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炭素循環農法
[編集]炭素循環農法(たんそじゅんかんのうほう、英語: carbon-driven eco-agriculture)は、生態ピラミッドにおける植物と菌類(カビやキノコ)の共存共栄関係を利用した農法。農耕地に於ける炭素循環を人為的に効率化することで、慣行農法以上の生産性を実現する。無施肥・無潅水・無防除で管理が単純なことから「たんじゅん農法」ともいう。
定義
[編集]炭素循環農法は特定の技術を指すではなく、『自然が生き物(“いのち”)を生かす仕組みを理解し、農耕地に於ける炭素循環を人為的に効率化。「炭素循環量」を森林並か、それ以上にすることにより結果として無施肥・無施水・無防除になってしまう、農法以前の仕組みの説明』である[1]。
概要
[編集]炭素循環農法は、ブラジルの野菜農家、峯均が『山の木は水も肥料もやらないのに何故あんな大木に成長するのだろうと、毎日のように山に入って土を掘ったり、匂いを嗅いだりと徹底的に観察』して確立した農法を、近隣のキノコ栽培農家、林幸美が既存知識で理論付け一般化したものである[2]。耕作者が意図しなくても、炭素循環農法となっている圃場がある[3]。炭素循環農法にあてはまる圃場は以下の基準を満たしている。
炭素循環農法の基準
[編集]農法としての特徴
[編集]微生物に土壌環境コントロールを任せる
[編集]作物の生育状態や、気候の変化等に完全に対応し、土壌環境を直接コントロールすることは、現在のところ不可能である。そのため、微生物に任せる方が慣行農法より高い生産性を実現できるとする[4]。
炭素循環の重視
[編集]炭素循環とは光合成(二酸化炭素固定)、有機物分解(二酸化炭素放出)をさす。微生物が有機物を分解して増殖できるということは、微生物に必要な他の全ての養分は足りていることを意味する。したがって、炭素の循環さえ図れば他の養分は過不足なく同時に循環する[5]。
炭素循環の効率化
[編集]酸素の供給
[編集]生き物には「水、餌」以前に酸素が必要である。直径1~1.5cmの棒が数十cm以上刺さるほど土が軟らかでなければ、心土に空気を入れる心土破砕(深度80cm以上)を、農作業ではなく、一回限りの環境整備のための土木工事として行うとよいされる[6]。
高炭素資材の土壌投入
[編集]土壌中での有機物の分解は、C/N比40(炭素比=炭素量/窒素量)を境に、以下なら最も下等なバクテリア(真正細菌)、以上なら土壌微生物中では最も進化の上位にいる糸状菌(菌類)が主に行う。これを応用し、高炭素資材(C/N比40以上)の土壌投入により、植物との関係が深い糸状菌(菌類)に炭素を供給する[7]。
炭素循環量の最低限度
[編集]炭素循環量の最低限度は、その地方の、潜在自然植生による有機物純生産量の推定値が基準であり、緑肥作物(炭素固定量が最大になったイネ科)の生産量とほぼ同じとされる。なお、寒冷地帯では分解量の少なさを貯留量で補うことによって必要な量が確保されている[8]。
誤解
[編集]- 岡田茂吉の自然農法、シュタイナーのバイオダイナミックス、EM農法などを元にしているとする誤解 元になった峯の農法は独自に確立されたものである[9]。
- 肥料の代わりに高炭素資材を施用する農法であるとする誤解 耕地内で適正な有機物量が生産できるようになれば、高炭素資材は不要[10]。
- 施肥を禁忌とする誤解 炭素循環農法の定義によれば、無施肥は結果であり、禁忌ではない。
- 大気から固定できる窒素と異なり、リン酸は補給する必要があるので無施肥は成立しないとする誤解。 慣行農法の耕地には、収穫物による持出し量の約10〜20倍のリン酸が毎作施用され、不可給態として耕地に蓄積している[11]。微生物はこれを可給化できるので、実際にリン酸が制約因子となることは考えにくい。
- 常識に反しているという誤解 自然の仕組みは一つ。なので、前提条件が施肥と無施肥という正反対の関係であるために、両者の前提条件の範囲内での常識は当然のことながら正反対になる[12]。
研究
[編集]歴史
[編集]1990年頃、ブラジルの野菜農家、峯均が自然観察をもとに独自に無施肥農法を確立した。圃場には五千人以上の見学者が訪れたという。雑誌の記事でそれを知った近隣のキノコ栽培農家、林幸美は、峯の畑を見て説明を聞き、既存の知見と照らし合わせて理論化し、2001年2月27日にウェブサイト『炭素循環農法(百姓モドキの有機農法講座)』を開設した。その後2004年10月農業誌「現代農業」に『糸状菌を生かして野菜づくり「炭素循環農法」の実際』を寄稿した。2008年12月、城雄二が交流サイト『たんじゅん農法の広場 』(2016年5月よりたんじゅん農を楽しむ広場』に移設)を開設し日本での普及につとめる。2012年11月、ブラジル・サンパウロ州の炭素循環農法実施野菜農家圃場を国際農林水産業研究センターと筑波大学が合同で調査を実施した。2013年9月、同調査結果の一部をとりまとめた論文プレプリントで、炭素循環農法の英文表記を"carbon-driven eco-agriculture"とした[13]。
外部リンク
[編集]carbon-driven eco-agriculture(iCas)
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- ^ “炭素循環農法(概要)”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “有機自然(手抜き)農法プロフィール”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “有機自然農法(炭素循環農法)の実際”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “有機自然農法の基礎知識”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “炭素循環による有機農法 Q&A”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “地球を壊さない有機自然農法の基本”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “炭素循環農法(概要)”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “炭素循環による有機農法 Q&A3”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “有機自然(手抜き)農法プロフィール”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “有機自然農法(炭素循環農法)の実際2”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “十勝地域の普通畑黒ボク土における元素の蓄積量と消耗量の評価”. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “炭素循環による有機農法 Q&A2”. tan.tobiiro.jp. 2023年1月9日閲覧。
- ^ Oda, Masato; Tamura, Kenji; Nakatsuka, Hiroko; Nakata, Miki; Hayashi, Yukimi (2013-09-12) (英語). Carbon-driven eco-agriculture without nitrogen deficiency .