利用者:Koba-chan/研究者
専門用語
[編集]各分野の執筆者はその分野では常識とも思える専門用語を用いることでお互いに簡潔に誤りなく意思の疎通が可能です。
巧い例が思い浮かばないのですが、ある人物が「あれ」と言えば同じ分野の人物は「それ」ではない「あれ」を容易に知り得て、円滑に意思や表現の疎通が出来ます。
この極端とも言える反対の例として、先日、テレビ番組で読唇術の出来る聾者が入院中に感じた孤立を紹介してみます。その聾者は病気の説明を医師から受けた際に見知らぬ言葉を読み取り、その言葉の意味することが理解できずに苦しんだとのこと。
百科事典に書かれている解説を読むのは誰なのかを考えるとより良い回答が得られると思います。素人が読むのか、初学者が読むのか、専門家が読むのか。分野ごとにその対象は異なり、扱う記事により利用者の対象は変化していきます。
解決する一つの例として次のような方法、または手順があります。
ウィキペディア日本語版には本来ならあるべきはずの記事が欠落しているケースがそこここに見られます。特に基本用語は目を覆うばかりです。専門家でない執筆者の多くは足りない記事の補填を急務と考え、ネット上に流布している用語事典まがいのものや伝聞のみで構成された日記やブログを集合知とばかりに掻き集めてウィキペディアに持ち込もうとします。一方、網羅的な知識を持っている専門家は基本用語から派生する更に専門的な解説まで視野に入れて基本用語を解説しようと心掛けます。その結果、専門家であればあるほど、広範な知識と長い経験を持つ専門家ほど基本用語の解説から遠ざかってしまったり、後回しにしてしまう傾向があります。
良心的な執筆者は解説全体で 5W1H を執筆時に心掛けます。いつ・どこで・だれが・なにを・どのようにした、のか。ウィキペディアの解説セクションに当て嵌めてみると「歴史・場所・関わった人々・関わる事物・具体的な事例」を個々に分けると解説内容の重複を防ぐことが出来て、解説の見通しもよくなります。ここで忘れてならないことは、個々に分けたセクションの中で更に 5W1H を心掛けた解説を試みるか否かです。
ウィキペディアはネット百科事典ですから○○○の用語にリンク付けをすることで容易に更に詳しい解説に辿りつけるる利便性がありますが、ここで問題になるのが前述の基本用語の欠落です。基本用語には限定的な意味を持つものもあれば複数の意味や異なる分野ごとに異なった使われ方をするものがあり、専門家が基本用語を執筆する際に二の足を踏む原因の一つがこういった点とも言えます。
具体例を揚げると、専門用語の○○○があった場合、専門家や知識のある利用者を想定した解説では文中でいきなり○○○を用いても意味が通じます。これに対して、素人が利用することを想定した場合には○○○が専門用語なのかどうかがまず分かりません。言わば、「専門用語らしき『○○○』」を更に調べないと理解できない状況が生まれます。
基本用語は重要である、しかし、基本用語を執筆するのは大変である。最も簡単な解決方法が更に 5W1H を心掛けた解説を試みる、です。専門用語の○○○を用いたいのなら○○○の前後にその解説限定の必要最低限度の補足説明をすることです。ウィキペディアの解説文章は利便性の上からはリンクを前提にした解説構成がありますが、紙に印刷したり、コピー&ペーストで利用されることもあります。リンク先に依存した解説文章だけを読むと殆どの場合に門外漢には理解できません。丁寧に補足説明がされている解説文章は単独で利用されたとしても意味が通じます。ネットに接続している場合は更に詳しい解説を読むことができます。
ウィキペディアは長い年限をかけて作り上げていくプロジェクトです。数年先には欠落している基本用語の幾つかは単独の記事として生まれていくことでしょう。それまでの繋ぎ、或いは部分的な穴埋めとして、専門記事中に書かれた補足解説は基本用語記事の素材として生かされていくことになります。