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利用者:Hymath/sandbox/下書き2

数学において、弧長(距離)空間(こちょう(きょり)くうかん、: length (metric) space)とは距離空間であってその距離から定義される曲線の長さで元の距離がいくらでも近似できるような空間である。

定義

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弧長距離

( X , d ) を距離空間とする。二点 x , yX について dl (x , y) をその xy を結ぶ曲線の弧長の下限とする。 このとき dld から誘導される弧長距離: length metric)ないし内的距離: inner metric または: intrinsic metric)と呼ばれ、X 上の拡張距離となる。

特に d = dl のとき、 d 自体を単に弧長距離または内的距離といい ( X , d ) を弧長空間という。

近似的な中点

( X , d ) を距離空間とする。このとき、任意の二点 x , yX と正数 ε > 0 についてある点 mX が存在して、d (x ,m) , d (m ,y) ≤ 1/2d (x ,y) + ε が成り立つとき、 X近似的な中点: approximate midpoint)を持つという。

基本性質

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  • 測地空間は弧長空間。
  • 任意の距離から誘導された弧長距離はそれ自身弧長距離となる。つまり (dl)l = dl
  • 距離 d から誘導された弧長距離 dld を下回らない最小の弧長距離である。
  • 弧長空間は近似された中点を持つ。逆に完備距離空間が近似された中点を持てば弧長空間である。
  • 弧長空間の完備化は弧長空間。
  • 距離空間に関するホップ・リノウの定理英語版から、完備で局所コンパクトな弧長距離空間は固有な測地空間となる。

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  • ユークリッド空間は弧長空間である(より強く測地空間でもある)。
  • ユークリッド空間内の球面へのユークリッド距離の制限は弧長にならない。ユークリッド距離から誘導される球面上の弧長距離は球の中心と各点を結ぶ線分の間の角度に比例する。これを大円距離という。