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利用者:Lubrican/sandbox

M364 「自動車用ガソリン機関潤滑油規格」

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0W-8および0W-12を対象した超低粘度ガソリン用エンジンオイル規格。適合したオイルはGLV-1と呼称。2019年10月1日より運用開始。

日本国内においては0W-8相当のオイルを2010年代前半の時点で純正オイルとして投入したメーカーがあり[1]、2019年には0W-8表記のオイルを採用したメーカーがある[2]。更に戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)における革新的燃焼技術の研究開発ではエンジンオイルに0W-8が用いられていた事からも早期の規格化が求められていた。

国内にて主流であるガソリンエンジン用規格はAPI/ILSAC規格である。SAE粘度分類(SAE J300)に限るとSAE16は2013年に、SAE8と12は2015年と比較的早期に追加された。しかしAPI/ILSACにおける低粘度への対応はAPI:SN規格の時点では0W-16が2014年に追加されたのみであり、燃費基準を設ける事が出来なかったためILSAC:GF-5の対象粘度には含まれなかった。0W-16のILSACを含めた完全な採用はSP/GF-6Bまで待たなければなかったが当初2015年1月を予定していたGF-6の開発は遅延し導入は2020年となった。このGF-6Bにおいても対応するのは0W-16までであり、0W-8および0W-12は対応しない。SP/GF-6Bの開発は10年近くかかっており、0W-8/0W-12の規格化を待つとなると少なくない年数が生じてしまう。またAPI/ILSACは日本側の意見が反映されにくく、低粘度化が著しく先行している日本に対しアメリカ側は比較的保守的な粘度を主体とするため早期の対応は期待しにくい。

そこで日本独自で先行して超低粘度オイルを規格化したのがM364(GLV-1)となる。規格化にあたって問題となったのが燃費試験であり、既存のAPI/ILSACでは対応できなかった。そこで規格化されたのがJASO M365(モータリング燃費試験方法/日産MR20DD使用)とM366(ファイアリング燃費試験方法/トヨタ2ZR-FXE使用)である。これら燃費試験を含む各種試験項目を規定して規格化されたのがM364(GLV-1)となる。

GLV-1にて要求されている省燃費性は以下の通りとなる。

省燃費性試験
燃費向上率 試験方法
ファイアリング試験 1.1%以上 M366
モータリング試験 0W-8 : 2.0%以上
0W-12 : 1.7%以上
(国内モード)
M365

試験はファイアリングもしくはモータリングのいずれかをクリアする必要がある。なお向上率の基準となるオイルの粘度は0W-20となる。

独自で新規に開発された試験は省燃費性試験のみであり、その他の項目は超低粘度オイルでの適合性を確認した上でAPI/ILSACで採用している試験にて構成される。具体的にはGF-5規格で採用されているものとGF-6で採用されるものの組み合わせとなる。当規格はGF-6より半年ほど早く運用が開始されるが一部を前倒しで採用した形となった。なおGF-6より新規導入されるチェーン摩耗試験は規格に含まれるがSN plusにて規定されたLSPI試験は含まれない。

以上のことからGLV-1は省燃費性以外はSN/GF-5と同等以上の性能をもつという扱いとなっている。

  1. ^ 2012年11月発売のホンダ・N-ONE(NA車)に採用されたウルトラNEXTは0W-8相当とされる。
  2. ^ 2019年3月発売の日産・デイズ三菱・eKのNA車。