利用者:Kovayashi/sandbox4
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時間領域天文学[1](じかんりょういきてんもんがく、英: Time-domain astronomy)または時間軸天文学[2]は、天体が時間の経過に伴ってどのように変化するかを研究する天文学の分野の一つ。新星、超新星、閃光星、ガンマ線バーストなどの突発天体[注 1]や、変光星、パルサー、活動銀河核などのある程度の周期で変化する天体が研究対象とされる[1]。太陽表面の活動の変化も時間領域天文学の研究対象となる。これら天体の変動を観測対象として、その天体の性質や変動が起こる機構、変動の進化を明らかにするのが時間領域天文学の目的である[1]。
対象
[編集]突発天体
[編集]変光星
[編集]観測手法
[編集]可視光や赤外線の波長領域では、シュミットカメラのように広視野の望遠鏡が用いられる。 変化の時間尺度はミリ秒単位から年単位まで、観測対象となる天体によって異なる。たとえば脈動変光星
可視光領域での時間領域天文学の研究としては、HAT-South、ベラ・ルービン天文台、パンスターズ (PanSTARRS) 、スカイマッパー、WASP (WideAngle Search for Planets) 、カタリナリアルタイムトランジェントサーベイなどが該当する。
電波天文学では、電波の突発現象を探索するLOFAR (LOw Frequency ARray) がある。電波の時間領域天文学には、既に長く研究されてきたパルサーや電波シンチレーション[注 2]も含まれる。チェレンコフ望遠鏡アレイ、eROSITA、AGILE、フェルミガンマ線宇宙望遠鏡、高高度水チェレンコフガンマ線天文台、INTEGRAL、MAXI、ニール・ゲーレルス・スウィフト、およびSpace Variable Objects Monitorは、X線とガンマ線の突発現象を観測する。ガンマ線バーストはよく知られた高エネルギー電磁波の突発現象である。
時間領域天文学では、リモートテレスコープ、突発現象の自動分類、関連研究者への迅速な通知などの手法が用いられる。ブリンク・コンパレータは、2枚の写真乾板の違いを検出するために長く使われてきたが、デジタル写真によって2画像の差を抽出することが容易になってからは画像間演算がより多く使用されるようになった。 時間領域の研究では、膨大な量のデータが保存・転送される。これには、データマイニング技術、分類、混成データの取り扱いなどが含まれる[5]。
歴史的には、彗星の検出やケフェイド変光星などが行われてきた。ハーバード大学天文台が所蔵する1880年代から1990年代初頭までの古い写真乾板は、DASCHプロジェクトによってデジタル化が進められている[4]。
その他の時間変動の原因としては、小惑星、日食、マイクロレンズ、惑星遷移、変光星などがある。
2015年にホノルルで開催された国際天文学連合の総会で時間領域天文学のワーキンググループ (Working Group on Time Domain Astronomy, TDA WG) が設立された。
注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “時間領域天文学”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2021年2月15日). 2021年12月28日閲覧。
- ^ 大栗真宗「新種の時間変動重力レンズの発見」『天文月報』第112巻第11号、2019年、758-769頁。
- ^ “突発天体”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2019年5月13日). 2021年12月28日閲覧。
- ^ “電波シンチレーション”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2021年2月15日). 2021年12月28日閲覧。
- ^ Graham, Matthew J.; Djorgovski, S. G.; Mahabal, Ashish et al. (2012). “Data challenges of time domain astronomy”. Distributed and Parallel Databases 30 (5-6): 371-384. arXiv:1208.2480. doi:10.1007/s10619-012-7101-7. ISSN 0926-8782.