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リワーク
[編集]リワーク(Rework)とは、うつ病、双極性障害などの精神病患者が病気から回復したのち、職場に復帰するための訓練を行う場、施設、プログラムなどをいう。
概要
[編集]うつ病、双極性障害などの精神病患者が病気から回復して社会復帰を果たし、職場に戻ったものの再び病状が悪化するなどして、再休職したり、退職したりする場合が多くあった。原因としては、十分な職場復帰のプロセスを回復期に行っていなかったことが挙げられる。また、復帰先の会社・自治体等においても精神病から社会復帰した社員・職員を十分に受け入れる体制が整っていないことが挙げられる。人事担当でさえ、十分な受け入れのための知識がないのが現実であり、直属の上司や部署の同僚に知識がないケースがほとんどである。そのため、会社から理解されないケースが多くみられ、これが再休職につながることになっている。このような事態に陥らないため、会社と患者を橋渡しをして、十分な知識を享受するための事業が厚生労働省により立ち上げられた。これがリワークプログラムである。管轄の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が事業をおこない、それぞれの都道府県にある地域障害者職業センターが実施する[1]。病気の期間に、能力、集中力、体力などの低下のために、そのまま職場復帰して職場に適応できないケースが多くある。これを補うため、近年リワークと呼ばれる職場復帰プログラムが行われるようになった。リワークにより、復職後の再休職率がリワークに参加していない人に比べて低下していることが報告されている[2][3]。
事業の種類
[編集]障害者職業センターが行うリワーク
[編集]全国の都道府県にある障害者職業センターが行うリワークである。雇用保険から費用が負担される。利用者は負担なし。対象は雇用保険の対象者であり、主に会社員などが対象である。公務員・自営業者は対象とされない。利用は、在住する都道府県のセンターのほか、勤務先の都道府県のセンターも利用可能である。職員と本人が主治医と雇用主(実際は人事担当者や産業医など)に直接面談を行い、それぞれに書面において正式にリワーク実施についての許可をもらう必要がある。そのほか、心理検査や職業能力検査などが実施される。職員などの数回の面談も含め、事務手続きなどが必要となるため、実際にリワークが開始されるまでには3か月以上かかる。この間、職員との面談や仮入所などが行われる都道府県が多い。実際のリワークの期間は2か月程度である。ただし、復職期限が迫っている利用者については例外的に期間を短縮することが認められている。リワークプログラムとしては、個別プログラム、リラクゼーション、復職経験者による講演などがある。都道府県によって実施される内容が異なる。リワークには臨床心理士が担当する。
病院・診療所のデイケアサービスによるリワーク
[編集]病院・診療所の精神科デイケアサービスによるリワークが行われている。国民健康保険・社会保険が適応される。負担は3割となる。1日あたり2,000円程度となる。また、障害者自立支援法の適応を受ける人は原則1割負担(所得に応じて上限あり)となる。1日あたり800円程度となる。対象は、病院・診療所の患者で主治医に参加が認められたものとなる。現在開設されているリワークのほとんどはうつ病・抑うつ状態の患者が対象であり、双極性障害・統合失調症・睡眠障害・社会不安障害などの患者を受け入れているリワークは少ない[4][5]。費用が発生するデメリットがあるが、上記のリワークに比べて手続きが少なくて済み、早期にリワークに参加することができる。また患者の症状に合わせたきめ細かいサービスを受けることができる。期間はうつ病のケースで5か月間程度としているところが多いが、患者の症状や復職期限などの事情に合わせて柔軟に対応している。リワークプログラムとしては、個別プログラム、リラクゼーション、心理教育、認知行動療法、グループワーク、模擬復職、ディスカッションなどを組み合わせたものとなっている。リワークには臨床心理士のほか、看護師、保健師などが担当し、精神科医が統括する。
- ^ https://www.jeed.or.jp/disability/person/person04.html
- ^ https://www.jeed.or.jp/disability/person/download/mentaldisorder_pamphlet.pdf
- ^ https://www.jeed.or.jp/disability/person/download/kyusyokushien_leaflet.pdf
- ^ たとえば http://nakanoshima.sakura-cl.net/mentalhealth_support/rework/ など
- ^ うつ病リワーク研究会 http://www.utsu-rework.org/index.html