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Urban Terror(アーバンテラー、通称: UrT)は、FrozenSandによって開発されたフリーウェアのマルチプレイヤーファースト・パーソン・シューター (FPS) である。元々は、id SoftwareのQuake 3 Arenaのトータルコンバージョンであり、ioquake3をエンジンとして利用したフリーのスタンドアローン・ゲームとして、FrozenSandが2007年にリリースした。ioquake3プロジェクトは、GPLライセンスに基づいたid Softwareのid Tech 3エンジンを使用しているが、Urban Terrorのリソースやコードはクローズソースである。
Urban Terrorは2007年に、Mod DBのMod of the Year Awardにノミネートされた[1]。
歴史
[編集]Urban TerrorはQuake III Arena向けのマップパックとして1998年に開始され、リアルな世界を模倣したプレイ環境が特徴とされた。これがきっかけとなり、Action Quake 2に類似した、リアルな武器とプレイ要素を取り込んだ、完全なトータルコンバージョンが実現した。2000年の春には、いくつかの国から開発者が集まり、Silicon Ice Developmentが結成された。彼らの多くはQuake III Engineのゲームの修正に携わっており、それゆえ、Urban Terrorの開発は早く進んだ。
最初のバージョンであるベータ1.0はQuakeCon 2000でリリースされ、Urban Terrorはリアリティとグラフィックの上で、最も完成度が高いModとされた。ベータ1.0は急速に人気を集め、多くのサードパーティ製のマップが利用できるようになった。開発チームが拡大し、2000年後半にはベータ1.27がリリースされた。
ベータ2.0は2001年6月にリリースされ、主にクオリティの点で飛躍的な向上を遂げた。新しいテクスチャや、モデル、武器、サウンド、マップにより、このModは同時期の多くの商用ゲームに引けを取らないレベルとなった。次のメジャーリリースは2001年8月にQuakeCon 2001で発表され、マップをいくつか追加したベータ2.3となった。ベータ2シリーズの最後のリリースは2003年1月に発表され、武器のバランスに関する修正が主であるベータ2.6aとなった。
2003年8月にはベータ3.0のリリースがあり、主にUrban Terrorのグラフィックが修正された。これ以降11か月間、7回以上のアップデートがリリースされ、2004年7月にはついにベータ3.7となった。Quake III Arena向けのUrban Terrorの作業は減速した。これは、Silicon Ice Developmentが、新しい乗り物とゲームプレイを導入したUrban Terror MXを掲げ、Wolfenstein: Enemy Territoryのリリース作業を行っていたためである。この時期、Silicon Ice DevelopmentはFrozenSandに名を改めた。Urban Terror MXはアルファ版に到達することなく、2006年にプロジェクトは打ち切られた。
ID Tech 3エンジンのソースコードの公開に伴い、Urban Terrorは合法的にスタンドアローン・ゲームとしてリリースすることができた。Urban Terrorベータ4.0は2007年4月にリリースされ、これはioquake3プロジェクトのエンジンが使用されている。Urban Terrorはスタンドアローン・ゲームとなった。ベータ4.0は、グラフィックの見直しのほか、新しいマップの追加や、多くの改良やバグフィックスが取り込まれた。Quake III Arenaはもはやプレイに必要ではなくなったため、Urban Terrorの人気はさらに高まった。2007年12月にはUrban Terrorベータ4.1がリリースされ、2011年1月に4.1.1がリリースされた。
2010年12月25日にUrban Terror HDのアルファ0.1のテストが一般にリリースされた。これは新しいエンジンや武器、キャラクタが導入されている。
2012年8月4日にUrban Terror 4.2ベータがリリースされた。
2014年4月中旬に、メインサーバであるwww.urbanterror.infoがハックされた(ゲームバージョンは4.2.018)。メンテナンスのためサイトがオフラインになり、結果として2014年4月終わりごろまでゲームがプレイできない状況が続いた。
ゲームプレイ
