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利用者:Noyamanori/READsystem

READ system

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READ systemとは、悪性リンパ腫疑い症例のための総合的な診断システムである。

READ system
Registration 施設登録 病院[①事務(医事課や契約係)、②病理医(常勤・非常勤とも)、③臨床医]、④READsystemで診断を担当する病理医、⑤受託する衛生検査所の5者間での合意に基づき、院長承認の元で施設を登録する。

特に、施設内の病理医の理解と両省は必須であり、できれば協力態勢を得ることが望ましい。

Examination &Analyses(4Ms) 観察と分析 以下の4項目からなり、READ systemの病理医の判断で確定診断に必要となる各種の検索を追加する。(morphology based test modification:MORE-test)
Morphological examination 病理組織学的観察 HE標本による病理組織学的観察
Marker analysis 免疫学的表現型解析 フローサイトメトリー免疫組織化学
Metaphase analysis 染色体分析 染色体G分染法FISH法(含・パラフィン切片使用のPC-FISH)
Molecular analysys 分子生物学的解析 サザン分析/PCR法(TCR遺伝子、lg遺伝子、MAC-DNA 等)
Description 報告書の記載 血液病理医が上記すべての「M」について所見を記載し、それらについて総合的な判断を行って診断に至り、報告書を作成する。

READ systemの概要

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READ systemは事前契約によって登録された病院からの悪性リンパ腫疑い症例の生検検体に対する総合的な診断システムであり、以下のように10項目[TOMODAChI-CR(友達-来る)]の特徴を有している。

TOMODAChI-CR(友達-来る)

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  1. 崇高な理念と倫理性:T-top principle with ethicality 病理学の立場からリンパ腫医療に貢献するという、崇高な理念と倫理性に基づいており、本システムに提出された検体の残は他の目的に流用しない(註:倫理指針を遵守した研究を妨げるものではない)。
  2. 日本初・東北大学発・登録商標:O-originator/first in Japan 日本で初めて(1989年11月)、東北大学病院において一迫玲教授が構築・創始し、2001年に商標登録をした。
  3. 多角的な解析に基づく総合的な判断での病理診断:M-multimeric analysis 病理医が,病理組織標本(HE・免疫組織化学)の観察を基盤として、フローサイトメトリー・染色体分析・遺伝子解析等の情報を加味して総合的に病理診断を行う。
  4. 独自の工夫や解析技術:O-original device and technique a.   フローサイトメトリー:  悪性リンパ腫の病理診断におけるフローサイトメトリーの併用を本邦で初めて実用化し(1989年8月8日)、抗原の選択と配置に独自の工夫をしたREADフローパネル(2012年著作権登録)を使用している。 b.   PS-FISH:  パラフィン切片上で行うFISH(主にsplit assay)のことであり、血液病学領域での需要が高く、その正式受託件数は国内最大である。
  5. インターネット/ウェブサイトの活用(入力と閲覧):D-describe and read through internet/website 病理医はインターネット/ウェブサイト上で各検査結果(PDF)を閲覧(入力閲覧)しながら病理報告書に診断や所見を入力し、臨床医はそれを閲覧(診断閲覧)できる。追って。紙ベースでの報告書も届けられる。
  6. 全例閲覧/症例閲覧/検索閲覧/履歴閲覧:A-all cases on display etc. 自施設症例については。ディスプレイ上で過去の全症例をまとめて閲覧(ALL閲覧)できるので、そこから症例を選んだり、キーワードで検索したり、更には生検履歴をみたりすることができる(註:ファイル自体のダウンロードは不可)。 そのため、READ systemRに提出した施設内の全症例について病理報告書や各種データの一元管理(散逸防止)が可能となり、また、検査室での症例把握や外来診療における診療前の事前準備(病理報告書や各種データの確認)も容易である。
  7. 紹介・転院先における閲覧可能化サービス: Ch-changing hospital patient READ systemR登録病院間で患者が他に紹介・転院となった場合、所定の手続き(含・患者の署名同意書)によって転院先の担当医もインターネット/ウェブサイト上で紹介元病院のREAD systemR情報(病理診断や全検査の報告書)を閲覧できる(ME-2閲覧:「Please show me, too!/見せて(Misete)!/2病院間」等を元にした造語)。
  8. 双方向性:I-interactivity between pathologist and clinician 病理医及び臨床医は、症例についての質問等でお互いに連絡(電話や電子メール等による)をすることができ、必要に応じてカンファレンスの開催にも応じる。
  9. 採算性維持による継続性と広域性:C-continuity based on profitablity & wide regionality 実施に際しては正当な対価を求めることで採算性を維持し、継続性を図る。 また、全国レベルで各地にREADsystemRの病理診断拠点施設を設けることによって、持続的にリンパ腫医療に貢献する。
  10. 学問体系としての位置付け:R-REPLY READ systemRを基盤にして臨床側への的確・適切な病理診断の回答(reply)を目指すという新たな学問体系-READ system-based diagnostic pathology for lymphoid neoplasms(REPLY学)-の確率を目指す。

沿革

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1988年5月、国立仙台病院(現・仙台医療センター)にフローサイトメーター搬入。以後悪性リンパ腫の病理診断へのフローサイトメトリー導入を本格化。

1989年4月、東北大学医学部附属病院(現・東北大学病院)病理部にて悪性リンパ腫疑い症例のための総合診断システムの構築を開始。

1993年12月、東北大学病院以外の施設からの受託開始(広域化)。

1996年12月、東北大学歯学部移籍を機に、病理組織診断を含む全項目を一括して外注する体制(単一受託項目化)に移行(登録病院;30数施設)。

2001年1月、「READ system」の商標登録。

2005年4月、東北大学に「血液病理学寄附講座(現・造血器病理学寄附研究部門)」設置。

2008年10月、公益財団法人「一迫記念READ血液アカデミー(行政庁・宮城県)」設立。

2011年6月、Web介在型READsystem稼働開始(衛生検査所所有のサーバー使用)。

2013年1月、Web介在型READsystemによる全国展開開始。

文献

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  1. 一迫 玲 Flow cytometryによるリンパ球表面マーカーの解析-病理部門でのルーチン化- 病院病理(現・診断病理)8:16、 1990
  2. 一迫 玲 公益法人と血液学 病理と臨床 30:559, 2012
  3. 一迫 玲 Web介在/次世代型の病理診断システム 病理と臨床 31:805, 2013
  4. 2012年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書~個人情報漏えい編~ 特定NPO法人 日本ネットワークセキュリティ協会 https://www.jnsa.org/result/incident/2012.html
  5. Publickey記事 http://www.publickey1.jp/blog/13/3bcp.html

関連項目

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外部リンク

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