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利用者:Nyaho309/sandbox

共栓(すり合わせ)付きの褐色ガラス瓶。

試薬瓶は、化学薬品の保存または運搬のための容器で、薬品を小分けしたり、希釈したりして移し替えるときに用いる。主にガラスまたはプラスチックで作られており、液体の薬品には細口試薬瓶、固体の薬品には広口試薬瓶を使うのが一般的である。不純物の混入や内容物の漏れを防ぐため、差し込み式またはねじ込み式の栓がある。

一部の試薬瓶には、光に敏感な化合物を可視光、紫外線、赤外線から保護するために、主として褐色の着色ガラスが使用されている。

種類

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容量(俗にポンド瓶)のものと約25mL(俗にオンス瓶)のものが多用されている[1]。その他にも、100 ml、250 ml、1000 ml(1L)、2000 ml(2L)がのものがある。100mLを下回る瓶は、医療用および高価な化学薬品用に使われる。

瓶の側面には、容器内の特定のレベルでの液体のおおよその量(多くの場合10%の誤差がある)を示すマーク「APPROX」が付いている場合がある。

一般的な蓋サイズには、33-430(33mm)、38-430(38mm)、およびGL 45(45mm)が含まれる。蓋のサイズは、口の狭いものから口の広いものまでさまざまであり、多くの場合、より大きなまたは同じサイズの容器の口から試薬瓶を適切に充填するにはガラスまたはプラスチックの漏斗が必要である。オートクレーブ可能な瓶もある。

ガラス瓶一般的な液体試薬において、多く使用 光に弱い試薬が多く、瓶は遮光のために褐色瓶に入れる場合が多い材質硬質ガラス長所気密性が高く、化学的に安定で侵されにくい 内容物が透視できる短所重く割れやすい、アルカリに弱い

ポリ瓶一般的な粉末試薬において、多く使用材質ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン長所ガラスに比べて軽量で破損しにくい短所透視性や硬度、気密性に劣る 成型時に用いる添加剤の混入が問題視されることがある

特に褐色瓶に入れる必要のあるものは,硝酸銀,過 マンガン酸カリウム ,鉄塩,濃硝酸,エーテルなどである。

種類 用途 材質 適する物質 適さない物質
細口試薬瓶 口が細いため試薬を注ぐのに使用する。完全な密閉はできないため、揮発性の低い液体を入れる。ガラス製のため、アルカリ性の水溶液を入れると容器と反応し、栓が取れなくなるおそれがある。 ガラス 希硫酸、塩類一般の水溶液 希塩酸、アルコール類、アルカリ水溶液、アンモニア水
広口試薬瓶 固体試薬を入れるのに使用する。口が広いため、薬さじで試薬を取り出しやすい。完全な密閉はできないため、吸湿性・昇華性・空気と反応する試薬には適さない。 ガラス ホウ酸、食塩、大理石など 水酸化ナトリウム、グルコース、金属粉、ナフタレン、炭酸アンモニウムなど
ねじぶた付試薬瓶 密閉が必要な反応性の高い固体試薬や、揮発性の高い液体に使用する。

ガラス製はアルカリ以外への化学的安定性に優れている。プラスチック製はガラス製と比較して、爆発に対して安全であることや、アルカリ性の物質に安定という利点がある。

ガラス 過酸化水素水
プラスチック 過酸化水素水、アンモニア水、酸の希釈溶液、アルカリ ヨウ素液、アセトン、エーテル、濃硫酸、濃硝酸、酢酸(100%)、臭素水

使用方法

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栓の部分のみを持って引き上げたり、一気に片手で二瓶もったりなど、不安定な持ち方をしてはならない。瓶が実験机の上に落ち、劇物とおぼしき試薬が目のなかに入ってしまった事例や、500mLの硫酸瓶を落として破損し、足に火傷を負った例が報告されている。化学と教育 53巻7号 (2005 年)

試薬瓶の代わりに食品用の容器を用いると誤飲の可能性があるため、絶対にしてはならない。


2.4 ラ ベ ル の つ け 方

薬 品 を 移 した ら必 ず ラ ベ ル を つ け る 習慣をつ け る。 ラ

ベ ル の ない 薬 品は 使用 し ない 。

ラ ベ ル は 簡潔 に 書 く (図 2 )。

濃度 を入 れ る 毒 物 ,劇 物,危険物の 場合 は その 旨記入す る

生徒 実 験 用 の 試薬は 日 本 語 で表 示

する ほ うが よい

枠 の 色に よっ て 分 類 す る と便 利

(例 ;赤色 :酸,青 色 :ア ル ヵ リ,

黒 :塩類,その他)

試薬 を調 製 した 年 月 日

図 2 ラベ ル の 表示方法 2.8 試薬瓶 の 取 り違 え

エタノールと硝酸の混合

硝酸 の 空瓶 を ラベ ル を き ち ん と修正 しな い ま ま に ,エ タ

ノ ール の 容器 と して い た 。 ・方 , 残 量 の 少 な い 硝酸 の 瓶 が

あ っ た。ふ と し た折 に 2 つ の 硝酸 の 瓶の 内容物 を 1 つ の 瓶

に ま とめて (エ タ ノ ール と硝酸 を混合 して) しまっ た。 操

作 の 過 ちに 気づ か ず に エ タ ノ ール と硝 酸 の 混 じっ た瓶 を戸

棚 に しまっ て お い た と こ ろ ,約 15 分後 に 爆発音 が した 。 瓶

が 戸棚 の 中で 破損 して い た 。

ケ ース 硫 酸 と有機廃 液の 取 り違え


試薬瓶は、古典的な薬瓶に似ている傾向があり、ガラス栓が付いていることがよくあるが、標準サイズではないことが多いため、紛失したガラス栓を交換するには専用のガラス加工が必要になるため、非常に古い瓶やサンプルは注意して保管する必要がある。

古い試薬瓶の中には、装飾目的で青(コバルトガラス)または緑(ウラングリーン)に着色されているものもある。

試薬瓶は、 OSHA規制および世界的な科学基準の対象となる。

参考文献

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  • Soroka, W, "Fundamentals of Packaging Technology", IoPP, 2002, ISBN 1-930268-25-4
  • Yam, K. L., "Encyclopedia of Packaging Technology", John Wiley & Sons, 2009, ISBN 978-0-470-08704-6

引用

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  1. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)「試薬瓶」岩本振武