利用者:Kk8998982/燃焼の化学反応機構
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燃焼の反応機構
[編集]燃焼の化学反応機構は100以上の素反応を経るためかなり複雑である。各素反応は、開始反応、連鎖分岐反応、置換反応、停止反応の4つに分類される。
水素ガスの場合
[編集]水素ガス(H2)の燃焼が最も単純なため(理由は、反応には水素と酸素の2種類の元素のみが関わるため)、先ず水素の燃焼機構についてのべる。
- H2 + M → H + H + M (水素分子の開裂)
- O2 + M → O + O + M (酸素分子の開裂)
このうち、結合エネルギーから、水素分子の開裂のほうが起こりやすい。
- 連鎖分岐反応(ラジカルの数が増える反応で、開始反応以外のもの)
- O2 + H → OH + O
- H2 + O → OH + H
- O2 + OH → HO2 + O
- 置換反応(ラジカルの個数は変わらず、種類が変わるもの)
- H2 + OH → H2O + H
- H2 + HO2 → H2O + OH
- 停止反応(ラジカルの数が減少するもの)
- H + OH + M → H2O + M
- H + H + M → H2 + M
- O + O + M → O2 + M
高校までの化学の授業では、水素ガスが燃焼する反応は、単に
- 2H2 + O2 → 2H2O
と習うのであるが、これは反応前と反応後の物質収支を述べたに過ぎず、実際には上記のように複雑な過程を経て最終的には停止反応により反応が終息する。
また、燃焼がいったん開始すると継続して行われ、悪条件により暴走すると爆発(爆燃または爆轟)に至るのは、ラジカルが急速(等比級数的に)に増加する連鎖分岐反応を経るからである。
注
[編集]燃焼の化学反応機構を研究する分野では、慣習上例えば水素ラジカル2個を表現する場合、"2H"とは書かず、"H + H"のように表記する。また、Mはここでは任意の化学種である(エネルギーだけを与えたり、持ち去ったりするもの。反応の前後で化学変化をしない)。