゾネス Le amazzoni: donne d'amore e di guerra (1974)
- 幸せの咲く樹 L'albero dalle foglie rosa (1974)
- デアボリカ Chi sei? (1974)
- メリーゴーランド L'ultima neve di primavera (1974)
- Adolescence pervertie (1974)
- Alla mia cara mamma nel giorno del suo compleanno (1974)
- "Hold-Up" Istantanea di una rapina (1974)
- Il figlio della sepolta viva (1974)
- Lucrezia giovane (1974)
- 課外授業 Lezioni private (1975)
- 卒業生 Laure (1975)
- 星空の神話 Bianchi cavalli d'agosto (1975)
- 特攻警察 Italia a mano armata (1976)
- ナポリ犯罪ルート Napoli violenta (1976)
- ザ・ビッグ・バトル Il grande attacco (1978)
- シシリアン・ボス Da Corleone a Brooklyn (1978)
- ザ・ビジター Stridulum (The Visitor) (1979)
- 戦場の謝肉祭 L'ultimo cacciatore (1980)
- いけ!いけ!スパイ大作戦 Nati con la camicia (1983)
- 笑激のダブル・トラブル Non c'è due senza quattro (1985)
- デッドウォーター The Curse (1987)
- ブラック・デモンズ Demoni 3 (1991)
出典
[編集]- ^ I GIORNI DELL'IRA / AL DI LA' DELLA LEGGE
- ^ a b フランコ・ミカリッツィ Franco Micalizzi
- ^ 「メリーゴーランド」サウンドトラック盤レコードの解説より。(1975, SEVEN SEAS)
- ^ Musicisti -Franco Micalizzi