[編集]Urban Terrorは、「Hollywood tactical shooter」(ハリウッドの戦術的なシューティング)として、FrozenSandが宣伝している。このゲームは、Quake III Arenaや、Unreal Tournament、Counter-Strikeといったゲームの要素を含んでいるが、以降に挙げるような特徴によって、リアリティをもたらしている。
持ち運べる武器の数とギアには制限がある。ダメージもQuake III Arenaに比べてリアルであり、プレイヤーの身体の部位ごとに判定される。プレイするマップによっては、外の環境がリアルであり、雨や雪といった天候のエフェクトが適用される。天候のエフェクトは、管理者の権限の下、ゲームの変数によってコントロールできる。
Urban Terrorでは超人的なプレイを可能としている。ダメージが主な例であり、受けるダメージはヒットした身体の部分に依存するが、何度もヒットした後はダメージを受けたままの状態が続く。さらにリアルを超える例として、Urban Terrorは、Quake III Arena由来の移動速度を実現しており(いわゆるサークルジャンプ)、これにより空間を非常に速いスピードで移動できる。壁ジャンプやパワースライディングもこの類である。壁ジャンプは、文字通り、壁を蹴ってジャンプすることで、より高く、遠く、そしてより速く移動することである。パワースライディングは、プレイヤーがスライディングする際に、ただちにしゃがむことで、スピードを維持することである。このような特性は、特別に作られたジャンプマップをプレイするためのコミュニティを生み出した。ジャンプマップでは、難易度の高いコースがいくつか連続しており、ゴールに到達することを目的とする。
多くのゲームモードが用意されており、Team DeathmatchやCapture the FlagといったFPSの典型的なモードをはじめ、Team SurvivorやFree-for-All(Deathmatch)、Bomb & Defuse、Capture & Hold、Follow the Leaderがある。Urban Terror 4.2では、Last Man Standingや、Freeze Tag、Gun Game、Jump Mode(前述のジャンプマップ用の特別なモード)といった新しいゲームタイプが追加された。
武器と装備
[編集]プレイヤーには、プライマリ、セカンダリ、サイドアーム、グレネードのスロットを1つずつと、3つの汎用的なスロットが用意されている。プレイヤーは最低限ピストルを1つと、プライマリの武器を1つ選択する必要がある。また、常時デフォルトでKa-Barナイフが自動的に装備される。セカンダリの武器を、プライマリの武器として装備することも可能であり、また、殺されたプレイヤーが落とした、プライマリの武器を拾うことも可能である。
残りの5つスロット(セカンダリ、グレネード、汎用)のうち、3つまではスポーン時に割り当てられている可能性がある。未使用のスロットについては、後でゲーム中に死んだプレイヤーから拾った武器で、埋められることになる。
プレイヤーは、ハンドグレネード2つかスモークグレネード2つのいずれかを選択することができ、また、3つのセカンダリの武器のうち1つを選ぶことができる。最終的に、汎用的なスロットは、Kevlarベストや武器に付属させるアイテムで埋められることになる。
ダメージとスタミナ
[編集]Urban Terrorにおけるダメージの判定は、プレイヤーの身体を、頭、胴、腕、脚の4つの部位に分離させることにより行われる。頭と胴への影響については、KevlarベストやKevlarヘルメットのようなゲームアイテムで軽減させることができる。ダメージの仕組みに付け加え、怪我については包帯をする(バンデージ)必要がある。脚を負傷した場合は、包帯をするまでプレイヤーの移動がかなり遅くなる。包帯をしていないと、プレイヤーはそのうち出血により死に至ることになる。プレイヤーはお互いに包帯をし合うことで、各々の体力をいくらか回復することができる。プレイヤーがメディキットアイテムを装着していると、包帯をするスピードがかなり速くなり、また、他のプレイヤーを完全に近い状態まで回復させることができる。メディキットを持っているプレイヤー自身も、他のプレイヤーから完全に近い状態まで回復してもらうことができるが、この場合、包帯をするスピードは速くならない。
スタミナの仕組みも存在し、ジャンプやスプリントによりスタミナが減少する。スタミナの量はプレイヤーの体力に関係している。Kevlarベストを装着するか拾うと、スタミナが大きく減少する。スタミナを最も早く回復させるには、プレイヤーが動かずにその場でしゃがむことであるが、普通の移動であれば少しずつでも回復する。
脚注
[編集]- ^ “2007 Mod of the Year Awards: Top 100”. Mod DB. 2008年1月13日閲覧。
外部リンク
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