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バリシアーゴルフリンクス
バリシアーゴルフリンクスはタイのバンコクにある18ホールのゴルフコース。場所はバンコク中心部から南東、車で約35分に位置する地区「バンラカット」に存在して、プライベートゴルフクラブ「バンラカットクラブ」のコース施設である。コースの全長は7,115ヤード、設計は米国のゴルフコース設計家ギル・ハンスにより行われた。コースのモチーフは世界中のゴルフ史家およびコース設計愛好家の間で伝説的な存在とされるリドーゴルフコース(1917年開場、第二次大戦中に閉場)である。
リドーゴルフコースは英国の著名なゴルフライター、バーナード・ダーウィンがパインバレーゴルフクラブ(1918年開場)と同等と評価しており、バリシアーゴルフリンクスはその世界最高のコースとして名高いリドーゴルフコースに敬意を表し、当時の18ホールを再現して造られ、2021年9月に9ホールが開場、同年12月に残り9ホールが開場された。
経緯
[編集]バリシアーゴルフリンクスの開発は、かつて同地に存在した18ホールのゴルフコースKiarti Thanee Country Club (1997年~2017年)の再開発事業としてスタートした。
2017年6月、Kiarti Thanee Country Clubの保有会社Kiarti Thanee Country Club Co., Ltd.は2018年にプロジェクトが満期を迎えるにあたり、満期後の土地利用を引き続きゴルフコースとすること、ゴルフコースは新たなコース、新たなオペレーター(運営者)の下での事業とすることを決定した。そして、パートナーに日本のゴルフ場経営の専業である株式会社横浜国際ゴルフ倶楽部を指名した(株式会社横浜国際ゴルフ倶楽部は2006年よりタイ国内において複数のゴルフコースの運営に携わっていたことから指名された)。
2018年になると、新ゴルフコースの開発主体と完成後の運営は株式会社横浜国際ゴルフ倶楽部が行い、コース設計は株式会社横浜国際ゴルフ倶楽部の指名により米国のゴルフコース設計家ギル・ハンスに依頼することで合意がなされた。
開発
[編集]2017年2月~2018年2月、設計家ギル・ハンスならびにパートナーのジム・ワグナーは、何度も同地を訪れ、新ゴルフコース設計の方向性について検討を重ねた。 その結果、新ゴルフコースの設計はKiarti Thanee Country Clubのリノベーションではなく、用地を更地化して全く新しいレイアウトを作ること、そして、用地には大量の土を搬入してアンジュレーションを持たせたゴルフコースを作ることになった。 2017年12月、Kiarti Thanee Country Clubは計画通り閉場となり、同地で新ゴルフコースの開発が始まった。
設計にあたり、ギル・ハンスは平坦かつ特徴が見出せない用地のハンディキャップを逆手にとって、1世紀前に米国 ニューヨーク・ロングアイランドに実在したリドーゴルフコースをモチーフに新しいゴルフコースを造成すると決心した。そのリドーゴルフコースは米国最高のゴルフコース設計家チャールズ・ブレア・マクドナルドにより造られたコースで、チャールズ・ブレア・マクドナルドはその他にシカゴゴルフクラブ(1894年)およびナショナルゴルフリンクスオブアメリカ(1911年)も手掛けたゴルフコース設計家である。チャールズ・ブレア・マクドナルドが手掛けたリドーゴルフコースの造成は、建設エンジニア、セス・レイノアと協同して、樹木のない115エーカーの湿地帯をリノベーション等行うとともに、コースの高さを海岸レベルに合わせるため、約200万立方ヤードの砂を移動させてコースを完成させた。こうして誕生したリドーゴルフコースは、米国および英国において人工的に造られた初めてのコースである。
ギル・ハンス自身はバンラカットクラブの再開発プロジェクトの中心となるバリシアーゴルフリンクスへのコースリノベーションにあたり、リドーゴルフコースの理論および哲学をコンセプトにスタッフとともに、先ずは用地内の芝、樹木を撤去し、造成を開始した。なお、このゴルフコース名は、ギル・ハンス の提案で付けられており、チャールズ・ブレア・マクドナルドがロングアイランドに住居としていた「バリシアー」という不動産の名称が由来とされている。
設計・施工
[編集]ハンス・ゴルフ・デザインのパートナーであるギル・ハンスおよびジム・ワグナーは、近年では、2016年ブラジルリオデジャネイロのオリンピックゴルフコース新造を始め、米国フロリダ州ストリームソングリゾートのブラックコース、米国ジョージア州ウーピーマッチクラブ、米国ノースカロライナ州 パインハースト#4のリノベーションを手掛けたほか、全米オープン開催コースのニューヨーク州ウィングドフットウェストコース(2020年開催)、マサチューセッツ州カントリークラブ(2022年開催)およびカリフォルニア州ロサンゼルスCCノースコース(2023年開催)など、クラシックデザインで設計された全米オープン開催前リノベーションを多数手掛けていることから、別名「オープンドクター」とも呼ばれている。
なお、バリシアーゴルフリンクスは、ハンスゴルフデザインによるアジア初のプロジェクトである。
バック9の造成は2021年8月、フロント9については同年12月にそれぞれ完了した。オリジナルのリドーゴルフコースはリンクスコースで、砂質の土壌にしっかりと芝張りをめぐらしたことにより、安定したボールの転がりをもたらしていた。ギル・ハンスもバリシアーゴルフリンクスで同じ条件を求めたため、芝は細葉のゾイシアグラスが採用された。これらはリオデジャネイロ オリンピックゴルフコースで使用されたジオンゾイシアグラス同質のものである。
