利用者:Mizuhara gumi/test2
韓国医学は日本と同様[1]中国の薬学・医学を基に発展したため[2][3]、ヒトに由来する生薬を多く用いてきた[4]。そのうち特に人糞についてさまざまな噂があるためそれらについてまとめる。
概要
[編集]朝鮮では民間療法としてヒトに由来する生薬を多く用い、人糞も薬用とした[4][5]。
また「朝鮮風俗集:全」に孝行の例として嘗糞の記述があるが、これら記録に残っている「孝行」は奇形的であり、誇張が多く信憑性に乏しいとしている。[6]
大日本帝国は日韓併合に先立ち、朝鮮統監府に1909年に慈恵医院の官制を発布させ、更に朝鮮併合後は総督府が中心となり、こうした不衛生な民間療法や迷信・風習の取り締まりを行ったが、現地の朝鮮人は抵抗し度々暴動が起こった。
またトンスルという人糞を使った伝統薬酒があるといわれるが、それを裏付ける文献は見つかっていない。
歴史
[編集]朝鮮半島は長い間、中国の属国として虐げられた貧しい地域であった。現在、北朝鮮の一般住民が飢えて食べるものがない風景は、日韓併合直前の朝鮮王朝末期では珍しいことではなかった。
便所はなく、室内に備え付けの桶や盥などに用を足していた[7]。便槽のある汲み取り式便所が普及したのは日本が衛生観念を広め、大々的に改革した明治以降である。
人糞への抵抗感
[編集]- 朝鮮人の不潔に就き、尚一層甚しきは、総て排泄物を不潔とせず、随所放尿するが如きは勿論、尿水の如きは、其感に於て清水と大差なく、場合によりては、手足又は顔面を洗ひ、甚しきは是を飲用するとあり[8]
- 韓人に衛生思想の絶無なりしは何人も知るところにして、常に残敗物を食ふて土窟の如き温突に起臥し、街頭は糞尿と牛馬糞に埋もれ、汚穢不潔言語に絶したり[9]
とあるように、朝鮮人にとって排泄物は汚いものという抵抗感はほとんど無かった。そのため、
- 元醸は粥程のものにて、之を篩に入れ、下には、昨夜寝所の用に供したる、実に怪しげの盥を置き、篩の中なる元醸をば、穢れたる両手を以て揉み、之に非常に大量の水を加へて濾過するものなり[10]
のように食器と便器の区別もなかった。
民間療法薬としての人糞
[編集]「朝鮮風俗集:全」の「朝鮮人の素人療病禁厭及迷信」にあげられた人糞を使う療法は以下の6件[4]。
- 人糞を黒飴に包み3日間夜露を受けて丸薬にして呑む
- 人糞を焼いて歯に含む
- 人糞を瓦石に塗って熱し、水に入れてその水を飲む
- 人糞に塩を混ぜて貼る
- 溝を越えて自分の大便を塗り、また溝を越えて戻る
- 人中黄 冬に人糞と甘草の粉末を混ぜた物を竹の筒に詰めて地中に埋め、夏に取り出して天日乾燥させ粉にして飲む[11]
トンスルに類する用法は見当たらない。また、人中黄の作り方も便槽に沈めるというものではない。
日本のインターネットでの動き
[編集]2000年頃から韓国には食糞文化があると噂され、
が存在すると言われていたが、どちらも出典不明で悪意のあるデマだと思われていた。
その後ホンタクは実在するが、
- 「甕に入れたエイの切り身を堆肥に埋め、発酵熱で熟成を促進させたもの」[12]
と判明し、ホンタクに人糞を用いるとの噂は否定された。
しかしトンスルについては、2005年に個人ブログに「トンスル(うんこ酒)」と題して
- 「田舎のぽっとんトイレに竹を差込み竹の中にうんこが詰まって出てきたものにお酒を混ぜて飲む」[13]
という記事が書かれ、噂と似通った製法のため「韓国にも同じ噂がある」とトンスルの信憑性が高まった。ただしブログ主は
- 「これは旦那のうわさ話を鵜呑みにして書いた日記です。どこそこに「口裂け女が出没!」っと同じレベルのお話なので真剣に受け止めないでくださいね。」
