利用者:Mag helicity/sandbox

各緯度における太陽内部の自転速度分布。図の縦軸は自転の周波数（周期の逆数）、横軸は太陽半径で正規化した太陽中心からの距離である。太陽表面に近い対流層では差動回転をしており、内側の放射層ではほぼ一定の角速度で自転している。これらの領域の間の遷移領域をタコクラインと呼ぶ。

磁束管(じそくかん、英: Magnetic flux tube)とは、磁力線の管状（筒状）の集合体を意味する。 主に、太陽、太陽圏、地球、太陽系内の諸惑星についての研究で使用される概念である。 太陽圏内では、磁場に起因する太陽フレアや磁気嵐などの突発的なエネルギー解放現象が発生する。 これらの現象の中では、磁場の形状が磁束管とみなせる事が多々ある。 これらの磁場は太陽磁場を起源としている。

太陽における磁束管

太陽光球面の磁場データを調べると、正極負極の磁場が局所的に存在している事が分かる。

代表的な例が これらの独立した磁力線の塊を、磁束管と呼ぶ。

双極磁場によって構成されている太陽活動領域の場合、領域が形成されるまでの観測例から、磁束管の浮上によって近似できると考えられている。 この観測例とは、まず隣接した正極負極の磁場が出現し、時間の経過とともに離れていく。 これらの磁場が離れていく間、その中間点には小さな正極負極のペアが連続して出現し、最初に現れた磁場のペアへ合流し、磁束量は増加する。

太陽圏内における磁束管

太陽圏、地球、および諸惑星の研究においては、 太陽から放出された磁場の塊が磁束管とみなされている。 太陽フレアやフィラメント噴出が発生すると、 コロナ中の太陽プラズマが太陽圏へと放出されるコロナ質量放出が起きる事がある。 この時、太陽プラズマとともに、コロナ中の太陽磁場も放出される。 この磁場の塊は、磁気雲(magnetic clod)と呼ばれ、磁気嵐の発生原因になる。 磁気雲の内のいくつかは、折れ曲がった磁束管で近似できると考えられる。 磁場の塊が放出された時である。

数式による表現

磁気流体力学の範疇において、ローレンツ力は磁気圧力と磁気張力に分解される。 磁気圧力は、磁力線間に働く反発力であるため、 なんの拘束も無ければ、局所的に存在している磁力線は拡散する。 磁力線が、磁束管とみなせるように局所的に存在するためには、 なんらかの力によって磁気圧力を打ち消す必要がある。 ここで考慮する力は、磁気張力と外部からの圧力である。

外部リンク

• Section 3.2 from Living Reviews in Solar Physics
• 国立天文台の日震学研究グループによる日震学の紹介ページ（日震学とは）の「対流層の深さ・内部角速度分布」の項目