ギル・ハンスがバリシアーゴルフリンクスのデザインモデルとしてリドーゴルフコースを選んだ理由は、バンコクの土地も平坦で樹木がなく、ゴルファーを惹きつける特徴を見出すことができないため、リドーゴルフコースの造成をヒントにバリシアーゴルフリンクスのデザインも人工ではあるものの、自然を想わせるような変化が必要であると考えた。その考えにしたがい、彼らはリドーゴルフコースと同様に、コースの一部に6メートルの高低差を作るため盛り土することを提唱、その盛り土に耐え得る土壌造りを行うため、コース敷地内に多数の杭を打ち込んだ。
ホール構成
[編集]ホール | バリシアーゴルフリンクス | リドーゴルフコース |
---|---|---|
1. | First, 407, par 4 | First, 384 yards, par 4 |
2. | Dog’s Leg, 510 yards, par 4 | Plateau, 421 yards, par 4 |
3. | Eden, 206 yards, par 3 | Eden, 175 yards, par 3 |
4. | Channel, 606 yards, par 5 | Channel, 466 yards, par 5 |
5. | Cape, 455 yards, par 4 | Cape, 378 yards, par 4 |
6. | Plateau, 407 yards, par 4 | Dog’s Leg, 493 yards, par 5 |
7. | Hog’s Back, 506 yards, par 5 | Hog’s Back, 469 yards, par 5 |
8. | Biarritz, 217 yards, par 3 | Ocean, 234 yards, par 3 |
9. | Leven, 330 yards, par 4 | Leven, 357 yards, par 4 |
OUT | 3,644 yards | 3,615 yards |
10. | Alps, 405 yards, par 4 | Alps, 414 yards, par 4 |
11. | Lagoon, 440 yards, par 4 | Lagoon, 408 yards, par 4 |
12. | Punch Bowl, 465 yards, par 4 | Punch Bowl, 433 yards, par 4 |
13. | Knoll, 327 yards, par 4 | Knoll, 316 yards, par 4 |
14. | Short, 132 yards, par 3 | Short, 148 yards, par 3 |
15. | Strategy, 381 yards, par 4 | Strategy, 404 yards, par 4 |
16. | Redan, 207 yards, par 3 | Redan, 206 yards, par 3 |
17. | Long, 616 yards, par 5 | Long, 563 yards, par 5 |
18. | Home, 498 yards, par 4 | Home, 424 yards, par 4 |
IN | 3,471 yards | 3,448 yards |
TOTAL | 7,115 yards | 7,063 yards |
チャールズ・ブレア・マクドナルドとセス・レイノアはリドーゴルフコースを含む12コース以上のプロジェクトを手掛けた。両氏が手掛けたプロジェクトの特徴は特定したホールをテンプレート化したことにあり、その特徴は当時の米国ではユニークな建築家として受け入れられた。チャールズ・ブレア・マクドナルドはこの取り組みについて、「理想的なホールの再現」と提唱した。実際、リドーゴルフコースの各ホールは現存するホールデザインに触発され造成されたものである。そのホールデザインは、例えば、スコットランドに現存するノースベリックのレダン、イングランドに現存するリトルストーンのチャンネルなど様々なホールがあり、欧州的ではないホールも現存している。チャールズ・ブレア・マクドナルド自身がロングアイランドの東端に造成したいくつかのホールは、1911年に開場したナショナルゴルフリンクスオブアメリカのケープホールに影響を受けたと言われている。
バリシアーゴルフリンクスの18ホールはリドーゴルフコースの再現であり、その再現はチャールズ・ブレア・マクドナルドとセス・レイノアが推奨したクラシック理論に基づくコース造成であった。そのクラシック理論に裏付けされたテンプレートはほぼ忠実に再現されており、唯一異なる点はプラトーとドッグレッグホールの順番が入れ替えられていることである。もっともリドーゴルフコースのすべてのホールがクラシック理論およびチャールズ・ブレア・マクドナルドのオリジナルを踏襲しているわけではなく、それはバリシアーゴルフリンクスでも同じである。なお、チャールズ・ブレア・マクドナルドの18番と6番のホールデザインは英国の雑誌「Country Life」が開催したデザインコンテストに由来する。そのデザインコンテストにおいて、当時無名の外科医陸軍衛生兵アリスター・マッケンジーの作品が大賞に輝き、リドーゴルフコースの18番ホールのデザインに採用され、また、準優勝セス・レイノアの作品ドッグレッグ(犬の足)がリドーゴルフコースの6番ホールのデザインに採用された。ちなみにドッグレッグの設計概念は左右に著しく曲がるホールのニックネームとして定着しており、バリシアーゴルフリンクスでは2番パー4に採用されている。
バンラカットクラブ
[編集]2019年に設立された会員制のゴルフクラブである。
クラブハウスは隈研吾建築都市設計事務所ならびにタイのデザイン企業Febler Image による設計。