とあくまでも信憑性の薄い噂話であることを強調している。汲み取り式便所が韓国に普及したのは日韓併合後であるため、トンスルが作られるようになったのはそれより後であり、歴史の浅いものであることがわかる。
その後もそれ以外の資料が発見されることはなく噂は沈静化していたが、ネット上を中心とした嫌韓感情の高まりにつれ朝鮮に食糞文化がある証拠として再びホンタク・トンスルが盛んに話題へ上るようになった。
そうした中でロケットニュース24がトンスルに関する記事を配信し[14][15][16]、「子供の大便を用いた薬用酒の作り方を伝える唯一の生存者」という医師が名乗り出たため[17]、ネットユーザーが拡散させ世界に知れ渡った。
ただし、これらの「伝統製法」は
- 「赤ちゃんのウンコを焼いた物と複数の韓薬(秦皮(?)、ホンア、猫の骨等)を酒に漬ける」[15]
- 「6歳の子どもの大便に水を混ぜ、丸1日発酵させる。次に、炊いた白米と酵母、糞尿を混ぜて酒にする」[17]
と以前から噂されていた製法とは全く違っている。またそれぞれの作り方も異なり、本人の主張以外に根拠がないため韓国起源説の一種であると思われる。
脚注
[編集]- ^ 医心方
- ^ 医方類聚
- ^ 東医宝鑑
- ^ a b c 朝鮮の民間療法
- ^ 【噴水台】人糞 金南中(キム・ナムジュン)論説委員 中央日報 2010/8/20
- ^ 嘗糞#朝鮮
- ^ 「平素ハ浴房及厠アル無キト見ヘ日本人ノ為長五間許横三間許ノ苔葺ノ浴房ヲ作リ数處の厠ヲ置ク」 JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.B03030154900、対韓政策関係雑纂/宮本大丞朝鮮理事始末 第一巻(B-1-1-2-037)(外務省外交史料館)
- ^ 矢津昌永『朝鮮西伯利紀行』丸善株式会社書店、1894年、45ページ
- ^ 細井肇『現代漢城の風雲と名士』日韓書房、1910年、「付録・両班の衰亡」18ページ
- ^ 矢津昌永『朝鮮西伯利紀行』丸善株式会社書店、1894年、44ページ
- ^ 今村鞆『朝鮮風俗集:全』斯道舘、1914年、435ページ
- ^ ホンオフェ
- ^ トンスル(うんこ酒) - 走れ!ボンヤン一家 相方は釜山人。(2005年6月30日)
- ^ 韓国伝統の人糞酒『トンスル』とはどんな酒なのか - ロケットニュース24(β)、2009年7月31日
- ^ a b 韓国伝統の人糞酒『トンスル』を入手 / 現在も販売されており猫も材料として使用 ロケットニュース24、2012年11月9日
- ^ 韓国伝統の人糞酒『トンスル』を飲んでみた / 色は完全にウンコだが「漢方酒」のような味 ロケットニュース24、2012年11月11日
- ^ a b 韓国に数百年伝わる秘伝の「薬用酒」、実は6歳の子どもの大便が原料だった 香港紙 XINHUA.JP 2013年8月22日(木)20時44分配信 2013年8月24日閲覧
参考文献
[編集]- 矢津昌永『朝鮮西伯利紀行』丸善株式会社書店、1894年
- 細井肇『現代漢城の風雲と名士』日韓書房、1910年
- 今村鞆『朝鮮風俗集:全』斯道舘、1914年
- 細井肇『政治史』
- 荒川五郎『最近朝鮮事情』清水書店、1906年9月
- 三木栄『朝鮮医籍考』、1932年
- イザベラ・バード『朝鮮紀行』
- フレデリック・アーサー・マッケンジー『朝鮮の悲劇』
- アーソン・グレブスト『悲劇の朝鮮』
- 文匯報 環球時報、2013年
- 똥이어디로갔을까「糞はどこにいったのだろうか」、イ・サングォン著、ユ・ジンヒ画。トンスルを飲んで病気が治ったお婆さんの話を収録。
- 일상으로 본 조선시대 이야기 2「日常から見た朝鮮時代の話2」、チョン・ヨンシク著。p227に(「糞薬、トンスル、そしてトンポ」(똥약, 똥술 그리고 똥포))の話がある。