三角関数と双曲線関数については良く知られた加法定理が存在する。
楕円関数の加法定理は両者の加法定理の折衷であろうと期待するのは自然のことである。試みに両者の公式を似た形に誘導する。
であるから、分母のをで按分すれば良かろうと見当が付く。結論を記すと、実際、次の公式が楕円関数について成立する。
が成り立つ。これを確かめるために右辺の導関数を求めるが、少し複雑な計算になるので簡単に書くための記号を導入する。
まづ、ととの関係を確かめる。
予め途中の計算をしておく。
に関する導関数を求める。(は定数と考える。)
右辺はヤコービの楕円関数と同じ微分方程式を解くので、を代入して初期値を確かめる。
従って、先に示した加法定理は成立する。